6. 三浦アルプスの自然

横浜の南に、豊かな自然が残っている事は余り知られていません。逗子市の池子の森、大楠山周辺の森、三浦富士(武山)周辺、小網代の森に加えて、三浦アルプス一帯の森は、三浦半島に残された貴重な貴重な自然に恵まれた森です。昔は薪や肥料を得るために地元の農家の人達が入山したようですが、最近は薪取りなどもなくなり、数十年も放置されているため原生林のような状態になっているようなところもあります。

春先には、サンコウチョウやオオルリ・ホトトギスなど渡り鳥の姿を見る事ができます。タヌキやタイワンリス、ノウサギなどの哺乳類も多く棲息しています(タイワンリスは害獣として駆除の対象になっています。有り難くないことですが、近年ではイノシシの棲息も確認されており、時折里に出てくることもあるようです。また、この地域一帯はマムシの生息地になっていること、夏季には蜂が大量発生することがあることも注意点です)。

森戸川では、アブラハヤやオイカワ、ハゼなどの魚類、夏にはホタルも見ることができます。

ネコヤナギ

ネコヤナギ

ヤマルリソウ

ヤマルリソウ

ホタルカズラ

ホタルカズラ

ホタルカズラ

ホタルカズラ

   

タツナミソウ

タツナミソウ

シュンラン

シュンラン

ウグイスカグラ

ウグイスカグラ

ウラシマソウ

ウラシマソウ

   

1月 ヤマツバキ
2月 カンアオイ・タチツボスミレ・ウグイスカグラ
シュンラン
3月 ヤマブキ・卯の花・椿・タツナミソウ
4月 エビネ・ホタルカズラ
初夏 コケリンドウ・タニギキョウ・オオバジャノヒゲ
タツナミソウ・サイハイラン
真夏 ヤマユリ・ウバユリ・ギボウシ
オオバショウマ・ヤブラン・ツワブキ

野鳥

サンコウチョウ

サンコウチョウ

オオルリ

オオルリ

特記すべきは珍鳥といってよい三光鳥とオオルリが森戸川沿いに営巣する事で、姿・啼き声共かわいらしいです。残念なのは、数年前には数ヶ所に巣を造っていたのが、今では1~2ヶ所しかみられないことです。5月から7月の間、森戸川林道は望遠レンズと三脚を構えたカメラマンたちの撮影拠点となります。騒音は嫌われますので、カメラマンの集まっているところでは、お喋りを止めて静かに通り過ぎるようにしましょう。
三光鳥は本州には夏鳥として東南アジアから渡来し、北アルプス山麓や富士山麓では1,000m以下のスギ、ヒノキなどの人口造林や落葉広葉樹の密林、雑木林、たけ高い潅木叢林などに生息し特に薄暗い林に多いです。雄の尾は30cmにも達し、頭頸部は紫黒色、囲眼部は青色、腹は白い。雌も雄に似ているが、多少色が淡く、尾が比較的短いです。囀りがツキ・ヒ・ホシ(月日星)ホイホイホイと聞こえるので、三光鳥と江戸時代前期から呼ばれています。

オオルリも夏鳥として東南アジアから飛来します。体長は約15cm、沢や渓流周辺の林が生息地で、森戸川流域は当にうってつけの場所です。オスは頭部から背中にかけて光沢のある美しい瑠璃色をしており、喉、顔は黒で腹は白色、木のてっぺんなど高い場所で美しい声で囀ります。鶯、コマドリとともに日本三鳴鳥に数えられ、また、コルリ、キビタキとともに青い鳥御三家とも言われています。

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