第17回 MRT講習会

山行情報

日時:2022/02/05 ~ 2022/03/05 天候:1日目曇りのち雪、2日目晴れ、3日目曇りのち雨、4日目晴れ、5日目晴れ
ランク:D-C-1:00 参加:9~14名
山行担当:CL3420 SL岩沢世話役会メンバー
記録担当:文責:3726,3730,3597,3705,3758 写真:3420,3726,3730

山行記

1日目 2月5日(土)場所:三保市民の森

MRTの初日は横浜線十日市場駅から徒歩30分程度の三保市民の森で実施しました。MRTとはマルチピッチ・ロープワーク・トレーニングの略でクライミング技術の一つです。幕岩教室でトップロープを学び、リードクライミング、そしてMRTと言う段階を踏んで技術を深めていきます。

講習生は事前にテキストや参考書籍、Youtubeなどで調べて予習をして臨みましたが、複雑な作業を確実にマスターする必要があるため、リーダーからマンツーマンでみっちりと指導を受けました。7名の受講者に一人ひとり指導者が付くとは、みろく山の会のクライミングメンバーの層の厚さは素晴らしいです。

後日、担当していただいたリーダーからの講評も配布され、今後に向けた改善点も明確に指摘していただきました。手厚い親身の指導に重ね重ね感謝。

次回は、いよいよ岩場での実践となります。心して取り掛かりたいと思います。(文責:3726)

【CL追記】
午後に雪が舞う寒い日でしたが、広い林の中でたくさん練習できました。広場もあり、歩道の柵と立ち木でロープワークの基本を学びました。昨年より良い場所でした。



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2日目 2月11日(金)場所: 幕岩 悟空スラブ

いよいよマルチピッチクライミングを外岩で実践するときがやってきた。昨日の雪で岩も少し湿っている。コーチとアンザイレンし(ロープで互いに結び合うこと)仲間達が次々と悟空スラブの岩場を登っていく。皆一様に真剣な面持ちだ。

私は、緊張のあまり、コーチの声が全く耳に入ってこない。1ピン目はどこか? 2ピン目は? 無ければ木で? 終了点はどうなっているのか? 岩場では独りきりのため、次々と頭の中に不安が募ってくる。ドキドキする気持ちを抑えて、ゆっくりと登り始める。

徐々に緊張もほぐれ、1ピッチ、2ピッチと登りを重ね、最後は懸垂下降で元に戻る。簡単に昼食を摂り、そしてまた2本目と時間を忘れて集中してのクライミング。あっという間に1日が終わった。(文責:3730)

【CL追記】
初めて岩場でのマルチピッチクライミング。緊張し夢中になって練習。外岩のクライミングは、少し本チャンの感覚が得られたと思います。



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3日目 2月20日(日)場所:広沢寺 弁天岩

前日から小雨が降っていましたが、朝8時頃には雨が上がり、弁天岩には他のグループいなく貸し切り状態で、午前中、支点構築の復習とアクシデント対応の練習をしました。

支点構築では、カラビナは上からかけて180度回しゲートを手前にする、支点の角度は60度以下にする、残置支点が弱そうな場合は支点間にヌンチャクを掛けてバックアップをとる、PASのセルフビレイはメインロープのセルフビレイより下にとる等実施をしながら説明がありました。

リードビレイの仮固定では、解除するときにクライマーの体重でロープが出ないようにするためにミュールノットを外すとき両手で引くようアドバイスがありました。続いて、懸垂中の上り返しではマッシャーを2個使う方法で実践練習をしました。また、下のマッシャーの代わりにATCガイドを使う方法を習いました。

午後になっても岩は乾きませんでしたが、濡れているところをなるべく避けて、岩の半分ほどの高さまでの練習をしました。滑りやすい岩肌で緊張しましたが、普段できないような岩の状況でいい練習になりました。

実際の山では色々な状況に遭遇すると思いますが、確実でスピーディーなロープワークと登攀技術を身に着け、様々な状況に対応できるようこれからも練習に励みたいと思います。(文責:3597)

【CL追記】
いよいよ岩壁でのロープワーク練習の日。雨が上がって少し乾くかと期待しましたが、一日中濡れていてシングルピッチの練習しかできませんでした。濡れた岩の登りづらさを経験しました。いざという時のために、仮固定や登り返しの練習をしました。



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4日目 2月26日(土)場所:広沢寺 弁天岩

2回目の広沢寺マルチピッチ。1週間前、同じ広沢寺で練習した時は、雨上がりで寒かったが、今日は一変してあたたかく、穏やかな天気だ。

今日もリーダーの方とペアで練習開始。先週から予習、復習し、前日も家でロープワークを練習したので、少し自信があったのだが、最初支点構築の復習で、改めて、支点構築の際の距離感、カラビナの順番、スリングの長さなど、まだまだ出来てない部分が多いことに気付く。

一体いつになったら、上達するのだろう。いかに手際よく、確実に、安全に、そして冷静に、状況判断して実行していけるか。MRTは、総合力を問われるのだと改めて感じると同時に、その面白さを実感し始めており、いつか本番へ行くことへの意志も強くなる。反復練習と経験と積んでいくしかない。

先週の分を取り返すかのように、今日はマルチピッチ登攀、そして懸垂下降を繰り返す。懸垂下降も、ロープの繰り出し方、ジャミング回避、岩に引っかかった際にどうするかなど、何通りか想定して下降。今日も1日色々な状況をペアのリーダーの方が一つ一つご説明してくださり、経験の浅い自分には、本当にありがたかった。

あっという間に時間が過ぎ、気がつけば、広沢寺最後のピッチ。少し風が出てきて、疲れも出てきたが、何だか心地よい。来週はいよいよMRT教室最後の城山。ここまで4回、毎回1日中リーダーの方々が色々な事を教えてくださり、手本を見せてくださり、貴重な時間を費やしてくださった事、無駄にしないよう今週また練習しよう。(文責:3705)

【CL追記】
MRTが始まって初めての暖かい日。そして初めてフェースでマルチピッチクライミングが出来ました。これまで3回の練習の成果を広沢寺の岸壁で実践しました。たっぷり練習して、反省会ができなくて残念ですが、その分、家でしっかり復習して城山に備えましょう。



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5日目 3月5日(土)場所:城山 西南カンテ

最終日、電車を降りて、城山西南カンテを見上げる。そそり立つ岩場を見上げ、数日前からの武者震い(?)が一層強くなる。その反面、今までの練習の成果を出して楽しみたい期待も膨らむ。

南壁の取りつきに荷物をデポして西南カンテの取りつきへ。いざ、クライムオンすると、突風の洗礼を受ける。岩に立ち上がろうとすると突風に、身体が壁から剥がされそうになる。その度に胃が縮む。

そして、苦手なトラバース(1番怖かった)。最後の4ピッチ目は、1週間の予習の成果か、なんとかリードクリア。しかし、登れた安堵感は束の間、突風吹き荒れる中の支点構築。スリング、手袋、ロープが突風にたなびき、支点構築に苦戦。頭が真っ白になりそうになるが、下に見えるパートナーの姿を見て気持ちを落ち着かせる。なんとかトップアウトして、パートナーと硬い握手。危なっかしい私と組んで下さり、ありがとうございました。

知識・技術はもちろん。何より、あの恐怖と緊迫感の中、気持ちをコントロールして冷静であり続ける事の重要性を体感。もっと経験を積みたいと、夢が膨らみMRTを修了。MRT後、南壁でトップロープでスラブを数本実施。至れり尽くせりで、達成感を感じつつ帰路へ。MRTで指導に関わって下さった先輩の皆様、ありがとうございました。(文責:3758)

【CL追記】
この日も暖かかったですが、春一番で強風でした。受講生はそれぞれリードして立派にマルチピッチクライミングを実践しました。この後は、自主トレに参加して、本チャンに参加しましょう。本チャンに参加すると、MRTの訓練内容がしっかり身に付いて行きます。これからは、ザイルパートナーとして一緒に登りましょう。

今年もコロナ禍で2年続きで反省会ができなかったのが、すごく残念でした。反省会で聞けたはずの諸々のお話は、本チャンの時のお楽しみにしておいてください。

開始時7名でしたが修了時5名になったのは、修了後自主トレに参加できない場合、みろくの会山行でマルチのチャンスがなくなるので、1年間クライミングの練習をしてからロープワークの練習をする方が、受講生のためにもコーチのためにも良い、との判断からでした。



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