信越トレイル(LT)

雨模様のブナ林の中を行く

山行情報

日時:2021/09/24 ~ 2021/09/28 天候:晴、晴、雨、晴、晴
ランク:B-C-8:00 参加:11名
山行担当:CL2782 SL2249, 1890, 2805
記録担当:文責:3535 写真:2812

コースタイム

◇1日目
斑尾山登山口08:54~10:22斑尾山山頂10:29~10:31大明神10:39~11:41万坂峠11:42~13:09袴岳13:19~14:58沼ノ原湿原(希望湖)
◇2日目
沼ノ原湿原(希望湖)08:07~08:34毛無山(大平峰)08:41~09:07涌井新地09:12~10:51富倉峠10:58~13:20黒岩山13:24~13:56桂池
◇3日目
桂池 08:02~09:26仏ヶ峰登山口09:28~10:41小沢峠10:52~12:15鍋割山12:32~12:42黒倉山 12:51~13:43関田峠
◇4日目
関田峠08:34~09:10梨平峠09:15 ~10:06牧垰10:11~10:46花立山10:56 ~11:24宇津ノ俣峠11:29~13:47伏野垰
◇5日目
伏野垰8:45~9:17須川峠9:19~11:07野野海峠11:36~11:56深坂峠12:32~12:50三方岳12:57~13:39天水山13:39~14:00松之山口

コースマップ

NPO法人信越トレイルクラブ事務局が発行しているパンフレット「信越トレイル」のトレッキングルート・セクション1~6の部分を転載させていただきました。(クリックで拡大されます)

山行記

はじめに

信越トレイルは、長野県と新潟県の県境にある関田山脈の尾根沿いにある。平均標高は1,000m。左側に日本海、右側に千曲川と信越の山々を眺めながら、ブナの森の美しさを堪能した山旅だった。

日本のロングトレイルとして先駆け的存在の信越トレイル。16の峠があることから、地域の人々の生活の場として歩かれてきた里山であることがわかる。信越トレイルの生みの親である加藤規芳氏が残した言葉、「歩きながら自然にふれ、自然から生き方を学ぶ」理念は、後に続く日本のトレイル作りのひな形ともなっているという。

今回、私たちは全長80km、6つのセクションを5日間で歩いた。



1日目(セクション1~2途中)

車で飯山駅から斑尾登山口へ移動。斑尾高原からススキの穂が爽やかな風に揺れる急坂を登り、斑尾山頂へ到着。斑尾山が信越トレイルのスタート地点だが、トレイルに進む前に、大明神岳を往復した。大明神岳から北信五岳が見えるということだったが、曇り空のため、眼下の野尻湖を見て引き返し1,383mの斑尾山頂へ。

入山者カウンターを押し、いよいよ信越トレイルのスタートだ。白樺やダケカンバが混生する林・ブナの森歩きを楽しみながら万坂峠から袴岳を越えて行く。テントサイトにもなっている赤池を経て、今日の終点、沼ノ野原湿原に到着。信越トレイルの登録ガイドでもある宿の主人が、毎日車で送迎、アドバイスなどもいただくことができ感謝だった。



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2日目(セクション2~3)

今日は希望湖から出発。湖の向こうに妙高山が見えて、青空が嬉しい。希望湖は東山魁夷が「静映」を描いた美しい湖だ。先を登って眼下に飯山盆地が広がる毛無山に到着。毛無山から下りる途中、宿の主人お勧めの場所にくるとアケビや山ぶどうがたくさん実っているのが目に入る。みんな歓声をあげ、秋山の恵みを味わった。

涌井新池に着くと湧き水があり、冷たい水を飲んでホッと一息。富倉峠、黒岩山へ進むと、今度は登山道に山栗が落ちている。思わず栗のイガを踏んで実を出し、みんなで1キロ以上集めてしまった。

そして今日の終点、桂池に到着。夕食後、拾った山栗をコッヘルで茹でて味わいながら、みろくの一人が演奏する「山小屋の灯」「おぼろ月夜」などハーモニカも聴くことができ、山の秋を楽しんだ素敵なひとときだった。



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3日目(セクション4)

歩き始めると、先頭のリーダーが「獣の匂いがする」と。すぐ熊避けに笛を吹き、みんなで「しりとり」をしながら人間の存在を熊にアピール。

桂池から仏ヶ峰登山口までの最初の区間は、歩きやすい林道。そこからは悪路の登山道に変わり、沢も越えた。小雨も降り展望は望めないが、ガスっているブナの森も幻想的。木々の葉から雨水が滴り落ちるのも「山が息をしているみたい」と思いながら歩いた。

信越トレイルは豪雪地帯。ブナの幹は5~8mの積雪の重さで横に伸びていたり、そこから上に伸びてねじ曲がるように成長している。そのようなブナに頭をぶつけて、リーダーからも注意を促された。ある時はブナの木を跨ぎ、ある時は潜ったりして歩きながらも、自然に触れていることを実感。

次の鍋倉山までは「やせ尾根注意」と言われる所を注意して進んだが、樹林帯のため心配することはなく無事通過。雨も止んで鍋倉山、黒倉山と進む。眺めもよく、米山と日本海、直江津の火力発電所まで見ることができ、今日の終了点の開田峠へ到着。宿に着くと玄関スペースを乾燥室にしてもらい、雨具などを乾かすことができてありがたかった。



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4日目(セクション5)

ここまで来ると宿からと開田峠まで車で1時間と少し。送迎してくださる宿の主人に感謝。峠としては一番高い開田峠あたりは6月下旬でも残雪があるそうで、積雪の重みで横に曲がって伸びたブナが目立つ。

注意しながら歩いて梨平、花立山へ。今日は晴れてビューポイントも多くあった。その後は比較的平坦な道が続き、今日の終点伏野峠についてびっくり。大きな「信越トレイル」の看板の足の部分が積雪の重さで地面にめり込んで看板の面だけが地上に出ていた。積雪の力はすごい。



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5日目(セクション6)

今日は最終日。出発点の伏野峠からは須川峠を経て、アップダウンを繰り返しながら進む。野々海峠を経て深坂峠に到着。深坂峠は日本海と新潟の山々が連なる展望が良い。続いて三方岳へ。さらに美しいブナ林の中を登り、今回の信越トレイル終点の天水山に到着。

その後、美しいブナ林を歩きながら、いい時間が流れているという思いに満たされて、松之山口へ下りた。松之山口に到着すると宿のご夫婦が登山道の途中まで迎えに来ておられ、無事に歩き終ったことを実感。

その後、「なべくら高原森の家」に車で立ち寄り、参加者全員で「トレイル整備協力金」を支払って、信越トレイルのオリジナルタグを記念にいただいた。登山者の一人として果たしたかったことなので、よかったと思う。

この秋、信越トレイルは、天水山から苗場山まで延伸した。セクション7~10が加わり、日本で一番長い110kmのトレイルとなり、お勧めのロングトレイルだ。



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【CL追記】

紅葉には少し早い時期だったが、初秋の信越トレイル(LT)は山々、アクセスそして宿舎とも期待通り高いレベルだった。コースの全容、行程中の驚き、喜び、楽しみ、発見は山行記にあるとおり。参加者11人は無事、そして大きな満足感をもって5日間、80kmを歩き通した。

信越トレイルは日本初のロングトレイルとして各地で計画されるトレイルのモデルにもなっている。今後、妙高山・火打山への延伸計画もあり、山行ジャンル「ロングトレイル(LT)」として多くの会員に親しまれていくものと思われる。