2021年(第23回)幕岩教室

山行情報

日時:2021/09/26 ~ 2021/10/24 天候:9/26雨、10/3曇り、10/10曇り後雨、10/17雨、10/24晴れ
ランク:D-D-1 参加:16人
山行担当:CL3271
記録担当:文責:3730、3653 、3637、3687、3697  写真:3271他

山行記

1日目:会事務所

【装備の確認、ビレイと懸垂下降の実技

幕岩教室第1回は鷹取公園で行われる予定だったが、緊急事態宣言発令中のため、みろく山の会事務所で実施されることになった。事前に開催予定だった説明会は中止となっており、まずは開催されたことに感謝。  

1班3~4名の4班に分かれ、1・2班は午前、3・4班は午後の二部制で実施された。私は4班なので、ゆっくり昼前の電車で横浜に向かった。ちょっと早めの30分前の到着だったが、まだ午前の部の受講生が熱心に実技の練習をしていた。午後の部の受講生も、1人、2人と集まり始め、午前の部が終了すると、入れ換えに午後の部開催。  

全員がテーブルに座り、テキストを使った注意事項等の説明、自己紹介などを行った後、2班に分かれて装備の確認、ビレイと懸垂下降の実技に入った。ロッカーの上にカラビナをつけ、ロープを垂らしての模擬演習。まずリーダーがお手本を示し、それに続いて受講生が1人ずつ、ビレイなどを行っていく。私の班の、私以外の2人は経験者で慣れた手つきで、ビレイや懸垂下降をこなしていた。ほぼ未経験の私は、ビレイでは手が思うように動かず、懸垂下降では手順がなかなか覚えられず、リーダーの手を煩わせながら、1回目の実技は終了した。  

2回目の実技は1週間後、ストーンマジックでの開催。それまでに1回目の内容を、しっかり復習して2回目に備えたい 



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2日目:クライミングジム

【トップロープ、ビレイ、懸垂下降の練習 

幕岩教室2回目は室内ジムで実際にロープと壁面を使っての練習。前回事務所で習ったエイトノットの結び方や、ビレイの仕方、懸垂下降の手順などを、一度平面で復習してから、いざ実践へ。  

まず、ジム内に作られたピナクルに、トップロープで登る。ピナクルの高さは7〜8mあり、下から見上げると高く感じ、「登れるのかな?」と不安を覚えた。でもスイスイ登っていく仲間を見ると自分も頑張ろうという気持ちになる。自分の番になって登り始めると、最初は「どこに手や足をかければいいのだろう?」と悩んだが、思ったよりも足場がしっかりしていたので、なんとか頂上まで登ることできた。そこからはロアーダウンで下りてくる。ロープに体を預けると、ビレイされているという安心感があり、さほど怖さを感じずに降りることができた。  

次は自分がビレイする番だ。確保器にロープ入れ、教えてもらった手順でロープを引いていくのだが、クライマーが登るのが早いとロープを引くスピードが追いつかない…。急ぐあまりにロープから手が離れてしまうので、コーチに何回も注意された。クライマーはビレイロープが頼り。実際にやってみることで、ビレイの大切さや難しさを痛感した。  

最後は懸垂下降の練習です。ピナクルの頂上まで登ったら、今度はロープを懸垂下降用にセット。コーチが付いていてくれても、高所での懸垂下降のロープセットは、緊張と焦りで思うようにいかない。おまけにジムの天井付近は熱がこもって暑く、汗でびっしょり…。ロープに結んでテンションかけて引いて、カラビナに確保器にロープ入れて…うわぁ、何だっけ…と大混乱しながらも、ビレイヤーのお力も借りて、なんとか地上に降り立ち、ようやくほっと一息ついた。一日中、一緒に緊張しながら頑張っていた仲間にもやっと笑みがこぼれて、「今日初めて笑ったねー」などと、訓練の感想などを言い合うことができた。  

ロープや器具の扱い方もたどたどしい受講生に根気よく何回も教えて下り、また暑い中で一人ひとりに丁寧に指導して下さったコーチに感謝。なんとか無事に一通りの科目は終えましたが、まだできたとは言い切れず、次回以降も練習を重ねることで、身につくよう頑張ろう! 



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3日目:広沢寺

【初めての外岩。しかし雨が…。 

幕岩教室3回目で初めて野外の岩場に挑戦。当日は伊勢原駅に集合、タクシーに分乗して広沢寺温泉駐車場まで行く。そこから林道を少し歩き、沢を渡り弁天岩へ。すでに先着のリーダーがロープを張って登る準備をしてくれていた。  

今回はそれまでの4班編成から3班編成に変わり、クライミング経験者の1班は近くの藤岩へ。未経験者主体の2班と3班は弁天岩のスラブでトップロープの登攀、ロアーダウン、懸垂下降を体験することに。だが訓練を開始した途端、まさかの雨が降り出して中断。しばらく様子見をしていたが、リーダーから一人1回ずつは経験してもらうとの指示があり、班ごとに交代で弁天岩の登攀、ロアーダウンとビレイを行う。登攀者とビレイヤーがお互いの準備確認を行ったのち、トップロープで登攀開始。雨の中で岩場もロープも濡れており緊張しつつ、わずかな窪みや突起を頼りに少しずつ登っていくが、どこから登ればよいのかわからなくなる。それでもなんとか上まで登り、ロアーダウン。まだ手を放し体重を下にかけることが不安でしかたがない。雨のため懸垂下降はマッシャーや下降器の取り付けなどの手順の確認のみを行う。怪我人もなく全員が訓練を終わり撤収の指示。残念だが野外では天候次第なので致し方ない。 

駐車場まで戻り、後片付けをしてくれているリーダーを待っていると雨が上がり、だんだん青空も見えてくる。また戻って訓練再開かと思ったが、岩場が濡れているため、このまま引き揚げることに。雨で予定どおりとはいかなかったが、初めての野外での貴重なクライミング体験となった。ロープセットや後片付けと、一人ひとりに適切なアドバイスをしてくれたリーダーの皆さんに心から感謝。



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4日目:クライミングジム

【2ヶ所に分かれてビレイと懸垂下降】 

天気予報の雨マークは遂に変わらず、前日にリーダーから2所のジムに分けて実施すると連絡があった。  

ジムではリーダーより「幕岩教室では岩に登ることではなくロープワークやビレイ、懸垂下降などの動作や流れをできるようにすることが目的だ」と説明があり、(登りたい!)気持ちを抑え、集中力を高め臨んだ。 受講生の結んだエイトノットを見てリーダーが「トウザイナンだ」と言った(「ん?」)キタナイ(北無い)ということ、皆で大笑いした。程よく気持ちもストレッチでき、受講中は丁寧に努めるよう今一度確認した。  

トップロープで登りロアーダウン、交代でビレイ。私のパートナーはビレイが上手い、真似をしたいが見ることができず残念だ。そして懸垂下降の練習。エイトノットでロープをハーネスに結び、ビレイ点まで登る。下降準備はPASを調整しセルフビレイ、フリクションコードでマッシャー結びをし、ロープをルベルソ(ATC)にセットしてビレイループに掛ける、グローブをはめセルフビレイ解除、重要な手の位置も確認し懸垂下降する。さほど難しい作業ではないのだが、平らな地上と足場が不安定な「現場」では大違いだ。PASに全体重をかけ、両手を使えるようにすることもまだ恐る恐るだし、段取りや手順をもっと見極めないとスムーズに運ばない、課題山積。  

指導頂くことは、カラビナ一つとっても多様な「洗練」が盛り込まれている。安全環付カラビナは、しっかり閉めた後少し反転、開かなくなることを回避するためだ。カラビナは下掛けが基本だが、ハーネスにつけるときはシャツの裾を引っかけないため上から掛ける方法もあると、なるほど。また、カラビナはどの種類を使うのか、開ける方向はどちらにするのか、などなど。理由があっての決まり事、そこに盛り込まれた洗練、しっかり飲み込み腹落ちさせ、ヒヤリもハットもないよう安全に徹し、4回目の受講を終えた。クライマーの見過ぎで、う~ん今日も首が痛い。  



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5日目:湯河原幕岩茅ヶ崎ロック

【最後はやっと晴天の幕岩で懸垂下降

幕岩教室もいよいよ最終回、朝から晴天、この5回の中で初めて本格的に外岩に登れるということで、期待と不安が交錯しつつ高揚感が増していく。久しぶりの好天の週末で、我々以外にも多くのクライマー達が集っている中、先発隊のリーダーの方々に設置して頂いた幾つかの岩壁の前のロープに、3班に分かれて臨む。 

流石にエイトノットはスムーズにできるようになった。ビレイの基本も身についてきたが、今回のメインテーマは登ることと降りること。自分の第3班は比較的易しいと思われるルートからスタート。それでも我々にとっては容易い訳ではない、リーダーから、足が基本、手でなく足で登れ!と檄が飛ぶ。 

ほどなく、ここは子供が練習するルートだからそろそろ空けてもらえませんか?と先生らしき方から要請される。そうだったのか!ずいぶん苦戦して登ったのに?と呆然とする。 

今回4つのルートを登ったが、終盤になるとクライミングシューズを履いた瞬間から指先が痛い。最後のルートでは登る前から、もう一つ気合が入らない、とりあえず登り始めるも途中でホールドが見つからず頓挫、足の痛みも加わって、ここであきらめて降りようかと弱気の虫が顔を出す。上で待つリーダーからガンバと激励の声、下では子供たちも見ているし、とにかく早く登ってしまおうと奮起。何とか登れて、懸垂下降の手順も早々に、無事降下することができた。正直、達成感より挫折感の方が大きく、やり終えた感よりも、如何にクライミングが難しいか、しみじみ実感した瞬間だった。「継続して、最低、週に1回は練習しなきゃダメよ」とあるリーダーに言われたことが、何となく分かったような気がした。 

 最後に、リーダーの皆様、大変お世話になりました。5週間にわたり、結果として毎回違う場所での訓練、教室の合間の自宅学習、そして仲間とともに学び教えあった時間、すごく楽しい充実した日々を過ごさせて頂きました。本当にありがとうございました。



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CL追記

コロナ感染者数が連日過去最高を更新し、緊急事態宣言発令中のため説明会はメール、1回目も事務所にて午前と午後の分散開催と、受講生にとっては十分とは言えないスタートとなり、天候不順も続いて対応に悩むことも多かったので、無事に終了したことに安堵しています。各回コーチの皆様、ご協力ありがとうございました。 

受講生の皆さんは、覚えた技術をさらに繰り返し練習して、これからの山行に活かしていくように。健闘を祈ります。