明星山P6南面フリースピリッツ

明星山と高浪キャンプ場

山行情報

日時:2022/10/01 ~ 2022/10/03 天候:晴れ
ランク:D-D-12 参加:2
山行担当:CL3256 SL2757
記録担当:文責:3256 写真:3256,2757

コースタイム

10/1(土)7:00小机駅=14:30ヒスイ狭駐車場=15:40たかなみキャンプ場〈泊)
10/2(日)5:20泊地=5:35ヒスイ狭駐車場…6:25取付き…6:301ピッチ目開始…14:40最終ピッチ終了点着…15:00下山開始…17:40ヒスイ狭駐車場=たかなみキャンプ場〈泊)
10/3(月)8:30泊地=小机15:40

山行記

1日目

新潟県にある明星山。標高1200mほどの石灰岩でできている山だ。クライミングルートが何本かあるが、一番人気の「フリースピリッツ」をやることになった。5月の中旬過ぎにアタックしに行ったが、雪解け水の量が多く、渡渉できず写真を撮っただけで撤退となった。5月にアタックしているとの情報を見つけ、やれる!と意気込んで行ったが、こんな水量の中どうやって渡渉したのかわからなかった。

翌日のために、取付きまで偵察に行った。この日は水量が少なく岩から岩に簡単に飛び移れ、取付きまで行くことが出来、いよいよか~と、気分が重くなった・・・飛び移る岩にはフィックスが張られているが、落ちたら悲惨だ・・・。

男性二人組のパーティーも、翌日フリースピリッツをやるために偵察に来ていた。私達と同様、初めてとの事。翌日は終始、近い位置で登攀することになる。



写真をクリックするとスライドショーになります。

2日目

アタック日の数日前から雨が降っていない事、1日を通して晴天、日の入りの時間は17:40ぐらいだと確認済。先行パーティーを追いかける形で、6:25頃に取付きに到着。1ピッチ目Aがリード。ランナーが灌木で取る。2ピッチ目Kリード。出だし3m程の垂壁を上り、バンドに上がり、左側に行くと終了点。3ピッチ目Aリード。前のパーティーがミスをし、手をかけたホールドが崩れクライマーが落ちる。「ラーク!」のコールに岩にへばり付く。太陽が当たりだし、明るい壁をトポ図に従い上って行く。先行のルートミスにより私たちが先行を行くことになるが、このパーティーとは下山まで終始行動を共にすることになる。

最高グレードが5.9と初見でも難しくはないが、このルートの核心はルートファインディング!岩の弱点をぬって開拓したというこのルート、右へ左へ、登って降りて、トラーバースあり。トポ図なしではトップアウトはできないだろう。私も一か所、ハーケンに導かれたが間違いに気が付き、4m程のクライムダウンでルート修正。このルート、古いハーケンは打ってあるのだが少ないので、カムが有効である。しかし、岩が脆い!私も1段上がろうとしたところ、左手の岩が崩れた。

ルートの中にパノラマトラバースというピッチがある。ホールドもスタンスもあるので難しくはないが、下を見ると怖さが倍増するのでなるべく下は見ないほうが良いだろう。最終ピッチはスラブ、Aリード。出だしは古いピンがありランナーが取れるが、後半左側に入るところからピンがない。カムで1か所取れるが、灌木で終了点を構築するまで、6~7mぐらいノーランナー。落ちてもカムは利くのか、外れた場合リングピンは飛ぶだろうなと、喉がからからになりながらのクライミングとなった。

沢山の山行記や写真を見て研究したが、下降ルートについてはどれも詳しい記述は見当たらなかった。以下、私たちが降りたルートだ。最終ピッチ終了点から左側に見えるスカイラインまでロープを伸ばす。灌木に黒いスリングがあったので、そこでピッチを切りKを上げる。Aの位置から5m程手前に松の木が有り、そこから左手側にトラバース気味に降りていく。40m程降りたところにテープあり。そこから真っすぐに降りるのではなく、左側に踏み後あり。踏み後をたどっていくと、ピンクテープの松の木あり。あとはフィックスロープに沿って降りていく。

フィックスロープが無くなるとピンクテープが出てくるが、突然見えなくなり30分ほど踏み後を探す。別パーティーがGPSで軌跡を見つけ、無事駐車場にたどり着く。12時間の行動、大満足の1日となった。

このルートに取り付くには下調べがとても重要だ。ルートファインディングに自信が無い人や、自分で判断できない人は取り付かないほうが良いかと思う。



写真をクリックするとスライドショーになります。

3日目

夕方前に下山したら、そのまま瑞牆へ行こう!!などと、軽口をたたいていたが、登攀途中からお腹いっぱいになり、瑞牆へ行くことより早くビールが飲みたい事へ気持ちが変わって行った。案の定、3日目は6:30に起床しゆっくりと朝食を食べ、小谷の猫鼻温泉に寄って汗を流し帰途に着いた。

着いた時には管理者がまだ来ていない状態で、入浴料や飲み物代は金庫や招き猫にお金を入れるシステム。ここの温泉は善人しか来ないのだろう。ちなみに管理している人は、住職との事。

露天風呂の素朴な温泉で、山を見ながらのんびりと出来た。

ちなみにキャンプも出来、仮眠所もある不思議な温泉場だった。



写真をクリックするとスライドショーになります。