第9回六甲全山縦走

須磨アルプス「馬の背」

山行情報

日時:2023/03/12 天候:曇り時々晴れ
ランク:B-C-13:00 参加:28名
山行担当:CL3465 SL2956, 3564, 3489, 3630, 3284, 3561, 3452
記録担当:文責:3740, 3736, 3661, 3502 写真:3630, 3740, 3452, 3284, 3686

コースタイム

須磨浦公園5:46…6:11鉢伏山…8:37高取山8:46…9:34鵯越駅…10:30菊水山10:42… 11:36鍋蓋山11:44…14:00摩耶山…14:10掬星台14:12…15:56六甲ガーデンテラス16:03…16:50六甲山16:55…16:57一軒茶屋17:00…18:22大平山…19:47塩尾寺大会ゴール
歩行時間:13時間 14分   休憩時間:0時間 47分  コースタイム:1班
(下のコースマップで、標高図の地点をマウスで動かすと地図上でその地点がわかります)

コースマップ

記録日:2023/03/12
合計距離: 40544 m
最高点の標高: 936 m
最低点の標高: 54 m

山行記

【総括】全員完歩!

3月12日朝5時30分、みろく9回目の六甲全山縦走に28名が出発地点の須磨浦公園に集結。10数時間後一人の漏れなく全員が制限時間内にゴール地点に到着した。コロナの影響で3年間中止のあと、今回は4年ぶりに開催された兵庫県労山主催の第54回六甲全山縦走大会に参加する形で実施、お祭り気分を再び味わう中、これまででほぼ最多の人数ながら全員無事完歩、感無量の一言である。参加者全員にブラボー! 

さてさて、六甲全山縦走とは、神戸の背後に延々と繋がる六甲山系の西から東の端まで総距離45㎞(須磨浦公園~宝塚駅)、累積標高差(登)3,100mを六甲の自然を堪能しながら10数時間かけて一気に歩き切る過酷な山行である。それだけに、自己の体力のみならず精神力の限界を試すに適した山行で、志ある山好きにとって一度は挑戦したくなる山行ではなかろうか。 

その魅力とは。まず何と言っても苦しい訓練山行を乗り切ったうえで本番を完歩した後の達成感と満足感、そして自分の精神的・身体的強さを改めて実感できることである。これは、不安を抱きつつも積極果敢に挑戦し、歩き切った者でなければ味わえないであろう。また、この山行は本番前の訓練山行11回を含め約2ヶ月間の長丁場である。この間、同じ目標をもって厳しさ・辛さを共にし、互いに励まし合う過程で築かれる仲間との絆、連帯感の強まり、これは一回限りの山行では得られない、本山行ならではのものである。 

さらに現地で他の山の会の方々との触れ合い、交流ができることである。今年は、労山主催の大会であったこともあり、親密な「明昭山の会」関係者のおもてなしのみならず、大会スタッフの道案内や声援に力を得られたほか、みろくの青の帽子に気づいた登山者と「みろくの方ですか」との声掛けをきっかけに話が弾むなど、いろいろな方との接点・出会いがあった。何物にも代えがたい喜びである。 

このように訓練山行から始まる六甲全山縦走は、他の山行にはない独特の魅力ある山行である。後日参加者の一人が発した「六甲ロス」という言葉を耳にしたが、これがこの一連の山行の全てを表していると思う。今後もみろくの目玉山行として継続され、多くの会員にこの魅力を味わっていただければ幸いである。

(文責:3465)  



【第1班】トレラン大会とは違った達成感!

初めての六甲全山縦走を終えての感想はマラソン大会、トレラン大会のゴールとは違った達成感!(充実感!)である。これは大会当日のゴールだけではなく、12月末からの全11回(うち8回参加)の辛い中でも楽しかった訓練山行とあわせてのものだと思う。

1回目の長沢~大船ルート、2回目の鶴巻~大山ルートとも、コロナ禍での運動不足もしくは加齢(?)のせいか、脚力不足、体力不足を痛感していたが、回を重ねるごとに同じルートでも息があがらなくなってきた。10 回目(2/26)にメンバーが決まり、1班は40歳代~70歳代の7名(う女性3名)、歳の差を感じさせない会話と「元体育会系女子」たちのパワーから元気をいただき、和気あいあいと歩くことができた。 

大会当日は、須磨浦公園を薄暗い5時43分に出発。途中明石海峡大橋、神戸港方面から昇る朝日を眺めながら、訓練山行とは違い背中のザックが軽いこともあり快調に歩き始める。また、登りの累積標高差3,100mを控えてペースも抑えめ。見どころの須磨アルプス「馬の背」を楽しみながら、今回の最難関といわれる菊水山までの急登をのぼる。菊水山山頂では差し入れを頂き、フレンドリーな「明昭山の会」の方との会話で疲れがとれたようである。続いて摩耶山、六甲山と歩き神戸方面の景色を堪能。その後、下り基調ではあるがアップダウンの繰り返し。ところが何と六甲最高峰で休憩後ゴールまで先頭を歩いていたCLのペースがあがった。早く宝塚で打ち上げのビールを飲みたいためである(笑)。やはり目標達成後のビールは格別に美味しい!  

今回参加しての収穫は、これからの夏山に向けて楽しみながらトレーニングができたこと。そして何より訓練山行を通して新しく山仲間が増えたことである。みろくの入会歴、山の経験の少ない私にとっては有意義な体験であった。

(文責:3740)



【 第2班 】私の六甲全山縦走 

昨年初めて六甲縦走に参加し、今回が2回目。大変なのは十分わかっており申し込むかとても悩んだ。昨年ご一緒した方の「今年も行くでしょ!」の声に後押しされ申し込みをした。今年も12月末から3月初めまで訓練山行が行われた。時々さぼりたくなる気持ちを我慢しながら自分なりに頑張った。 

当日は曇り時々晴れとまずまずの天気予報。須磨浦公園で参加の目印の缶バッジをもらい、5 時45分薄暗い中出発した。抜きつ抜かれつの方々の中に、今回が9回目のベテランの方がいらっしゃった。スピードが安定しておりあまり休まれない。道も熟知しておられる様子で何度か教えてもらった。さすが9 回目である。また一人で参加されている方もおり、精神的に強くなければ最後まで行けないな、自分には無理かもと思った。途中で「明昭山の会」や「神戸中央山の会」の方々が飲み物や果物などを準備し待っていてくれた。とてもおいしく疲れたところに活力をもらった。   

旗振山、馬の背、菊水山、摩耶山など何座も山を登り降りし、16 時30分を過ぎたころ、やっと六甲山に到着。この後は下りが続くがこれが長い。みんなで「長いな~」「まだかな~」と愚痴りながらも頑張って歩く。18時頃日没となり美しい六甲の夜景が見られた。ついに19時40分ゴール! 全員で無事に到着できたことがとてもうれしかった。これまでの訓練山行でお世話になった方々、一緒に励ましあいながら歩いたみんなに感謝の気持ちである。おまけで次の日には芦屋川駅から有馬温泉まで歩き、その次の日はロープウェイとケーブルを使い六甲山周辺を観光するなど、いろいろな六甲を楽しむことができた。   

六甲全山縦走はほんとに長い。でもみろくに入るまで1日に5時間ほどしか歩いたことのなかった私でも練習すれば歩けるのだという自信をくれた。また同じメンバーと辛い訓練山行を重ね、仲良くなった仲間と共に本番に臨む。そこに魅力があると感じている。

(文責:3736)



【第3班】仲間と完歩した六甲全山縦走

昨年の六甲山行記の中で「山に興味がある者にとって、また健脚者にとって一度は挑戦したくなる山行ではなかろうか」という一文に影響を受け、参加を申し込んだ。 

最初の訓練山行では、スピードや長距離を歩く事に慣れずに股関節がガクガクし、足の裏がヒリヒリと痛み、息も絶え絶え。途中でリタイアすることになり、情けないスタートだった。毎回訓練山行では倒れこむ勢いで自分の限界を超えて歩き「これで本番は歩けるのか?」と不安になったが、リーダーの「練習は嘘をつかない」という言葉通り、回を重ねるごとに「あれ?今日は前回より辛くない」と実感していった。また山行のたびに、脚つりにはこれがいいとサプリや漢方、塗るタイプの薬、水ではなく経口補水液が良いなど。また膝痛にならず、バテずに歩ける体幹を使った歩き方、山行前後のストレッチの仕方など、リーダーや仲間から有益なアドバイスを頂き、取り入れていった。新しい靴を履いていくと「あれ?靴新しい?」 と気付いてくれる方がいて、段々と仲間の交流が深まり、壮行会では「3班みんなでゴールしたいね」と一致団結した。  

本番当日は4時半に集合し、5時半に須磨浦公園スタート。暗い中を歩き始め、鉢伏山から旗振山へ行く頃にオレンジ色の太陽が登り始めた。7時過ぎ、栂尾山では長い階段があったが、写真を撮るリーダーは駈け足で登っていた。横尾山から東山へ行く途中に、一番楽しみにしていた須磨アルプスの名勝「馬の背」が出てきた。風化したむき出しの花崗岩は迫力があり、両側が急斜面の岩稜帯で「映える」写真が撮れた。高取山を経て菊水山へ。経験者のリーダーから 「菊水山」の登りが一番きついと聞いていたので覚悟はしていたが、先頭リーダーの「優しい登りペース」で途中ひと休みも入れて、なんとか登りきれた

10時半、広々とした山頂で記念写真、地元の「明昭」さん差し入れの飲み物や果物で疲れが和らいだ。天王吊橋を渡り鍋蓋山へ。河原でピクニックをしている人を横目に私たちは歩き続けた。12時、大龍寺では「神戸中央山の会」さんからコーラを頂いた。再度山から2時間ほど歩き、摩耶山にある掬星台へ着いたのは14時。「手で星がすくえるほどの絶景」の由来がある三大夜景が見られる展望台を経て、次は一番標高の高い六甲山を目指す。車道や縦走路を交差しながらひたすら東へと進み、ついに山頂へ着いたのは17時少し前だった。まだ明るく遠くまで景色がよく見えて、思わず「やったー」と叫びたくなるほどうれしく、写真を撮りあった。

ここまで来たら後は下りだけだと安心したが、そこからが「長く」て「辛い」クライマックスだった。途中「労山」さんの飴やチョコの差し入れを頂き、最後のトイレ休憩を済ませ、残りあと約 11km。水無山から船越峠に行く頃には段々と暗くなりヘッドランプを装着。あとは暗闇の樹林帯の中を黙々と歩き続け、そしてついに19時半に塩尾寺でゴール。皆でハイタッチをし、温かいスープを頂き感無量だった。   

約42km、14時間、累積標高約3,000m。辛かった訓練山行や踏破した六甲の山を振り返り、怪我やリタイアなく全員でゴールできた達成感を仲間で喜び合い、打ち上げで乾杯したビールが何よりも美味しかった。実際に歩いてみて、訓練の「三浦縦貫の長さ」と「大山の長い急登」が実に理にかなっていて、本番ではその成果が生かされた。

(文責:3661) 



【第4班】4 年ぶりの六甲全山縦走大会に参加して

六甲全山縦走に一度は参加してみたいと思っていた。昨年初めて参加したが、コロナのため大会は見送られ、会山行として行なわれた。そして今年、小規模ながら大会として開催されることが決まり、その雰囲気を味わってみたいと2回目の参加となった。   

本番に向けての訓練山行は11回に及ぶ。参加前の私の山行は長くても6時間半。六甲の山々をマラソン以上の距離を登ったり下ったり、14~15時間かけて歩くなど考えられないことだった。訓練山行の大山縦走は長く続く登りがキツイ。日没が早く、ヘッドランプを点けてやっとの思いで大倉に着いた。距離の長い三浦縦貫はなかなか目的地に着けない。とても一人では歩けない。だけど前に行く人を追いかけ、もう少しと励まされながらゴールの大船に辿り着いた時は本当にうれしかった。

訓練山行は12月25 日に始まって二ヶ月以上にわたる。顔馴染みになっていくメンバーと集合場所で顔を合わせて訓練を重ねていく。六甲を目指して励ましあいながら長く歩く力がついていくのが実感できて本番が楽しみにもなっていった。   

本番は3月12日。4年振りの六甲全山縦走大会。天気は晴れ。5 時半、スタートの須磨浦公園には多くの参加者が集まっていた。記念の缶バッジをもらいザックの真ん中に誇らしく付ける。これが目印となり、サポートを受けられるのだ。

出発!  瀬戸内海から上る朝陽がキレイだった。須磨アルプスの馬の背はちょっとスリルがあった。一番登りがキツイ菊水山山頂で「明昭」さんからのスポーツドリンクと果物、おにぎりのおもてなしを受け、大龍寺前でも飲み物をいただいて元気をつけた。去年は行けなかった六甲最高峰にも行くことができた。ヘッドランプを点けながら宝塚の夜景を眼下に、20時35分、4班全員で無事にゴールした。 

大きな達成感にも増して訓練山行からずっと一緒に歩いてきた仲間たちと完走できた喜びはとても大きなものだった。そして本番までずっと力をくれたリーダーの方々に深く感謝したい。

(文責:3502) 

 



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