7-2 中沢と南沢の連絡ルート1(中尾根六杷峠〈南中峠〉経由)
国土地理院の地図を見ると、森戸川林道終点から南沢沿いに東進し、南沢中程から沢を離れ、中尾根六杷峠越えで中沢に下り、更には沢を遡って東尾根に至る道が描かれています。昔はこの道が、葉山から横須賀田浦方面に抜ける重要な生活道だったのでしょう。因みに、六杷峠という名前は、「薪を六杷背負ってこの峠を越えられれば一人前の男になった証」と言われたところから来ているそうです。
南沢から峠を越えて中沢に抜ける現在のルートはこれとはかなり違っています。恐らくは、生活様式の近代化により生活道としての必要性が無くなり維持管理されないまま廃道化、近年になってこれに替わる登山ルートとして開かれた道のようです。
沢から峠までの標高差50m、水平距離は峠の北、南ともどちらも200m程度、15分程度で歩ける距離です。歩く人があまり多くないため道は荒れており、危険な箇所もあり、必ずしも歩き易い道ではありませんが、二つの沢を結ぶ連絡道として知っておきたいルートです。ただし、沢筋を歩くため、足廻りは防水処理を十分にしておくのがおすすめです。
ここでは、中沢を起点として紹介します。森戸川林道終点から中沢沿いに設けられた登山道を上流方向に行くと、中程にT字路が二つ連続するところがあります。最初のT字路は中尾根六杷峠方向、次のT字路は北尾根馬頭観音方向に向かう道ですが、ここは、最初のT字路を右に入って六杷峠に向かいます。はじめ沢筋を歩いたのち、支尾根の東側急斜面をトラバース気味に峠まで登ります。トラバース路は道幅狭く、路肩が崩れているところもあります。路面は軟弱で雨後は特に滑り易いため細心の注意が必要です。足を踏み外すと大怪我は免れません。
峠から南沢へは、逆に、山道のあと急な崖をロープ伝いに下りたのち沢筋に入ります。荒れていますが、歩き慣れている人であれば、特に危険、というほどのところはありません。写真は2011年4月に撮影したものです。
本図の背景地図は国土基盤情報(国土地理院)を使用して作成した。
中沢と南沢の連絡ルート1(中尾根六杷峠〈南中峠〉経由)写真撮影位置(撮影2021.4)
1. T字分岐から林道方向を振り返って撮った写真。このT字分岐を写真左方向に入ります。コーナー足元に道案内があります。
2. その道案内のアップです。六杷峠方向に向かいます。
3. 10mほど先に木橋と、赤い消防標識が見えます。
4. 木橋の先は蔦が絡まって通れないように見えますが。。。
7. 奇麗なナメ床もあります。水量は大したことがありません。
8. 正面は倒木の返った根っこです。左に巻いた気配がありますが、すぐ行き止まりです。右の沢を行きます。
9. 暫く行くと、沢の先は進めなくなりますが、右に登るところがあります。1mほどの高さに道があります。
10. こんな感じです。かなりしっかりしていますが細い道です。
11. 完全に沢から離脱して、中尾根の支尾根東斜面をトラバースして登って行きます。
12. 傾斜は急になってきます。左は切れ落ちた谷。転落防止のロープが張ってあります。
13. 道はこの先左にカーブしますが、そこのところで路肩がほぼ完全に崩れています。要注意箇所です。ロープが張ってあります。
14. 路肩崩落部。写真ではあまり怖さが伝わって来ませんね。
15. その先には滑りやすい岩。ここもロープ頼りです。
16. そこを無事通過すると直ぐに峠が見えてきます。
17. 峠から今来た道を振り返ります。左が来た道。右手、登りは中尾根乳頭山方面への道。
18. 六杷峠の十字路は非常に分かり難い。ここで首をひねっている人によく出合います。足もとの白い道案内に従って南沢に下ります。
19. 直ぐ先に「みなみなか6」の消防標識があります。
21. 崖といって良いような急坂となります。ロープが頼りになります。
25a ここで沢が分岐していました。下流側から振り返って上流側を見たところです。逆コースの場合迷いますね。このロープが進行方向の目印になります。
27. ポッチャンしない様に気を付けて歩いて行きます。
29. ここで右に岸道が出て来ます。岸道に上がっても、沢をそのまま行っても、どちらでもよいのですが。。。
33. ここには、「みなみさわ8」の消防標識もあります。