第11回六甲全山縦走

須磨浦公園から11時間、ついに六甲山最高峰(標高931m)へ!

山行情報

日時:2025/03/09 天候:晴れ
ランク:B-C-13:00 参加:31名
山行担当:CL3847 SL3465, 3561, 3840, 3452, 3757, 3562, 3785, 3867, 3868
記録担当:文責:3840, 3672, 3785, 3814, 4055, 3847 写真:3847, 3840, 3867, 3961, 4045, 4080, 3452

コースタイム

須磨浦公園05:52…06:12鉢伏山06:16…7:13横尾山7:18…7:28須磨アルプス馬の背…10:29菊水山10:52…11:39鍋蓋山11:47…12:10再度山…14:03摩耶山14:09…15:43神戸ゴルフ俱楽部…16:51六甲山16:59…18:21大平山…19:38大会ゴール 歩行時間:12時間24分/休憩時間:1時間22分(B班の記録)

コースマップ

記録日:2025/03/09

山行記

はじめに

きつい訓練山行を、みんな何回歩いてきただろうか。その歩きの中では途中リタイア、ペースについて行けず脱落した者も。足攣り者、故障者も多数。まさに限界への挑戦を繰り返してきた。それもこれも六甲全山縦走本番を歩くため。

六甲全山縦走とは、毎年3月の第一日曜日に開催される、兵庫県勤労者山岳連盟主催の六甲全縦大会への参加をさす。当会としての参加は11回目となる。この大会、獲得標高は3,000m、距離は43㎞におよぶ。須磨浦公園を起点として、六甲山系のピークを踏破し、宝塚までを1日で歩き切る、化け物山行だ。こんな山行に参加して何が面白いのか。きつい練習を何回もやってまで歩かなくても。そう思うかたは多いだろう。でも、そこは歩いた者にしか分からないご褒美が待っている。そう、感動というご褒美が。まさにこれこそが六甲全山縦走の醍醐味だ。(文責:3840)

私にとって六甲とは

兵庫労山の六甲全山縦走大会に、三年連続で参加した。当日は絶好の登山日和で、A班の8名は先頭を交代しながら終始好ペースを維持し、日没後、ヘッデンを点け始める直前に、全員無事に塩尾寺のゴールに辿りついた。完歩に要した12時間41分は昨年のA班と同タイム。ただ今年のA班は、六甲連山の秘峰、再度山にも登頂しての結果だ。

私がA班のハイペースについていけたのは、6回参加した訓練山行の際、ザック重量を10㎏とし、体力の限界ギリギリまで追い込んで歩いた成果だと思う。ザックを5kgにした大会本番は、訓練山行よりもはるかに楽に感じられた。また、毎年少しずつレベルアップすべく、昨年は「ストック使用→不使用」、今年は「アタックザック→35ℓザック」に変更することで、大会本番の負荷を僅かながらも増やしてきた。次回もハードルを少し上げ、エイドステーションでの配給はのぞき「道中無購入」での完歩をめざしたい。

普段、ほとんど運動しない私にとって、六甲全山縦走と訓練山行は、12月から2月までの四半期に体力強化に専念できる非常にありがたいイベントだ。年間スケジュールにメリハリをつけられるし、何よりも訓練山行を重ねるごとに歩行力がみるみる上がるのを実感できるのが嬉しい。年一回の大会をどのように歩けたかで、健康と体力のバロメーターにもなり得る。来年も支障なく参加できればと切に思う。(文責:3672)

さすがA班、爆速でゴール。まだ、空が青く見えます!

さすがA班、爆速でゴール。まだ、空が青く見えます!

訓練山行最多10回で臨んだ六甲

一昨年の夏に変形性膝関節症になり、暫くは階段を下りられず、山行もキャンセルした。痛みが和らいでも体力が落ちてしまいプチバリ、沢や雪山のような山行では遅れて迷惑をかけてしまった。昨年リーダーになった。しっかり歩けなければと思い、痛みを我慢してストレッチと筋トレを毎日続けたところ、膝は違和感が残る程度になった。そこでトレーニングとして訓練山行と六甲全山縦走に参加した。六甲全山縦走路はかつて走ったことがあり、訓練山行自体が目的であった。

最初の訓練山行では、いきなりA班になり「速い重い長い」で、とてもきつかったが、回を追うごとに12㎏に設定したザックにも身体が慣れてきた。最後の1回は参加できなかったが、会山行と個人山行で10回の訓練山行に参加して、体力も戻ってきた。六甲参加者のみの個人山行では初めてのCLも経験させていただき、全員完歩となりホッとしたと同時に、訓練山行でみんなが力を付けたのを感じた。

六甲本番ではB班のSLとなった。今回、A班にはかなり差をつけられて、Ⅽ班・D班には途中何度か追いつかれてしまった。しかしレースでなく、全員完歩が目標なので焦ることはない。CLはコースを忠実に誘導し、ショートカットしてもいいのではないかと思うような小ピークやトラップのような道路脇の山道に何度も入った。調子があがらず後ろの班に移動した人、遅れ気味や攣りそうという人もいたが、CLの励ましもあって持ちなおし、全員完歩となった。さすが、みな3回以上の訓練山行を完歩したメンバーである。六甲全山縦走は十分楽しめたので今回限りと思っているが、寒いのに熱い!訓練山行を目当てに、また参加したくなるかもしれない。(文責:3785)

六甲山最高峰(931m)。みんなの笑顔も「最高」です!

六甲山最高峰(931m)。みんなの笑顔も「最高」です!

なぜ私が六甲に

「この冬の私の一大イベントが終わった」と、今は安堵の気持ちで一杯だ。みろくに入会したからには「六甲全山縦走」に参加したいと以前から思っていたが、訓練山行の辛いエピソードばかりを耳にするたび、自分には無理と尻込みしていた。

約2年前、下山中に転倒し肋骨4本を骨折した時には、登山は現状維持でいい、無理して敢えて厳しい条件で登らなくてもと、自分の不甲斐さとやるせない気持ちで悶々とあれこれ考えたこともあった。しかし辛いのであれば少しでも体力があるうちに「憧れて、いつかそのうちではなく、今だ」と飛び込んでみた。

辛かった訓練山行を経て、ようやく迎えた本番。ついにこの日がきた、憧れの六甲全山縦走だ。多くの登山者で賑わうスタート地点で缶バッチを受け取り、ザックに装着していよいよスタートだ。「訓練の延長」、「平常心」と自分に言い聞かせる。高揚感から気分は上々。私はC班で参加したが、訓練から一緒の仲間と登れる安心感は大きい。C班では、前半は皆まだ元気で、ヤマスタゲットして、はしゃいだり、下山後の打ち上げの話や、あと残り12時間だとか賑やかに歩いていた。

後半はペースが遅いのではと焦り出し、鬼に追いつかれないように(「完走証」をもらうため)必死で歩いた。そして14時間半歩き続けた。これは訓練山行の9~11時間を大幅に上回るものであり、訓練山行がなければ、六甲全山縦走は成し遂げられないものであると実感した。ルート案内もエイドステーションでの温かい声援、飲み物、お菓子、スープの提供も非常にありがたかった。この大会が山岳連盟のボランティアの方々の協力で成り立っていると聞き、頭が下がる思いだ。

この大会を通じて関西の山岳会の皆さんや他の参加者と一体感を味わえるのもいい。辛いが達成感は半端ない。ぜひ一度は経験してほしい。素晴らしい経験であったと自信を持って言える。(文責:3814)

菊水山にて、いぇーい!。チームワーク最高、みんなの笑顔、楽しさ伝わってきます

菊水山にて、いぇーい!チームワーク最高。みんなの笑顔、楽しさ伝わってきます

レベルアップで新たな世界へ

低山に登り、Bランクで満足していた私にとって六甲全山縦走は無縁のものだった。「訓練山行に参加してみたら?」とお声がけいただいた時は不安でいっぱい。11月、参加資格の月例Cをなんとかパスし挑戦を決意した。

12月中旬、いよいよ訓練山行が始まった。覚悟はしていたが、想像以上にキツく苦しい。「がんばろうね」「一緒に行こう」。挫けそうな時、絶妙なタイミングで声がかかる。毎回、この班でみんなでゴールしたいとの一心で最後まで歩いた。体調を崩し思うように歩けなかった時、どんなに遅くなっても最後まで一緒にゴールをめざし、寒い中私の到着を待っていてくださった。たくさん褒めていただき、嬉しくてたまらなかった。「今より上に行きたいなら努力しないと」先輩からの言葉が心に刺さった。少しでも近づきたい。優しさに応えたい。長く辛い訓練だったが参加していることが楽しく、一歩踏み出したおかげでこんな素晴らしい経験ができた。

本番の朝、不安は驚くほどなかった。未経験の長距離、きっと歩ききれる。『訓練は裏切らない』そうCLから伝えられていたから。当日は夢のようだった。春暁、心地よい気温。穏やかな登山日和。名峰馬の背、噂通りの難所菊水山、摩耶山。たくさんのおもてなし。長く続く舗装道路の先にようやく六甲山最高峰。大阪湾の夜景。一緒に訓練してきたみなさんと、こうして六甲を歩いていることを本当に幸せに思いながらゴール。とてつもない達成感と充実感。そして感謝。と同時に終わってしまった喪失感。これが六甲ロスか。そうだ、もっと強くなって再びこの舞台に戻ろう。素敵な方々と一緒にまた夢の続きを見たい。(文責:4055)

難所の菊水山をみんなでクリアしましたぁ~! Yeah!!

難所の菊水山をみんなでクリアしましたぁ~!Yeah!!

CL追記

六甲全山縦走は、2ヶ月以上にわたる過酷な訓練山行を乗り越えた者だけが本番に臨めるチャレンジングな山行。今回、37名がチャレンジして31名がその切符を掴んだ。そして本番の六甲では、一人のリタイアもなく、全員が規定時間内にゴールを果たしたのだ。CLとして、これに勝る“ご褒美”はない。まずは、六甲参加者の訓練山行を数値で振り返りたい。

項目 内容
訓練山行実施回数 延べ11回(会山行:6回、個人山行:5回)
参加回数/人 平均:5.8回(最大10回、最小:3回)
歩行距離/人 平均:173㎞、最大:290㎞、最小:80㎞
参加者 延べ203名、18.4名/回(男性6.9名/女性11.5名)

参加者は平均6回訓練山行に参加し、六甲全山縦走のほぼ4回分の距離(173㎞)を歩いている。最大の方は、290㎞(ほぼ7回分)を完歩。凄い数値だ。また、この訓練山行を支えていただいたCL,SLは延べ93名にのぼる。入会浅めで女性の参加者が多かった(61%)点が今回の特徴。六甲全山縦走をめざす方が、みんな最初から健脚というわけではなかった。当初、不安げな参加者も多かった。が、回を重ねるごとに参加者の表情が変わっていった。互いに励まし合いながら厳しい訓練山行を乗り越えて、歩行力をつけていった。六甲参加条件クリアがほぼ見えてきたタイミングで実施した壮行会での自信に満ちた顔が忘れられない。諸々の理由で六甲を断念せざるをえなかった方は、来年度、リベンジしていただきたい。

本番の六甲では4班に分かれ、独自にゴールをめざす。40㎞以上歩き塩尾寺を過ぎ、暗い急な舗装路を下っていくと唐突に前方に明かりが見える。ほどなく、ライトに照らされたゴールの緑色の横断幕と完歩者を迎えてくれる多くの大会スタッフ!その瞬間、テンションはMAXに!これが六甲全山縦走のゴール。それは訓練山行から始まった六甲全山縦走の長~い山行が終わった瞬間でもある。

六甲全山縦走を完歩するには?答えは簡単!一歩を踏み出す少しの勇気!後は自分と仲間を信じて歩くのみ。あなたも六甲ハイカーになりませんか?



写真をクリックするとスライドショーになります。