北鎌尾根

P10の付近。まだ先は長い

山行情報

日時:2024/09/10 ~ 2024/09/12 天候:曇り/曇り時々晴れ/晴れ
ランク:D-D-9:00  参加:3名
山行担当:CL3950 SL3005
記録担当:文責:3005 写真:3950, 3722

コースタイム

1日目
上高地BT5:30…11:55槍沢大曲り…13:25水俣乗越…16:30北鎌沢出合(泊) 行動時間:11 時間
2日目
泊地4:35…7:10北鎌のコル…10:20独標…18:30槍ヶ岳…20:10殺生ヒュッテ(泊) 行動時間:15時間35分
3日目
泊地6:50…9:00ババ平…11:00横尾…15:15上高地BT 行動時間:8時間25分

コースマップ

記録日:2024/09/10~2024/09/12
合計距離: 47716 m
最高点の標高: 3202 m
最低点の標高: 1503 m

山行記

1日目

沢渡に前夜入りし、タクシーで上高地着。ここから槍沢大曲りまで旅慣れた道。ただしザックの担ぎ方のアンバランスで体力を消耗し、疲労困憊だった。水俣乗越への登りは暑さもあり難儀した。水俣乗越からの下りは、前評判通りのザレザレの急斜面の激下り。途中から右側の草付きの中に道があり救われる。その後、天上沢のルートは浮石地獄。何度も転び(怪我はなく、ありがたや)、足の震えも感じた。

出合手前に水場があるはずが、ない! 花の男子2人が貧乏沢方面に片道10分下り、水を調達してくれた。テントを張り終えたころに短時間の夕立。



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2日目

日の出前に歩行開始。心地よい涼しい朝で、順調にクライミングチックな岩稜帯を、CLの12年前の登攀記憶を元に右へ右へのルートを行く。1箇所、お助けスリングを出してもらった。順調に北鎌のコル到着。天狗の腰掛へも順調に。しかし前にも後にも誰にも会わず、ルーファイには人助けがまったくなかった。独標付近ではガスが出て、頂上を踏まずに先に進む。基本、稜線沿いの千丈沢側の巻き道で歩く

P13過ぎから大きな道迷いはなかったがもしやの危険地帯も歩いたようだ。岩が動き、シャワーのように落下したり、クライムダウンするも手も足の位置もままならずに、超慎重を意識した。白ザレ峰、北鎌平、頂上が見えた時はホッとした。しかし、ここからまだまだ先は長い北鎌平からは左上方のカニの挟みを目指し、少しトラバースしてチムニーに到着。我々はその横の岩を選択し登った。横の岩は2つのチムニーを越したようだ。我々は安全を重視し途中で懸垂1回、リード2回した。

頂上に着いたが、喜びを分かち合うより残りを無事に行くことが先決だった。大幅に遅れたので宿には電話したが東鎌尾根の夜道は思いのほか遠かった。愉快に話していたCLは、真面目に緊張たっぷりの人間に豹変した。しかし相方はあった!白い丸!ここが正しいルート!とまるで緊張なし(何や小屋じゃないの? 丸なんてどうでもいいやん?)。途中で我々のヘッデンの灯りに気づき、殺生ヒュッテの方々が外で待機して待っていてくれた。急遽小屋を変更し、夕飯のカップラーメンにありつけた(旨かった!)2つの小屋の皆様ありがとうございました。 



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3日目

快晴に近い青空。昨日がこんな暑さでなくて良かったと思いながら、長時間歩行の反省や安堵の思いで慣れた道を歩いた。総合力(体力、集中力、ルート情報、クライミング能力、荷物の軽量化)の必要な山行だと思った。しかしネットで見ると繰り返し行きたくなる尾根のようだ 

CL追記

4名定員だったが、直前に身体の故障で1名キャンセルが出て、3名で実施。個人的に、12年前ほぼ同時期に単独でトレースした経験をベースに、“北鎌は体力とルーファイ”との心構えをして臨んだが、実際の北鎌は想定通りとはいかず、なかなか大変だった。特に2日目は15時間を超える行動時間となり、最後はヘッドランプのお世話になる始末で反省すべき点も多い。ただし経験豊富なメンバーに恵まれ、体力、技術、メンタルの各面において各人の持ち味が出て安全・無事に終了できたことが良かった。やはり北鎌というのは、日本を代表する岩稜ビックルートだとの思いを新たにした。 



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