山行情報

日時:8/29(水)~ 9/3(月)  天候:晴(全日)
ランク:B-B-3:30  参加者:7名
山行担当:CL:3036 SL:2679  記録担当:文責・写真 3036

山行記

飛行機が徐々に高度を下げ、旋回を始めると、何もない赤土の荒野に忽然と巨大な一枚岩が姿を現わし、満員の乗客からは思わず歓声が上がります。
オーストラリアの象徴ともいえるエアーズロック(ウルル)。大地を割いて聳える姿は、「地球のへそ」とも称されます。「世界最大の一枚岩」と言われることが多いのですが、実は2番目。最大のものは同じくオーストラリアにあります。
地表に現れている部分は全体のわずか1割とも言われ、ただでさえ巨大なその岩を見上げると、全体像はどれほどのものかと想像するのも難しいくらいです。

ウルルの砂岩は鉄分を多く含むため、表面には酸化した赤い岩肌が露出しています。この赤土は太陽が射す角度によって色が変わり、時間の経過によってさまざまな表情を見せてくれます。
特に、朝陽や夕陽を浴びて刻々と移ろいでいく色彩は芸術的で、自然の偉大さを感じられるひとときです。時間によって七色に変わるという岩肌、先住民の伝説が残る麓の泉や岩のくぼみ、そして間近に感じる巨大さ。

ウルル

その場所に行かなければ出会えない感動-ウルルもそのような場所のひとつです。日の出前は闇の中に溶けていた岩肌が徐々に赤みをもち、日の出とともに鮮やかなサーモンピンクに染まった後、鮮やかなオレンジ色へと変わっていきます。そして圧巻は夕陽。日が西に傾き始める頃から徐々に岩肌が赤く色づき始めます。そして日が沈む瞬間、ウルルの岩肌は燃えるような色となります。でもそれも一瞬のこと。日が沈みきると急速に色は失せ、夜の闇の中にその姿を隠していきます。

カタジュタ山

ウルルが闇の中に沈む頃から、地平線まで続くアウトバックの平原では「フィールド・オブ・ライト」が始まります。何もない乾燥した土地に、なんと5万個以上の球状のライトが張り巡らされ、草原の花のごとく、夜の暗闇の中に無数の光の粒が広がります。ライトはすべて太陽光を利用。ここはアボリジニの聖地でもあるため、周囲の自然環境にも配慮しています。日没後、あたりが暗くなっていくにしたがって明るく灯される光はさながら地面に星空が降ってきたかのよう。

フロストガラスの丸いライトが、白、青、黄、赤と、ゆっくりと色を変えながら輝く様子は、まるで本当に、夜光虫か、珍しい光る花が咲いているかのよう。もちろん人工的な光なのですが、街のイルミネーションとは違い、温かみがあって、見る人の心をとても癒してくれます。
無数の光の向こうには、ウルルの雄大なシルエット。ここでしか見ることのできない、特別なインスタレーション・アートとして高く評価されているのが納得できます。幻想的ということばでしか言い表せないのがもどかしいほどです。期間限定のこの幻想的な風景を見るだけでもここまできた甲斐があると実感しました。

Field of Lights

そして、満点の星空。天の川がくっきりと夜空に映え、南十字星が水平線近くで淡い光を放ちます。南半球にきたときの楽しみのひとつが南十字星を見つけることでしょう。

オーストラリアの2ドル硬貨や50ドル紙幣にも南十字星がデザインされています。南十字星は北極星のように中天で明るく輝いているわけではないので、都会では探すのは難しいのですが、空気が澄み、他に光源がないウルルの砂漠ではくっきりと夜空に輝いていました。肉眼で見える星があまりに多すぎて、星座を探すのが困難なくらいでした。

2ドル硬貨

50ドル紙幣

私たちは最初のトライでウルルに登ることができ幸運でしたが、忘れてはならないのは、ウルルはこの地域に暮らすアボリジニの人たちにとって大切な聖地であることです。そのため彼らはこの岩に登ることをよしとせず、当然、観光客がウルルに登るのも快く思っていません。来年には登頂が禁止されるのもアボリジニの感情に配慮したものでしょう。希少な自然遺産というだけでなく、貴重な世界遺産でもあるのです。

訪れる人にウルルは強烈な印象を残します。
短い滞在でしたが、旅の目的だったウルルの日の出、夕陽、星空、そのすべてを堪能することができ、充実した毎日でした。もうウルルに登ることはできなくても、アウトバックの赤い大地とウルルは強烈な余韻を残し、またいつかこの大地に戻ってきたいという想いを強くしました。

”カンガルーに注意”