冬になると太平洋側は晴れの日が続くようになり、富士山も裾野まで白くなります。雪の富士山の裾野歩きをしませんか。五合目以上の富士山は厳しく危険がともないますが、天気のいい日の二合目以下の傾斜の緩い裾野歩きはとても楽しいです。なかでも富士山双子山は、御殿場口新五合目(標高1440m・須山一合目相当)の近くにあり、手軽に楽しめます。御殿場口の太郎坊洞門を出た所に車を停め、そこから踏み跡をたどってまっすぐ登ります。タクシーだと御殿場駅から5000 円程度です。広葉樹林の緩斜面を登ると急に視界が開け、前方に真白い富士山と宝永山が現れます。絶景です。しばらく登って行くと狭い谷地形になり少し緊張します。
3 月以降の急激な気温上昇時には、富士山特有のスラッシュ雪崩(雪泥流)に注意が必要です。この辺りからカラマツとダケカンバが出てきて、明るい高原状となり雪も深くなってきます。ワカンやスノーシューを付けて登ります。間もなく森林限界の白銀の雪原に出ます。大石茶屋からの登山道の手前で下双子山の山腹に取りつき、富士山を見ながら処女雪の斜面を頂上に直登します。右手に丹沢と青い山中湖が見えてきます。一息ついてから斜面を一気に登りきると鳥居の有る1804mの平らな頂上につきます。
見上げると、白い宝永山の上に雪煙を上げてそびえる富士山が目前に見えます。その崇高な姿に皆感動します。歩き始めてから1 時間30 分程度です。時間に余裕があれば、すぐ上にある上双子山に登るのもいいです。
富士砂の黒い地肌が出た急斜面を直登します。噴火口の残っている頂上に立つと、雄大な富士山と360 度の絶景が見られます。標高1929m です。帰りは下双子山の雪の東斜面を、ビニールシートを尻にひき滑って下りてから新五合目の駐車場に出て、車道に沿い雪原をのんびり歩き、太郎坊経由で洞門に戻って来るのもお勧めです。
温暖化で雪がない時もあります。登山靴で簡易アイゼン持参で歩くもよしです。雪の状態は御殿場町観光協会に電話すると教えてくれます。富士山は風が吹くととても寒いので、カッパと防寒具、ダブル手袋、防寒帽にお湯が必携です。もちろん簡易アイゼンとダブルストックも。 (文責)2952