両神山/八丁尾根と赤岩尾根(プチバリ)

赤岩尾根P1に到着

山行情報

日時:2024/07/10 ~ 2024/07/11 天候:曇り/曇りのち雨
ランク:D-C-8:00 参加:6名
山行担当:CL3060 SL3847, 3740
記録担当:文責:3847 写真:3740, 3847

コースタイム

1日目(八丁尾根)
上落合橋登山口10:08…10:41八丁峠10:53…11:27行蔵峠11:28…11:35西岳11:55…12:07龍頭神社奥宮12:12…12:35東岳12:41…12:52前東岳…13:15両神山(剣ヶ峰)13:23…13:58東岳…14:47西岳14:52…15:27八丁峠15:34…16:01上落合橋登山口16:15≡16:30中津川村キャンプ場(泊) 歩行時間:6時間00分

2日目(赤岩尾根)
中津川村キャンプ場6:30≡6:45赤岩峠登山口7:00…8:00赤岩峠8:16…8:45赤岩岳8:53…11:27P4峰…11:35P3峰…12:46P2峰12:55…13:18P1峰…13:57八丁峠…14:33上落合橋登山口…15:06赤岩峠登山口  歩行時間:8時間06分

※…徒歩、≡マイカー

コースマップ

記録日:2024/07/10
合計距離: 6484 m
最高点の標高: 1718 m
最低点の標高: 1158 m


記録日:2024/07/11
合計距離: 8318 m
最高点の標高: 1589 m
最低点の標高: 954 m

山行記

1日目(八丁尾根)

天候の関係で中止となったプチバリ会山行の代替案として、1泊2日の両神山(個人山行)の提案がCLからあり参加を即決。中津川村キャンプ場を拠点にして、両神山の八丁尾根と赤岩尾根を踏破する山行。表山道である日向大谷コースに比べ、難易度が高い上級者・健脚者向けコースということで、私の中のワクワク感が高まる。当日、参加者6名が新杉田駅に集合後、車2台に分乗して両神山上落合橋登山口に9時45分に到着。駐車場には8台程度の車があり、何とか2台駐車できた。

初日は上落合橋登山口から八丁尾根を経て両神山(剣ヶ峰)をピストン。今にも降り出しそうな天候の中、ヘルメットを装着して10時08分、スタート。登山口の階段を登り八丁沢に沿って進み、針葉樹林帯の急な尾根伝いに登って行くと広葉樹林帯に変わり、最初のポイント八丁峠に10時41分に到着。天候も徐々に回復し、眺望が臨める状態となる。

八丁峠から10分ほど進むと、最初の鎖場が現れる。ここから20ヶ所以上の鎖場が連なる鎖場地獄が始まる。しっかりしたステップがあるため、三点支持を心掛けると鎖に頼らず登れるところも多い。幾つものアップダウンを越えて11時27分、眺望の良い行蔵峠に到着。ここから西岳までは3つの岩峰を越えていく。西岳からは、“どこを登っていくのだろう?”と思えるような鋭い岩峰が前方に見える。

スラブ状の急傾斜の鎖場を下り、そして登り返す。ほぼ垂直の20mを超える鎖場を登りきると12時07分、龍頭神社奥宮に。そこから、切れ落ちた痩せ尾根を進み下った後、急斜面を登り返すと12時35分、ようやく東岳山頂に。山頂にはベンチがあり、360度の眺望を楽しみながら休憩する。東岳から比較的なだらかな稜線を進み、13時15分、両神山(剣ヶ峰)に到着。山頂からはギザギザの八丁尾根全景が見える。帰りはピストンで上落合橋登山口へ下山する。これでもかという数の鎖場の登り下りを経験した八丁尾根コースは、私にとっては“鎖場天国”だった。

下山後は中津川村キャンプ場へ。駐車場に着くと、キャンプ場に続く吊り橋をボーダー犬が歩いてきて我々を出迎えてくれた。本日は我々の貸切。9000円/棟のコテージ(6畳)は清潔。ないと諦めていた缶ビールの販売に加え温泉もあり。石鹸・シャンプーも備えられた茶褐色の温泉に入った後のビールは最高に美味しかった。翌日の天候は微妙であったが、“荒天でないかぎり中止はしない”というCLの言葉で全員の意志が固まり、「明日は決行」と決め就寝する。



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2日目(赤岩尾根)

天気は微妙だが、荒天ではない。各自、朝食をとり6時30分、キャンプ場を出発。日窒宿舎跡近くの路肩に駐車。プチバリ装備を整え小雨がちらつく中、7時に登山口をスタート。急登が続く樹林帯を歩き7時28分、尾根に出る。尾根伝いに登り8時に赤岩峠に到着。さらに登っていくと、正面に赤岩岳が現れる。岩峰に向かう踏み跡に沿って進むも直登は無理と判断し、左下に見えた踏み跡(こちらが正解)へ下る。そこから回り込み、岩峰裏のコル部へ登り返す。

右側が切れ落ちている細尾根を過ぎ、踏み跡不明瞭な急斜面を登り切ると眺望の良い岩場に。岩場からは大ナゲシの鋭鋒が。岩場から歩きやすい道を進んでいくと、8時45分、赤岩岳に到着。上空には雲が広がっているが眺望は良好で、遠くの山並みと雲海が見える。

細尾根を進んでいくと、P1583の前衛峰が現れる。直登はせず左側のロープに沿ってトラバースすると、垂直のルンゼ状の岩壁が現れ、少しハングした岩をなんとかよじ登る。ここで最初のロープ出しをすることに。実践でのロープ出しは初めてで、やや手間取ったが良い経験となる。続くP1583は取り付き箇所の確認に手間取る。右側(南面基部)に少し巻いて下りたところから、南面の岩壁を落石させぬよう登る。中段付近は手がかりが少なく、緊張を強いられる。用心のためロープを出す。

次のP4、P3もアップダウンを繰り返しながら越えていく。P2手前のチムニー状の岩壁(ザックが引っ掛かる)を登り12時46分、P2山頂に到着。ここで前方のP1、その先の八丁尾根を見ながら休憩をとる。P1中腹の岩面にピンクテープらしき物が見え、“あそこ登れる?”と思いながら進むと、そこは通過せず意外にあっさりP1に。P1を過ぎるあたりから小雨になる。

雨に濡れた岩や木の根が滑り易く、P1直下の少しせり出した岩を慎重に越える。そこからは明瞭な道が続き、13時57分、見覚えのある八丁峠に到着し、ほっとする。八丁峠からはハイペースで下山。上落合橋登山口に着くと雨は本降りになり、林道に沿った木々の下を、雨を避けるように更に早足で歩き、15時06分、出発地点の駐車場に到着。

今日の赤岩尾根ルートではCL指示で先頭を歩かせていただき、前日の鎖場地獄を上回るワクワク感があった。バリエーションルートをルートファインディングしながら登ることの難しさと同時に、楽しさも感じた。実践でのロープ出しの経験もさせていただき、今後に向けての貴重な経験となった。

一部雨予報もある中での山行であったが、2日間の尾根歩きの最中は奇跡的に雨の影響を受けず眺望も臨めた。かつ蒸し暑さもなく、梅雨時としてはこれ以上望めないコンディションでのプチバリ山行となった。

【CL追記】

北アルプスの梅雨明けはまだ。予備日を設けたが、皆さんご多忙。ヤマレコでみると赤岩橋までの林道が通れるようなので、両神山に下見を兼ねて行くことにした。今回は全員SLで入っていただいたので、次回会山行に繋げていただけると確信している。ただ、林道の工事が7月下旬から再開されるようだ。



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