剱岳 北方稜線
山行情報
日時:2022/09/24 ~ 2022/09/27 天候:晴れランク:D-D-9:00 参加:6
山行担当:CL2900 SL3499
記録担当:文責:3674 写真:3597
コースタイム
1日目 室堂12:40->雷鳥沢野営場13:30->剣御前小屋15:16->剣山荘16:19
2日目 剣山荘4:30->前劔6:30->剱岳7:46->小窓ノ王12:20->小窓の頭13:30->池の平小屋16:50
3日目 池の平小屋6:30->仙人峠7:10->仙人池ヒュッテ7:40->仙人谷ダム13:30->権現峠14:05->阿曽原温泉小屋14:40
4日目 阿曽原温泉小屋6:30->大太鼓9:20->欅平12:50
山行記
1日目 長野駅->扇沢->室堂->剣山荘
雨の長野駅、いきなり出鼻をくじかれた。
天気のせいなのか扇沢までのバスはガラガラ、1.5時間ほどのドライブで一路扇沢へ。黒部ダム経由の室堂は初めて、こんなところにこんな巨大な人工物を作れるのかと改めて驚かされる。電気バス、ケーブルカーを乗り継いで室堂に到着。驚いたことに晴れ!眩しい青空と立山の山々が我々を迎えてくれた。
軽い昼食を喉に流し込み、待ちに待った4日間の山行を開始した。雷鳥沢、剣沢を超えて約4時間、剣山荘に到着。この小屋は2007年に建て替えたらしく綺麗で快適、嬉しいことにシャワーもある。山小屋というよりはドミトリーという感じか。ビール、日本酒、ワインとお酒の種類も豊富、翌日のことを考えて飲酒は程々で我慢したが…
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- 好天の中、室堂からいざ出発
- 高所に体が慣れず息が苦しい中、剣御前小屋を目指す
- 剣御前小屋で小休止
- ガスが晴れ、目の前に剱岳と剱山荘が見えてきた
- 美味しかった夕飯。 もちろんご飯はお代わり
2日目 剣山荘->剱岳->池ノ谷ガリ->小窓雪渓->池ノ谷小屋
今回の山行で一番楽しくて一番厳しいルート。我々は4:30出発の予定だが3:00に出発しているパーティもチラホラ、きっと頂上でのご来光を見るつもりなのだろう。ヘルメットにヘッデンを装着し山行開始、足元に気を付けながらそろりそろりと歩き出す。一服劔到着前にはすっかり夜が明けた。
今日も快晴、前劔、カニのたてばいを経て頂上へ。頂上は記念撮影待ちの行列、ここが目的地ではない我々は奥の稜線を歩き次なる目的地、池ノ谷ガリーへ。賑やかだった登山ルート、北方稜線に入るとパーティは我々だけになった。
池ノ谷ガリーは下りのガレ場、落石に怯えながらひたすら降りる。下りたらまた登り、小窓の王、そして小窓雪渓に到着。ここまでくると足に踏ん張りが効かなくなってくる。もっとトレーニングを積んでくるんだったと少し反省。
16:30、鉱山道を歩き池ノ谷小屋に到着。どうやら我々が最後の泊り客らしい。小屋のご厚意で夕飯前に風呂を使わせてもらう。ここは内風呂、五右衛門風呂があり私は五右衛門風呂を使わせてもらった。こんな山奥なのに風呂、生き返る!さすがに皆疲れたらしい。夕飯を食べたら早々に就寝。
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- 翌朝剱岳へ
- 富山平野に伸びる剱岳の影
- 剱岳山頂 混雑を避け端で記念写真
- 踏み跡が解り難いためルートファインディングしながら慎重に進む
- 長次郎の頭、左のガレ場を登り中央からて中段のバンドへ、そこから右に回り込む
- 長次郎への下降口
- 長次郎のコルへはトラロープを頼りに降りる
- 長次郎の左のガレ場
- 長次郎ノ頭から先ほど降りた岩場を振り返る
- 中央のロープがあるところからバンドへ上る
- ピラミッドをトラバース
- 小さな双耳峰を目指す
- 双耳峰の左耳の部分を登る
- 池ノ谷尾根の頭へ
- 池ノ谷尾根の頭
- 池ノ谷乗越へ降りる
- 池ノ谷乗越へ
- 池ノ谷ガリーは落石が起リ易い急峻なガレ場。細心の注意を払いながら下りる。 正面の岩は小窓王、左側の茶色い部分のルートを登る。
- ガリー降りた所、東側は三ノ窓雪渓
- 発射台を登る。行ってみたら傾斜はたいしてなかった。
- 発射台から池ノ谷ガリーを振り返る。ガリーの左がチンネ、その奥が八ツ峰ノ頭。
- 小窓王の巨大な岩壁
- ここは幅5m程の雪渓があるかもしれないと言われていたが全く雪が無かった
- 小窓雪渓
- 6本爪アイゼンを付けて降る
- 旧鉱山道、百年以上前にモリブデン鋼の鉱山が開発されたらしい
3日目 池ノ谷小屋->仙人池ヒュッテ->阿曽原温泉小屋
八峰、モンローの唇を見上げながら出発。笑顔で送り出してくれた小屋のスタッフ、しばらく登って振り返るとまだ見送ってくれている。嬉しい、また来たくなる小屋だ。
登り下りをしばらく繰り返して仙人峠を越える。途中、仲間に教えて頂いた自生のコケモモ、ブルーベリーを食べながらノンビリあるく。しばらくすると仙人池ヒュッテについた。仙人池には八峰が映り込んでいた。素晴らしい景色、紅葉の時期はカメラマンでいっぱいになるのもうなづける。今日も下りが多いルート、午後になると足が悲鳴を上げてきた。仙人ダム到着、日電歩道、水平歩道、ここまで来たら阿曽原はもう少しだ。
16:00、阿曽原温泉小屋到着。天気予報が雨だったせいか客は我々6人以外は2人のみ、気さくな主人がねぎらいの言葉をかけてくれた。男性メンバーは荷物を放り出して温泉へ。小屋から歩いて10分、脱衣所なんて無し、湯舟だけの野趣あるれる温泉。湯舟に入る、溜まった疲労が回復したの言うまでもない。
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- 池の平小屋
- 看板の上に見える「モンローの唇」
- 鉱山時代からある五右衛門風呂。小屋の主人沸かしてくれました。
- 出発前の記念写真。
- 素晴らしいロケーションの池の平小屋。見送りのスタッフの方々がいつまでも手を振ってくれました。
- 池の平小屋からは一般登山道。仙人峠と仙人ヒュッテ間は道の両脇にコケモモやブルーベリーが多い快適な登山道です。
- 仙人池と八峰北面の岩峰郡
- 建て替えのため取り壊し中の仙人温泉。彼方には唐松岳~白馬が見える。
- 仙人温泉の源泉は谷の対岸の登山道脇にある
- 仙人谷ダム、雲切新道も終わりが近い。
- 雲切新道終盤
- ダムの上で小休止。左のコンクリートの建物の中を通って登山道に行く
- ダム内の通路は高熱の岩盤と繋がっているらしく、所々熱波を感じる。
- 再び山の中へ入り阿曽原温泉小屋へ
- 阿曽原温泉小屋はプレハブで雪崩による倒壊を防ぐため冬は解体する
- 小屋の露天風呂は源泉かけ流し。登山の疲れをいやすのに最高である。
4日目 阿曽原温泉小屋->欅平駅
心配していた雨も幸い朝方にパラパラしただけ、再び水平歩道を歩きだす。殆どの箇所が幅1m程度、右側は崖、黒部川は足元のはるか下。怖い、でも素晴らしい景色。岩を削って道を作った名所の大太鼓、先人達の苦労が忍ばれる。水平歩道を下りて欅平に到着。山行の最終目的地。無事に下山したことを互いに喜びあう。
素晴らしいルートだった。山は不思議だ。あんなに苦労したルートなのにまた来たくなってしまう。駅の関係者に手を振られながら帰りのトロッコ列車で欅平を後にした。
「来年も来よう」そう思わせる素晴らしい山行だった。
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- 出発前の記念写真
- 水平歩道へ
- 滝を過ぎて振り返る
- 大太鼓付近
- 志合谷の雪渓。雪渓の下のトンネルを通る。
- 志合谷トンネル
- ゴールの欅平駅
- 帰りはトロッコ電車で宇奈月駅まで観光気分