北海道 知床

7月8日へ   →7月9日へ   →7月10日へ   →7月11日へ

前半2日間は天候に恵まれて、英嶺山と羅臼岳では素晴らしい展望と高山植物に感動することができましたが、後半2日間は雨で、硫黄山は残念ながら途中撤退を余儀なくされました。

日 程:2016年7月8日(金)~11日(月)

参加者: MAさん、MIさん、HMさん、JSさん、KNさん、岡野屋 清の6名

北海道 知床 地図

行程
8日: 女満別空港 <レンタカー> 小清水原生花園 <レンタカー> 知床峠 <レンタカー> 英嶺山登山口 … 英嶺山 … 三角山 … 民宿近く
9日: 民宿 <レンタカー> 岩尾別温泉 羅臼岳登山口 … 羅臼岳 … 登山口(ホテル)
10日:(雨のため観光)ウトロ港からクルーズ観光船、アトサヌプリ、摩周湖
11日:民宿 <レンタカー> カムイワッカ湯の滝 … 硫黄山登山口 … 途中撤退 … 硫黄山登山口 … 知床大橋 … 硫黄山登山口 … カムイワッカ湯の滝 <レンタカー> ウトロ <レンタカー> 網走 <レンタカー> 女満別空港

8日(金) 英嶺山登頂 天候:快晴 歩行時間:3時間00分、休憩時間:30

行程・時間(5分刻み、以下同じ)
登山口(羅臼中学校)[13:40発] →(15分)→ 三角山分岐[13:55]→(15分)→ 四ッ倉沼[14:10通過] →(20分)→ 熊見台[14:30-35]→(30分)→ 英嶺山[15:05-15] →(20分)→ 熊見台[15:35通過]→(20分)→ 四ッ倉沼[15:55通過] →(15分)→ 三角山[16:10-15]→(15分)→ 登山口[16:30通過] →(10分)→ 羅臼神社[16:40-50]→(20分)→ 民宿の近く[17:10] <レンタカー> 民宿「かんなり」[17:15着]

羽田空港7:10発のJAL565便に搭乗し、女満別空港に5分遅れで8:55頃に着く。予約したレンタカーのカウンターで受付を済ませる。レンタカー会社の送迎バスで営業所まで行き、手続きをする。9:30頃に出発する。

運転は今回もずっとKNさんがしてくださる。

まずはオホーツク海方面に向かい、小清水原生花園に立ち寄る。約40年前にも来たことがあったが、その頃にはホームだけの小さな駅しかなかった。しかし、今はしゃれた駅舎とインフォメーションセンターなどの立派な建物とお店がある。ハマナス、エゾキスゲ、エゾスカシユリなどがたくさんきれいに咲いている。駅舎の売店でイチゴジュースを買って飲むと美味しい。

ウトロまで行き、道の駅「ウトロ・シリエトク」にあるレストランで、日替わり海鮮丼(ウニ、イクラ、ツブガイ、サケ、カレイが載っている)と知床旬膳(煮魚)のいずれかを食べて満足する。

昼食後、コンビニで買い物の後、知床横断道路を通り、知床峠に着き、羅臼岳の展望を楽しむ。

その後、羅臼町に下って行き、登山口近くの羅臼中学校に到着する。その際、小清水原生花園での忘れ物に気が付き、2名は英嶺山登山を諦め、原生花園に向かう。

羅臼中学校の裏手に登山口に向かう道があり、鹿避けのため、電気を通したワイヤー4本の柵が張り巡らされていて、登山口方面の道の所だけ、ワイヤーを1本ずつ外すことができるようになっている。3本を一旦外して跨いで通り、再度ワイヤーを引っ掛ける。

林道を7、8分登ると、きれいなサクラソウがたくさん咲いていて、そこが登山口になっている。

少し登るとT字状の分岐になっていて、左が英嶺山(2.2km)、右が三角山(0.07km)となっている。左に進むと、しばらくは緩やかな幅の広い登山道が続く。笹原を切り開いて付けたような道だ。

15分ほど登ると、四ッ倉沼に着く。周りにシラカバと思われる木がたくさんあり、正面に緩やかな英嶺山の山頂が見えている。きれいな所だ。

その先も緩やかな道が続くが、次第に少しずつ傾斜が急になってくる。

1時間くらい登った所でちょうど良い休憩場所に出る。熊見台と書かれた標識がある。西側を見下ろすと、羅臼川沿いの集落が見える。泊まる予定の民宿も見える。

しばらく登っていると、ズボンに白い物がたくさん付いていることに気が付く。どうも笹から白い汁が出ていて、これが付くようだ。この付近は道が狭くなってきて、道の両側だけでなく、道の真ん中にも笹が生えている。そう言えば顔にも何か水のようなものがとんでくる。

熊見台から30分ほどで英嶺山の頂上に着く。たが、頂上手前は急斜面になっていて、斜めに登った後、直下に渡してあるロープを使って登る。

頂上からは羅臼岳から硫黄山に続く知床連山がよく見える。反対側の海に目をやると、根室海峡を挟んで、国後島が見える。

しばらく展望を楽しんでから、下山を開始し、三角山にも行ってみることにする。

三角山の頂上には木が生えているものの、木の間から羅臼港を間近に見下ろすことができる。

羅臼中学校まで下山し、そこからは途中で近道をして下る。近道は階段に透明なトンネルのようなカバーがしてある。積雪の頃でも登りやすいようにしてあるのだろう。

降りてすぐの所に羅臼神社がある。改修したのが比較的最近のようで、鳥居や神社建物の朱色がきれいだ。また、神社脇に羅臼権現水という湧き水が出ていて、屋根が付けてありしめ縄が張ってある。折角なので湧き水をいただいてみると美味しい。

ここから民宿に向けて歩いていると、メール連絡があり、もうすぐ民宿に戻ってくるとのこと。しばらくすると、忘れ物を取りに行った二人が乗った白いレンタカーがやって来て、民宿まで乗せていただく。

民宿「かんなり」は、小生が2001年8月上旬に羅臼岳に登った際にも泊まった宿だ。当時は温泉が引いてあったのだが、温泉のお湯でパイプが錆びるそうで、今はなくなっている。

まずは交代で二人ずつ入浴する。その後、19時頃から夕食だ。お刺身と焼いた鮭やホタテがおかずだ。お刺身には山椒の葉が添えてある。ご主人によると、消毒作用があるとのこと。

小生はアルコールを控えたので、小生が運転して、夕食後にコンビニに行って翌日の昼食や飲み物を購入する。その後で、温泉「熊の湯」に行く。ここは入浴料が無料で、地元のボランティアの皆さんが毎朝お掃除をされている。お湯が熱いが乳白色の良い温泉だ。後で聞くと、女湯は電気が切れていて、真っ暗だったとのこと。

翌日は朝早いので、早めに就寝とする。

(クリックでスライドショーになります)

9日(土) 羅臼岳登山 天候:快晴 歩行時間: 8時間45分、休憩時間:2時間40

行程・時間
民宿「かんなり」 [4:00発] <レンタカー> ホテル地の涯[4:40着/5:10発]→(5分)→ 木下小屋[5:15通過] →(40分)→ オホーツク展望台[5:55-6:00]→(30分)→ 650m岩峰[6:30通過] →(25分)→ 弥三吉水[6:55-7:00]→(10分)→ 極楽平[7:10通過] →(45分)→ 銀冷水[7:55-8:10]→(15分)→ 大沢入口[8:25-40、アイゼン装着]→(30分)→ 大沢上部[9:10-15、アイゼン外し] →(10分)→ 羅臼平[9:25-30]→(20分)→ 石清水分岐[9:50-10:00] →(15分)→ 雪渓登り[10:15通過]→(30分)→ 羅臼岳[10:45-11:15、昼食] →(40分)→ 雪渓下り[11:55]→(10分)→ 石清水分岐[12:05-10] →(20分)→ 羅臼平[12:30-35]→(10分)→ 大沢上部[12:45-55、アイゼン装着]→(20分)→ 大沢入口[13:15-25、アイゼン外し] →(10分)→ 銀冷水[13:35通過]→(40分)→ 極楽平[14:15通過] →(10分)→ 弥三吉水[14:25-35]→(40分)→ オホーツク展望台[15:15-45] →(50分)→ ホテル地の涯[16:35着]

民宿の朝食はおにぎりに変更していただき、3時過ぎに起床して、4時に出発する。登山口のある岩尾別温泉にある「ホテル地の涯」には40分ほどで着く。予め電話して駐車場の利用をお願いしておいたので、このホテルの宿泊者であれば問題なく駐車することができる。ちゃんとホテルの方が見張っていて、登山口の駐車場は5台分しかないため、宿泊者以外は下の方の路上駐車となっている。

車内でおにぎりをいただき、出発の準備をする。

歩き始めると間もなく、登山口の木下小屋に着く。すると、みろく山の会のMHさんとSMさんがいる。他に、STさんとSYさんという方々と合わせて、4名パーティとのこと。百名山クラブの例会の参加連絡の際に、「7月7日から10日迄、北海道三山(羅臼・斜里・雌阿寒岳)登山」というメールを受けていたものの、同じ日に羅臼岳登山とは思っていなかった。

お先に出発する。するとすぐにしめ縄が張られていて、脇に小さな祠がある。登山の安全祈願をして、しめ縄をくぐって登り始める。

しばらくは樹林帯の中の登りだが、6時前にオホーツク展望台に着くと、展望が開けている。小休止の後、また樹林帯を歩く道となる。時折、木々の間から展望が見える。

弥三吉水にはなかなか美味しい水が湧いている。羅臼岳登山道の開拓者である木下弥三吉氏にちなんで名付けられたようだ。最初は尾根沿いに道を付けたそうだが、登山者が水を得られるようにと道を付け直したのだそうだ。

少し行った所が極楽平と名付けられている。シラカバの木の間から羅臼岳頂上が見えている。その先は仙人坂のいうジグザグの登りだ。これを登り切ると銀冷水に着く。ここには携帯トイレ用ブースが設けられている。

15分ほど登ると大沢入口に着く。今年は雪融けが遅いと聞いていたが、ここから上の方までずっと雪渓が続いている。2001年8月に来た時は、雪渓はわずかで柔らかくなっていたのでアイゼンは付けなかったのだが。

アイゼンを装着して登り始める。初めは緩やかな登りだ。雪渓を登る途中で振り返ると、オホーツク海がよく見える。上の方に行くにしたがって、次第に傾斜が急になってくる。2回ほど雪のない岩場を超すと、最後の急な雪渓登りとなる。この辺りから見下ろすと、ちょうど知床五湖が見える。

雪渓を登り切って歩き始めると、高山植物満載だ。まずは色の濃い赤色のエゾコザクラとエゾシャクナゲが出迎えてくれる。エゾコザクラは何度見ても可愛い花だ。

羅臼平に着くと、羅臼岳の頂上付近の岩場が帽子のように山頂に被っていて壮大だ。民宿のご主人から石清水の湧き水がとても美味しいと聞いていたので、早々に出発する。

石清水までの登山道脇には、イソツツジやメアカンキンバイが咲いている。ウラジロナナカマドも白い花を付けている。紅葉の頃もきれいなのだろう。

石清水に着くと、苔むした岩から幾筋もの水がぽたぽたと垂れている。カップで受け取るが水が貯まるのに時間が掛かる。飲むと美味しい。岩の周りにはイワウメの花がたくさん咲いている。こういう感じの水場は珍しい。

登り始めると、登山道脇にはコケモモやエゾノツガザクラが咲いている。

頂上が近づくと、雪渓斜面を登る所に出る。結構急な傾斜だが、アイゼンなしでトレースを辿って登る。その上からは岩場の登りとなる。岩の間に咲いているイワヒゲがきれいだ。

岩場はすれ違い渋滞があるので、時間が掛かる。10:45に頂上に着く。お腹が空いたので、まずは昼食とする。その後、MHさん達4名が登って来られる。お互いに記念撮影をして、下山を開始する。つい、周囲の展望写真を撮るのを失念してしまう。オホーツク海、知床連山、根室海峡と国後島、羅臼湖、遠音別岳方面と360度の大パノラマだったのだが。

下りでもすれ違い渋滞のため、時間が掛かる。頂上下の雪渓では、慎重に下る。石清水では再度美味しい水をいただく。

羅臼平まで下り、木下弥三吉氏のレリーフを見る。北大山の会有志が作ったと書かれている。

大沢雪渓でアイゼンを付けようとすると、小生のアイゼンの片方の輪っかがなくなっている。他のメンバーのご提案で、予備の靴紐を使って縛り付ける。これに時間が掛かってしまう。

雪渓の登りは30分だったが、下りは20分だ。大沢入口でMHさん達が追い付いて、追い越して行く。銀冷水では我々が追い越すが、弥三吉水で一緒になり、先に下っていただく。

翌日は硫黄山に登る計画を立てていたのだが、天気予報が悪い。ホテルまで下ると電波が通じないとのことなので、オホーツク展望台で予報を確認する。やはり雨の予報だ。このため、翌々日の天気回復を期待し、翌日は観光に変更することに決める。予約していた観光船クルーズ事務所に電話し、翌日8:30発のヒグマウォッチング・コースに変更する。

30分ほど時間を費やしてから下山を開始する。みんな疲れたようで、下りは時間が掛かる。途中で若い外人男性2名とすれ違う際、弥三吉水までどのくらいかを尋ねられる。一人は大きなザックを持ち、もう一人は空身という不思議な組合せだ。この日の夜から雨の予報なのでちょっと心配だ。

遅くなったので知床五湖観光は諦め、ゆっくりと温泉入浴とする。このホテルの露天風呂はなかなか良い。屋外にある無料の岩尾別温泉の露天風呂よりもはるかに良い。KNさんによると、3段ある湯船のうち、中段は非常に熱かったとのこと。小生は2001年8月の際には入浴したのだが、今回、奥の方に滝見の湯という所があることが分かった。行ってみたものの、入浴せずに戻ってくる。

夕食はホテルなので、広い食堂でいただく。お刺身、カニ、鍋などがおかずだ。ビールの後、冷酒を2種類いただく。

夕食が終わりに近付いた頃、ホテルの方からお客様がお見えになったと連絡がある。SMさんとSTさんがお酒などを持って来られている。夕食後にホテルの部屋で懇親会をやろうと言っていたものの、木下小屋は消灯が早く、静かにしなくてはいけないので、もう寝るとのこと。差し入れをありがたくいただいてお別れする。4名は下山後に知床五湖に行って来られたとのこと。

我々は男性の部屋でしばし2次会の懇談をする。

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10日(日) 登山中止 雨(朝のうちは霧雨) クルーズ観光船、観光

行程・時間
ホテル地の涯[7:35発] <レンタカー> ウトロ港 ゴジラ岩観光駐車場[8:00着]ウトロ港[8:30出港] <クルーズ観光船> ルシャ湾[9:40頃発]<クルーズ観光船> ウトロ港[10:30着] <レンタカー> 鹿料理「屈斜路原野」[12:25-13:15]<レンタカー> 硫黄山(アトサヌプリ)[13:35-14:10]<レンタカー> 摩周湖レストハウス[14:40-14:55] <レンタカー> セブンイレブンで買い物<レンタカー> ウトロ 民宿「たんぽぽ」[17:00頃着]

この日は観光だが、8時半初の観光船クルーズに乗ることにしており、8時10分までに受付をするようにとのことだったので、朝一番の7時から朝食を済ませ、7時半にホテルを出発してウトロに向かう。

霧雨が降っているものの、何とか見通しがあるので、救命胴衣を付けて期待して乗船する。クルーズ船は知床半島の海岸近くをゆっくりと進んでいく。船長さんがマイクで解説しながら操舵してくれる。海岸の水深が深く、小さい船なので、海岸近くを航行することができるのだろう。

しばらくすると象岩とか柱状節理の岩が続く。船長さんによると、フレベの滝は乙女の涙ともいうそうだ。波でえぐられたのか、大きな穴が開いた岩も多い。海鳥もたくさんいる。オジロワシや足の赤い鳥もいる。

カムイワッカの滝が海に流れ込んでいる所も通る。硫黄川も滝として海に流れ込んでいる。晴れていれば上の方に知床大橋を見ることができるそうだ。

ヒグマがなかなか見付からないで進んで行き、Uターン地点のルシャ湾に着くと、ヒグマがいるという。初めはよく分からない。次に、ヒグマの親子が現れて、海岸の水際を歩いてくれる。かなりの間、じっくりと見ることができる。少し離れた所には、エゾシカの群れがいる。

満足した所でUターンし、ウトロ港に戻り始める。

約2時間のクルーズを終え、ウトロ港にあるゴジラ岩の所で記念撮影をする。

その後は、昼食として鹿料理をいただくため、屈斜路湖の南にある「屈斜路原野」に行く。ここはユースホステルになっているようだ。エゾシカの赤ワイン煮かハンバーグをいただく。臭みが全くなく柔らかい肉で美味しい。

屈斜路湖畔をドライブして、硫黄山(アトサヌプリ)のレストハウスに行く。小生はここも3度目だ。噴煙を上げている硫黄山の近くには、真っ黄色の硫黄が噴出している。

次に摩周湖に向かうが、雨がひどくなり、霧と雨で真っ白なため、何も見えない。「霧の摩周湖」とは言うが、雨が降っていない時の幻想的な風景を言うのだろう。過去2回はとても良い展望だったのだが。

これで観光を終え、ウトロの民宿に向かう。民宿にお電話して確認すると、朝食のおにぎりへの変更はできないとのことなので、朝食抜きでお願いする。

まずは、ウトロのセブンイレブンで買い物だ。翌日の硫黄山登山の朝食と昼食を買う。

民宿「たんぽぽ」にはちょうど17時頃に到着する。荷物を部屋に持って上がり、まずは、直ぐ近くの日帰り温泉入浴施設の「夕陽台の湯」に行く。車で行ったが、250mほどの距離だ。

曇っているので海が見えないが、晴れていれば夕陽がきれいに見えるのだろうと思う。

民宿に戻って18時から夕食だ。ここの夕食は、お刺身3種、ウニ、カニがあり、エイの一種の煮物、ホタテのカルパッチョ・サラダと盛りだくさんで、とても美味しい。サッポロCLASSICと知床ワインをいただいて満足する。

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11日(月) 硫黄山登山(途中撤退) 小雨・霧 歩行時間:5時間00分、休憩時間:50

行程・時間
  民宿「たんぽぽ」 [3:30発] <レンタカー> カムイワッカ湯の滝駐車場[4:15着/4:45発]→(10分)→ 硫黄山登山口[4:55通過] →(30分)→ 展望台[5:25-30]→(20分)→ 硫黄採掘跡地[5:50通過] →(15分)→ 新噴火口下部[6:05-15]→(1時間10分)→ 標高950m付近[7:25-35、撤退決定]→(50分)→ 新噴火口上部[8:25-40、軽食] →(35分)→ 展望台[9:15通過]→(5分)→ 旧硫黄採掘地[9:20通過] →(35分)→ 硫黄山登山口[9:55、記念写真撮影]→(10分)→ 知床大橋[10:05-15] →(10分)→ 硫黄山登山口[10:25通過]→(10分)→ カムイワッカ湯の滝駐車場[10:35着]

3時前に起床し、3時半に民宿を出発する。カムイワッカ湯の滝の駐車場に4:15に到着する。前日買っておいたもので朝食とする。雨具を着て出発の準備をする。

知床林道はゲートで閉ざされており、一般車はここまでしか入れない。時期がずれると、ここまでも入ってくることができず、シャトルバスで来ることになるそうだ。以前はカムイワッカ湯の滝を登って、そのまま硫黄山への登山道に合流するルートが使えたそうだが、今はそのルートは通行禁止となっている。

小雨が降り、霧で白い中を歩き始める。登山道脇にはたくさんの白い花が咲いている。デージーに似ているが、調べるとフランスギクというらしい。

約10分で硫黄山登山口に着く。大きな看板に「登山口から硫黄採掘跡地までの登山道にはアリの巣があり、頻繁にヒグマが来る」と書かれている。みんなで熊避けベルを鳴らし、熊避けホイッスルを吹きながら歩く。MAさんはラジオの音を鳴らしながら歩く。

硫黄採掘跡地は標識があるだけで、どの辺りで採掘していたのかよく分からない。

その後は岩場を登って行く。天気予報では6時頃には雨が上がるということだったが、一向に上がる気配はない。新噴火口の下部で休憩を取る。

新噴火口付近を登って行き、その上部から上は、木の根の多い樹林帯を登る。傾斜もあり、滑りやすく、歩きにくい。休憩を取るのに良い場所もない。1時間と少し登った所で下りに変わる所に出る。ここで休憩を取る。すると、女性3名はここで引き返すと言う。

残りの3名で行ける所まで行ってみるということになったが、結構急な下りだ。ここから沢出合まで下り、沢を登って行くことになる。前日、民宿のご主人にお尋ねしたところ、沢出合付近は下りで道に迷いやすいとのことだった。雨が上がらず、この急な登りがあるので、頂上近くまで登って下りてくるとかなり遅くなりそうだ。

小生は昨夜寝る前に検討した際、天候が悪ければ頂上まで行くのは困難と思っていたので、この際、ここで撤退することに決める。

新噴火口上部まで下り、昼食用に買ったものを食べる。そうしていると、空が明るくなり晴れてくる。周りの風景が初めて見えてくる。これで良い天気になるのかと思っていると、5分ほどでまた曇ってきて、雨も降ってくる。

硫黄山登山口まで下ってくるとまだ10時前だ。記念撮影をして、知床林道を北東に進み、知床大橋まで行ってみることにする。

林道には真新しいヒグマの糞が落ちている。改めて熊避けベルとホイッスルを鳴らしながら歩いて行く。

知床大橋は、赤褐色の鉄橋のような形の橋だ。真ん中付近で下を見るとはるか下に川の流れが見える。霧で霞んでいるがかなり高く100mくらいありそうだ。後で調べてみると約60mとのこと。

駐車場まで戻る途中に林道脇にいるキタキツネやエゾシカがいる。

駐車場に戻るとカムイワッカ湯の滝に来た観光客で駐車場が一杯だ。レインウェアなどを脱いで準備するのに時間が掛かる。

30分くらいしてから出発し、前夜入浴した「夕陽台の湯」に行ってみると、14時からとなっていてまだ空いていない。観光協会に電話して問い合わせると、近くで日帰り入浴のできる所として、国民宿舎「桂田」を紹介していただく。

ちょうど正午頃に着き、尋ねてみると、男湯は清掃中なので、交代で良ければ女湯に入浴でき、ホテル内でパッキングをしても良いと了解していただく。

内湯のお湯は少しぬるいが、外の露天風呂はまだ少し暖かい。お湯は黄褐色に濁っていて感じが良い。雨に打たれていたので、温泉に入ると気持ちが良い。

入浴後にザックをパッキングして、宅急便で送る準備をしてから出発する。

セブンイレブンでザックを宅急便で送り、直ぐ近くの知床料理「一休屋」で昼食をとる。

食後に出発し、女満別空港に行くまでにどこに立ち寄るか検討し、博物館「網走監獄」に行く。

入館料は1,080円だが、ネット割引10%がある。さらに、行ってみると65歳以上は半額とのこと。入ってみると敷地が広く、全部回るのは大変なので、早回りコースを選び、1時間強で回る。明治時代の網走刑務所は劣悪な状況だったことが分かる。強制労働で数多くの囚人がなくなったそうだ。

敷地内にはたくさんのきれいな花が植えてあり、暗い雰囲気を一掃しようとしていることが分かる。

18時前にレンタカー営業所に返却し、送迎車で空港に着く。女満別空港は小さい空港なので、食事をするレストランが2つしかない。「ピリカ」でビールとおつまみで乾杯する。民宿「たんぽぽ」の夕食の際隣り合わせた6人組と再度出会う。彼らは羅臼岳に登ったのだが、ちょうど頂上にいる頃に晴れて素晴らしい展望に恵まれたとのこと。このうちの1名が日本百名山を完登し、みんなにお祝いされたそうだ。

今年の4日間は、雨にたたられたものの、満足のできる山行となる。

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