7-1 谷沢尾根~三峰沢ルート

南尾根観音塚から乳頭山側に下りたところから枝道に入って谷沢尾根を通り、尾根途中から斜めに下って三峰沢に合流、沢沿いに下って森戸川林道に出るルートです。以前はハイキングルートとして親しまれ、地元の「葉山・山楽会」の山歩きガイドにも、「木洩れ陽とせせらぎの小径」として紹介されたルートですが、10年近く前の台風で大規模な倒木が発生し、一時は全く通ることが出来なくなっていました。数年前よりボランティアの復旧の手が入り、徐々に山道も復活し、歩く人の数も増えつつあります。

森戸川林道から南尾根に抜けるルートは破線ルートを除けば、このルートと下沢尾根ルート、そして連絡尾根ルートの三つあります。下沢尾根と連絡尾根ルートが急登とアップダウンのある体力コースなのに比べ、谷沢尾根ルートは比較的なだらかな登りの体力的に楽なルートです。そのため、山行の終わりに林道から葉山小学校方面に抜けたい場合など、このルートを知っていると重宝します。難点は道が多少荒れており、道幅狭く路肩の崩れた危険個所もあり、ちょっとした油断が事故に繋がりかねないルートであることですが、逆に言うと、ワイルドな雰囲気の冒険気分を味わえるルートであるということもできます。

道は一本道で道迷いの要素はありませんが、渡渉して右岸から左岸、あるいはその逆に渡る場合など、季節によっては対岸の取り付きが草に覆われて見つけにくいことがあるかもしれません。初心者は必ず経験者に同行して貰って下さい。また、悪天候の後などで倒木が進路を阻んでいる場合があるかもしれません。こんな時は、無理をせずもと来た道を戻る決断をするのも大事なことです。

所要時間は、みろくのC-Bクラスで、林道から上る場合およそ30分、逆ルート(南尾根から下る場合)では25分ですが、雨後は道が滑るので、5割程度は余計に見ておくのが無難です。

【注意!!!】2021年7月上旬の大雨で、沢の状況は様変わりしてしまい、現時点ではかなりの場所に倒木が散乱しています。過去に何度かここを通ったことのある人であれば、当たりを付けて倒木を乗り越えて進むことが可能ですが、初めての人がルートを見つけるのはちょっと難しいかもしれません。また、写真9,10に示した丸木橋については、その支持部が雨水によって大きく抉られ、いつ崩れ落ちてもおかしくない状況にあります(写真追加しました)。そのようなことからは当面このルートに立ち入ることは控えた方が良いと思われます(2021年7月19日追記)。

その後の2021年10月8日の状況写真を追加します。丸木橋の丸太2本が崩れ落ち、1本だけになってしまいました。ここを通過するには、残った丸木橋の上流側沢床に下りてから対岸に渡ることになります。渡ったあとの対岸も路肩崩落が進んでいますので、通過には細心の注意が必要です(2021年10月13日追記)。

撮影ポイント9,10の丸木橋。大雨の影響で支持部が大きく抉れており、いつ崩れてもおかしくない。

撮影ポイント9,10の丸木橋。大雨の影響で支持部が大きく抉れており、いつ崩れてもおかしくない(2021年7月18日撮影)。

撮影ポイント9,10の丸木橋。その後3本のうち2本の丸太が崩落して1本だけになってしまった(2021年10月8日撮影)。

撮影ポイント9,10の丸木橋。その後3本のうち2本の丸太が崩落して1本だけになってしまった(2021年10月8日撮影)。

同前(2021年10月8日撮影)。

同前(2021年10月8日撮影)。

撮影ポイント14,15の中間点。支沢から大量の倒木が流れ落ち、通路を塞いでいる(2021年7月18日撮影)。

撮影ポイント14,15の中間点。支沢から大量の倒木が流れ落ち、通路を塞いでいる(2021年7月18日撮影)。

本図の背景地図は国土基盤情報(国土地理院)を使用して作成した。

本図の背景地図は国土基盤情報(国土地理院)を使用して作成した。

谷沢尾根ルート写真撮影位置(撮影2021.5)

谷沢尾根~三峰沢ルート写真撮影位置(撮影2021.5)

以下は南尾根から森戸川林道に下る場合の案内写真です。写真をクリックするとスライドショーになります。

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