7-5 ナメ沢ルート
南尾根から南沢に向かって派生する支尾根はマニアによる踏み跡がほとんど全てに亘って付けられていますが、支沢については余りありません。主尾根から支沢へ下りる傾斜が例外なく厳しいことがその理由だと思われますが、その中で、唯一ルートとして拓かれているのがここで紹介するナメ沢です。誰が付けたのか分かりませんが、名前のごとく、ナメ床が美しい沢です。もっとも歩く人が少ないせいかルートはかなり荒れていて、特に夏場は、生い茂るシダや草、そして、横から張り出して来ている木の枝、倒木に煩わしい思いもします。
南尾根から下る場合は、大桜から南東方向に急坂を下りた最低鞍部の左手に笹薮の切れ目がありますのでここから入ります。南沢から遡行する場合は、南沢登山道の六杷峠への分岐から西方向(源流方向)に向かい、土砂崩れの起伏を二つ越えて路肩崩落部に置かれた倒木を通り過ぎると直ぐ先に、草叢の中、右に分け入る踏み跡があります。この踏み跡を辿って行くと直ぐに南沢に出ます。ここで対岸左手を見ると、ナメ沢の合流点が直ぐに分かります。
沢を下る場合はルートに迷う箇所はありませんが、南沢から遡上する場合は、沢分岐が二か所あるので要注意です。二か所とも一見左の沢が奇麗で障害物も無さそうでこちらに行きたくなりますが、ここは、どちらも右の沢が正解です。写真にもありますが、樹から垂れ下がっている蔦に巻かれた赤テープが目印になります。
美しい滑床、滑滝を除けば巻き道はかなり荒れており、必ずしも一般向けのルートではありませんが、難路好きのマニアにとっては魅力に富んだルートといえます。
(2021年8月22日更新;写真20a~dを追加。詳細図にも説明を追加。ここの沢分岐の先の巻き道が夏場はシダに覆われて見つけ難く、間違って左の沢に迷い込みやすいため。左の沢に入り込むと、最後のツメで往生します。)
写真をクリックするとスライドショ―になります(写真撮影:2021年6月、8月(20a,b,c,d,e))。
1. 南尾根の六杷峠分岐から東方向(源流方向)に向かい、登山道の路肩崩落個所に置かれた倒木を過ぎて少し行くと。。。
2. 道の右側草叢に踏み跡があります。ここから入り。。。
4. 対岸を見ると、すぐ左に支沢(ナメ沢)入り口が見えます。
.4a. カメラを少し左に振ります。左正面が南沢上流方向になります。ナメ沢入口は、右側の土砂が露出しているところになります。
5. 今下りてきたところを振り返った写真です。中央やや左に草叢の切れ目が見えます。
6. もう少し近くによるとこんな感じです。逆コースの場合はここから陸に上がります。滑沢出口から見て少し左側です。
7. ナメ沢入口は蔦のカーテンが通せんぼをしていますが、構わず通り抜けます。
10. 直ぐにまたきれいなナメが現れて、心を洗われます。
14. 左の方が立派な沢で、こちらに行きたくなりますが。。。
15. 右側の少し汚い沢が正解です。垂れ下がった蔦に巻いてある赤テープが目印です。
16. こちらの沢に入ると、崩れた土砂が目立ってきます。水流が乏しくなってくるので、流しきれないのでしょう。
17. いよいよ荒れてきました。倒木のかけらも残っています。
18. 沢が倒木で進めなくなると巻き道に入りますが。。。
20. 生い茂ったシダや草や。。。路肩が崩落しているところもあるので、気を抜けません。
20a. 左側から沢が合流しますが、こちらに行ってはいけません。
20b. 右側の沢が正解です。ただ、こちらは沢幅が狭くなり、倒木があって通りにくいので。。。
20c. 沢のすぐ左に付けられた巻き道に上がります。夏場は、シダが道を塞いでいて見つけ難いので注意して下さい。頭上の蔦の赤テープが目印です。
20d. 巻道取り付きは急傾斜で滑りやすいですが。。。
21. 巻道を少し行くと沢に合流します。ここから先は、ほとんど水が流れておらず、土の道になります。
22. 路面は湿っていて滑りやすい上に急傾斜なので、張ってあるロープが凄く頼りになります。
23. 大分尾根に近づいてきました。このロープは二つ目です。
24. 周りは笹薮に替わりました。この計器は多分イノシシ監視用でしょう。
26. 尾根道に出ました。大桜から南東方向に急斜面を下りきった鞍部です。
27 尾根道からは、ナメ沢への道はこのように見えています。かなり明瞭に伐り開かれています。