表妙義と星穴岳(プチバリ)
山行情報
日時:2024/11/16 ~ 2024/11/17 天候:曇り一時霧雨/晴れランク:D-D-10:00 参加:9名
山行担当:CL3224 SL3420
記録担当:文責:3821 写真:3224, 3420, 3586, 3606, 3821, 3847, 3959
コースタイム
1日目
道の駅みょうぎ5:32…大の字6:45…見晴7:38…大のぞき8:06…タルワキ沢のコル09:04…相馬岳(妙義山)9:55…鷹戻し12:30…鷹戻し懸垂終了地点13:35…中間道分岐14:20…15:08中之嶽神社駐車場(泊) 行動時間:7時間19分
2日目
泊地5:47…中ノ岳6:39…西岳8:00…西岳懸垂終了地点8:45…星穴岳9:45…星穴岳懸垂終了地点10:10…射的岩懸垂終了地点10:45…スラブ懸垂終了地点11:30…12:39中之嶽神社駐車場 行動時間:5時間40分
山行記
1日目
前日夜に9人で3台の車に分乗して現地入りし、テント泊。
朝4時には霧雨が降っていて心配したが、妙義神社の階段を上がり、大ノ字に着くころには朝日が差し込み、照り輝く紅葉に何度も”きれい〜”、と口をつく。奥の院から先は、”一般登山者は立ち入らないで下さい”との看板とロープが張ってあるが、それを乗り越え進む。
3連30mの直立した鎖と7m外傾斜の鎖が続く。右側が切れ落ちたその名もビビリ岩。次は、背びれ岩を這って登る。大のぞきからは、足元から切れ落ちている岩壁をのぞきこむ。30mのスベリ台状の鎖を下るときには腰が痛くなった。キレットを下り、大天狗を巻いて、顔面岩が見える西肩あたりで一休み。鎖のオンパレードで気を抜けないが、ちょっとした会話や笑いで心がほぐれる。
タルワキ沢のコルは、中間道から直接登れる分岐で、何人かに行き交う。相馬岳はここからすぐ。展望のよい最高峰の相馬岳で一息つき、茨尾根に入る。数えきれない岩場のアップダウンを繰り返し、70分ほどで堀切に着いた。ガスって寒くなってきたので雨具をつける。
ここから鷹戻しまでが核心部ということで装備を確認し、気を引き締める。堀切からすぐに鎖のトラバースを2回ほどやり過ごし、女坂分岐を過ぎたあたりから岩峰に取り付いている人が見えた。なかなか動かない。ビレイ解除の声が聞こえる。あれが核心か、と思いながら切り立った山腹に近づくと、すぐに垂直の2段のハシゴが始まった。その後は、ナイフリッジの鎖が数連にわたって続く。落ちれば終わりだ。緊張して、途中深呼吸して登った。
そこが鷹戻しの一番の危険箇所だったようだ。拍子抜けしたとの声も聞かれたが、私はほっと一安心。ところが、その先にも難所が待ち構えていた。ルンゼ内2段25mの鎖の下り。ここではロープを出してもらう。岩の裂け目の懸垂下降は、身体が振られるので冷や汗ものだった。
ガスって霧雨だったので、中之岳には行かず東岳手前の分岐から中間道に下ることにした。エスケープルートのはずが、のっけから岩場のトラバースと直立岩を5m下る。その後も落ち葉の激下りが続いた。
中間道は関東ふれあいの道で、石門が第一から第四まであり、我々は第四から下りてきた。第四はなかなかの規模で、間から大砲岩が望める。大砲岩や胎内くぐりは事故も起きているし、岩が濡れて滑るので、注意して大砲岩まで往復してきた。最後は、観光気分で楽しんで、石門入口に3時に下山した。
写真をクリックするとスライドショーになります。
2日目
中之嶽神社から石段を登り、石門分岐から主稜のコルに向かう。ここにも立ち入り禁止の看板がある。昨日から何回見ただろう。西岳の先、先行者を待って1回目、40mほどの長いスラブを懸垂下降する。濡れて滑りやすかった。星穴岳山頂直下ではロープを出してもらい、アッセンダーで登る。山頂は、青空のもと360度の大パノラマ。浅間山や昨日歩いた山塊もよく見える。感慨もひとしおで、喜び合った。
2回目の懸垂下降で、星穴下降支点まで戻る。そこから本日のメイン、3回目25mの空中懸垂下降が始まる。CLからは、途中で止まってしまうと助けることができないから、自信のない人は練習してくるように、と事前にメールがあった。練習もままならずドキドキだったが、下り始め3mほどは岩場に足が届いたのもラッキーだった。
星穴の下降地は岩場ではなく、ちょっとした広場になっていて見渡せるので恐怖心は薄らいだ。空中懸垂下降中は、下で見守ってくれているCLやSLの姿が見えたので、落ち着いて気持ちよくできた。ただ着地点は緩斜面になっていて、岩に足を着いたら駆け上がらないといけないのが難しかったけど、SLのロープさばきに助けられた。間を置かず、次は4回目45mの長い垂直の懸垂下降。遮るものがなく見通しはよいが、落石しやすいので気をつけて下りた。
中之岳神社までは、紅葉の道を1時間あまりで下ってきた。神社周辺は観光客であふれる中、重装備の我々はあたかも9人の勇者生還の図で、無事やり通した晴れやかな気持ちと感謝の気持ちでいっぱいだった。
【CL追記】
実施直前にSLが急遽不参加となり焦ったが、心強い方が代わりにSLについてくださり実施を決めた。表妙義は鎖場の連続だったが、皆危なげなく歩いていた。途中から濃霧となり足が滑り出したが、それでも怯むこと無く鷹戻しの頭に到着し、ほっとした。翌日は星穴岳までのルーファイが不安だったが、迷うことなくたどり着けた。心配していた空中懸垂も無事終了し、峠は越したかと思っていたところで、上の他パーティが起こした落石がメンバーに当たってしまった。幸い大事には至らなかったが、最後まで気の抜けない山行となった。
写真をクリックするとスライドショーになります。