クラッククライマーの聖地 Indian Creek
山行情報
日時:2024/10/26 ~ 2024/11/04 天候:晴れ/曇り/雨/雪ランク:D-D 参加:4名
山行担当:CL2575 SL3256
記録担当:文責:3256 写真:3256, 2575, 3224, 3537
山行記
1日目
今年の2月ごろに、私が習っているガイドから「インディアンクリークに行くけど一緒に行きませんか?」と声をかけてもらった。彼のHPにブログがあるので見てはいたが、まさか自分が誘ってもらえるとは思っていなかった。赤茶けたクラックが無数に青空に伸びている。いよいよ出発の時が来た。
JALで羽田からダラス・フォートワース空港へ、約11時間。乗り継ぎに6時間、アメリカン航空で2時間半かけてグランドジャンクション空港へ飛ぶ。日付変更線を越えたため、現地時間10月26日(土)17時10分に到着。やっと来れた!!さあレンタカーでホテルがある町へ…、との思いに浸っていたが、仲間のロストバゲージで空港にてひと騒動。ホテルに荷物を運んでもらう手続きをし、1時間半ほどかけてこれから8泊お世話になるモアブの町に到着。
なーんにもないところにハイウェイが1本走っている。車中から地平線に沈む夕日をこの時初めて見た。ホテル、ラスティック インにチェックインし、ガイドがここに来ると利用するというPasta Jay’sへ。日本と比べ量が多いいので皆でシェアをして食べた。
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2日目
モアブの朝は寒い。MOAB GRILLで朝食を摂り、The Village Marketで昼食を買い、Indian Creekへ。60マイル、車で約1時間、Indian Creekに到着。
凄い!!日本の小川山、瑞牆もクライマーの聖地と呼ばれているらしいが、規模が違う。赤茶けた壁が駐車場の両側にそびえる。この駐車場を中心にエリアが広がっている。今回、ガイドからこう言われている。「ガイド料はもらわない。最初の1~2日はルートの案内をするが、その後は別行動」。通常、ガイド講習はガイドがトップロープを張り受講生が登るが、これはガイド講習ではなく自分たちでリードして楽しむのが趣旨だ。
ここにはエリアがいくつもあり、まずは簡単なところから始める。
Donnelly Canyon
1本目:Binou’s Crack 5.9 (50ft)
2本目:Chocolate Corner 5.9+ (60ft)
3本目:Elephant Man 5.10 (80ft)
(※1ft=約0.3M)
Indian Creekは砂岩でできている岩場だ。クラックは、指しか入らない細いクラックから身体が入るものまでさまざまあるが、カムのセットがしやすいスッキリとしたクラックだ。もちろん、そうでないところも沢山ある。3本目のElephant Manはフィンガー、シンハンド、ワイド、ハンドといろいろな技が必要になる。
夕食はCity Marketで買い出し、ガイドの部屋で食べた。
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3日目
MOAB GRILLで朝食を食べ、The Village Marketで昼食を買い、駐車場へ向かう。この日は曇り。
Supercrack Buttress
1本目:Unnamed 5.9+ (30ft)
今回登ったクラックの中で一番短いルート。
2本目:Incredible Hand 5.10 (100ft)
このルートは、ガイドがトップロープを張った。この長さとハングにビビリ、ありがたくトップロープを使わせてもらった。次回はリードで!!
Battle of the Bulge
3本目:Warm-up 5.9 (40ft)
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4日目
この日はレスト日。Indian Creekは雨が降ると、翌日は登ってはいけないルールがある。昨日の夜から雨予報となったため、今日は観光日とした。
モアブから車で10分ほど行ったところに「Arches National Park」という国立公園がある。公園には、2,000を超える天然石のアーチ、何百ものそびえ立つ尖塔、巨大な岩のひれ、巨大なバランスの取れた岩がある。調べてみると、この時期は予約が必要だと分かった。4人でスマホから予約を試みるが、1日の人数制限があるためこの日はあきらめた…。が、Hが午後4時からなら予約は不要と見つけ、喚起に沸いた。では4時まで何をしようか…。
Canyonlands National Parkのアイランド・イン・ザ・スカイ・メサに行くことにした。モアブから約40分後、素晴らしい景色を両脇に見ながらビジターセンターに到着。素晴らしい景色だが、柵がないため怖くて崖の近くに寄れない。みぞれ交じりの雨が降ってきたため、写真を数枚撮り撤退。
いよいよArches National Parkへ。車1台分の料金を支払い、Let’s Go!車で廻るのが基本で、要所要所に駐車場があり、そこに停めていろいろなアーチを見て歩く。すべてを見ることはできない。日が沈む時間になったため、ホテルに帰ることにした。
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5日目
駐車場に向かっていると、周りが雪景色になってきた。とりあえず行けるところまで行ってみようとガイドと話したが、雪が道路にも積もってきたので2台とも引き返した。町まで戻ってくると、ガイドがWall Streetというコロラド川沿いのエリアを案内してくれた。ここは道路沿いにあるエリアで、フェイスもある。
ガイドたちはIndian Creekに戻るという。私達もできるかもしれないと後を追ったが、道路上は「えっ?雪降ってたよね?」というくらい、蒸発したように雪が消えている。日差しが強いからだろうか。駐車場から見た雪景色のIndian Creekはとても素晴らしい。他のエリアを案内してもらうため車で走るが、そこには絶景が広がっていた。このあたりを登るのはいつになるのだろうか。
当然この日もレスト日になったため、Arches National Parkへ行き、残りのアーチを見に行くことにした。見逃したアーチはまたもや全部を見ることはできなかったが、夕日が沈んでからの帰宅となった。
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6日目
Supercrack Buttress
1本目:Twin Cracks 5.9(60ft)
2本目:Supercrack 5.10(100ft)
長い。クラックに入るとひたすらハンドとフィストを使い登って行く。下部はカムの場所や登り方を考える必要がある。
3本目:Fingers In A Lightsocket 5.11+ (60ft)
ガイドが、最強の5.11かもしれないと言っている。HがA0各駅でロープを張ってくれた。ありがたくトップロープで登らせてもらう。触ることができて感謝。
数字のあとの「+」とはその数字の後半、「-」は前半、何もないのはノーマルの数字を表しているようだ。この岩場はグレードではなく、自分に合うサイズがあれば登りやすいと言われた。5.10+でも赤キャメ、黄キャメなら女性が登りやすいルートで、その分、手の厚い男性にはシンハンドになるので厄介らしい。
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7日目
Battle of the Bulge
1本目:Warm-up 5.9 (40ft)
2本目:Cave Route 5.10+ (80ft)
洞窟の中にあるルート。太陽光が隙間から入ってくると、とても素敵。
Donnelly Canyon
3本目:Elephant Man 5.10 (80ft)
リードしていないメンバーがいるので戻った。私は1日目にリードをしているので、トップロープにしてもらい登った。
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8日目
Supercrack Buttress
1本目:Unnamed 5.9+ (30ft)
2本目:Keyhole Flake 5.10 (80ft)
A0、下部各駅で登った。中盤以降ハンドが効きだし、快適。やはり初見は難しい。
明日の夜中に出発するため、この日は早めに切り上げ町に戻る。町の中をブラブラしながらお土産を買い、ホテルに戻った。いろいろな問題に直面したが、何とか乗り越えてラストの日を迎えようとしていた。が、仲間の一人が羽田ではなく、成田行きのチケットを購入していたことが判明。ダラス・フォートワース空港までは一緒だし、日本には帰ることができる。本人も心細いだろうが、最後の晩餐を4人で楽しんだ。
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9日目
この日でサマータイム(夏時間)が終わるため、午前2時に時間が1時間前に戻る。午前1時50分に起きたが、2時に1時間戻るため出発時間は1時30分。なんだかややこしい。
真っ暗なハイウェイを走り、グランドジャンクション空港へ。ダラス・フォートワース空港でSと別れ、羽田へ向かう。機内で飲んで食べて寝てを繰り返し、現実の世界に引き戻されていった。あっという間の8泊10日。クラックも観光も満喫したが、また行きたくなっている。少しはクラッカーとして成長したかな?
湿度が少ないせいか、手がぬめらない。砂岩は滑ると思っていたが、意外とフリクションが良い。うまくなった気にさせてくれる岩場だ。砂岩と聞くと鷹取山を思い浮かべるだろうが、全く違う。砂が、との粉のように細かくサラサラしている。あの景色の中でクラックをやることができて、最高だった。