7-2 中沢と南沢の連絡ルート1(中尾根六杷峠〈南中峠〉経由)
初稿:2021年3月22日
更新:2024年5月03日
国土地理院の地図を見ると、森戸川林道終点から南沢沿いに東進し、南沢中程から沢を離れ、中尾根六杷峠越えで中沢に下り、更には沢を遡って東尾根に至る道が描かれています。昔はこの道が、葉山から横須賀田浦方面に抜ける重要な生活道だったのでしょう。因みに、六杷峠という名前は、「薪を六杷背負ってこの峠を越えられれば一人前の男になった証」と言われたところから来ているそうです。
南沢から峠を越えて中沢に抜ける現在のルートはこれとはかなり違っています。恐らくは、生活様式の近代化により生活道としての必要性が無くなり維持管理されないまま廃道化、近年になってこれに替わる登山ルートとして開かれた道のようです。
沢から峠までの標高差50m、水平距離は峠の北、南ともどちらも200m程度、15分程度で歩ける距離です。歩く人があまり多くないため道は荒れており、危険な箇所もあり、必ずしも歩き易い道ではありませんが、二つの沢を結ぶ連絡道として知っておきたいルートです。ただし、沢筋を歩くため、足廻りは防水処理を十分にしておくのがおすすめです。
ここでは、中沢を起点として紹介します。森戸川林道終点から中沢沿いに設けられた登山道を上流方向に行くと、中程にT字路が二つ連続するところがあります。最初のT字路は中尾根六杷峠方向、次のT字路は北尾根馬頭観音方向に向かう道ですが、ここは、最初のT字路を右に入って六杷峠に向かいます。はじめ沢筋を歩いたのち、支尾根の東側急斜面をトラバース気味に峠まで登ります。トラバース路は道幅狭く、路肩が崩れているところもあります。路面は軟弱で雨後は特に滑り易いため細心の注意が必要です。足を踏み外すと大怪我は免れません。
【2024.5.3追記】上記路肩の崩れたところの路面崩壊が一段と進んでいます。ボランティアにより崩壊部にステップが切られたりロープが張られたりと対策は取られていますが、初稿掲載時に比べ危険度は増しています。危険個所の通過に慣れていない人は、特に雨後は、このルートの使用はお勧めできません。
峠から南沢へは、逆に、山道のあと急な崖をロープ伝いに下りたのち沢筋に入ります。荒れていますが、歩き慣れている人であれば、特に危険、というほどのところはありません。写真は2011年4月に撮影したものです。