みちのく潮風トレイル(ロングトレイル)
山行情報
日時:2024/11/06 ~ 2024/11/09 天候:曇り/曇り時々晴れ/曇り時々晴れ/曇り時々晴れランク:B-B-7:00 参加:17名
山行担当:CL3779 SL2782, 2956, 3155, 3483
記録担当:文責:3780, 3821, 3618, 3779 写真:3155, 3483, 3535
コースタイム
1日目
鮫駅10:15…12:50淀の松原…14:15漁撈用具と浜小屋14:19…14:26大久喜駅15:04-15:55侍浜駅16:00≡16:10泊地 歩行時間:3時間09分/休憩時間:1時間02分/合計:4時間11分
2日目
階上駅8:56…9:32舘神社9:45…11:02トチの巨木11:15…12:00灯明堂跡12:30…14:16小舟渡海岸14:20…14:36角の浜15:17-15:55侍浜駅16:00≡16:10泊地
歩行時間:4時間22分/休憩時間:1時間04分/合計:5時間26分
3日目
角の浜駅8:11…9:36種市海浜公園9:48…10:49宿戸漁港10:55…12:01大浜踏切12:24…13:14有家駅13:19…14:46陸中中野駅14:50≡15:06泊地 歩行時間:5時間42分/休憩時間:53分/合計:6時間35分
4日目
陸中中野駅8:08…8:33渡渉ポイント9:19…10:57侍石11:08…11:42横沼展望台12:05…14:16厳島神社14:50…15:48陸中夏井駅16:04-16:09久慈駅 歩行時間:5時間46分/休憩時間:1時間54分/合計:6時間40分
※-公共乗物、≡宿の送迎車
山行記
1日目
9時50分、八戸線鮫駅に集合し、準備をして10時05分、肌寒い中をスタートする。約15分で蕪島神社へ到着し、高台から太平洋を一望して、いよいよ本格的に歩き始める。すぐに海岸あたりを、潮騒の音を聞きながら、また磯の香りを嗅ぎながら、葦毛崎展望台へ到着し、再び太平洋を一望する。ホロンバイル~中須賀を通過し始めるころから、歩きにくい、柔らかい砂浜を歩く。
大須賀海岸中間点付近で、流木に腰掛け、お昼ご飯を摂る。さらに歩きにくい砂浜を約1時間歩き続け、白浜漁港、深久保漁港を通過して淀の松原に到着した。明神岩を見ながら、松林の間からリアス式海岸の特徴である大小の岩や、奇岩が望めた。通過してから、ほどなく今度はとても歩きやすい種差天然芝生地に到着する。
30分ほどで、種差(たねさし)海岸インフォメーションセンターを通過して高岩展望台へ。展望台からは、眼下に広がる太平洋と左右に広がり特徴がある海岸線が一望できた。そして漁労用具と浜小屋を通り、14時30分に大久喜駅に到着する。そこから電車移動で侍浜駅へ向かい、宿の車で「グリーンヒルおおの」に到着し、無事、本日の山行を終える。(文責:3780)
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2日目
本来のコースは階上(はしかみ)岳周回なのだが、今回は灯明堂跡までの短縮コース。階上駅から坂道を徐々に登っていくと、館神社。青森県内最大級樹齢400年のモミの大木があった。野沢の先の茨島のトチの巨木は、樹齢850年で樹勢も旺盛で、足元には落ち葉とトチの実がいっぱい積もっていた。
野沢まで戻り、灯明堂跡に向かう。1745年に建てられた日本最古級の灯台跡で、日本海や海辺の町が一望できた。五重ノ塔跡の木立の下でお昼を摂った後、杉並木を下った先の寺下観音堂は、鎌倉時代に行基が開山。渓流沿いの紅葉が見ごろで、苔むした足元に映えてなかなかの美観だった。実をたわわにつけた柿の木が散見される道を行くと、銀杏木窪の大銀杏の木があった。樹齢1000年で、垂乳根が多く下がっていた。
県内で一番早く朝日が昇る階上灯台があり、広々とした芝生が広がる小船渡海岸に着いた。青森と岩手の県境に位置し、弥生時代前期から人々が暮らしてきた場所だ。明治29年の三陸大津波の供養塔があった。角の浜駅から侍浜駅まで電車移動をして、今日の行程を終えた。(文責:3821)
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3日目
山行も、はや後半の三日目。初日からの寒波は緩んだものの、まだ朝は肌寒く天候は曇りで、今日も宿の送迎バスで昨日の最終地点の岩手県洋野(ひろの)市にあるJR八戸線・角の浜駅近くの出発点へ。
今日の目的地のJR八戸線・陸中中野駅までは、三陸海岸線とJR八戸線を沿って歩く比較的なだらかなトレイル道で、途中、洋野市の道路沿いの種市商店街、防波堤の上の道や海岸の砂浜を歩く変化に富んだコースでした。
歩き始めてしばらくすると、車道脇に岩手県立種市高校があり、ここの海洋開発科ではNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でも紹介されていた、日本が誇る潜水技術「南部もぐり(ダイバー)」を教える日本唯一の学校で、車道を離れここからは海が望めるトレイル道が続いていました。今日のトレイル道の沿道には、朱塗りの鳥居がある神社が多く見られ、海とともに生きる人たちが海での安全、大漁、ならびに無病息災を祈る気持ちが感じられました。
またこの三陸地域は、三陸沖などを震源とする地震により三陸地方を襲う津波による三陸津波や、太平洋上や環太平洋地域などを震源とする巨大地震による津波が襲来することもあり、前者の津波では2011年3月11日に発生した東日本大震災、平成三陸津波による甚大な被害は記憶に新しいところです。
洋野市内のトレイル道沿道にも、川尻津波供養塔を含め過去の津波の供養塔が7つも見られるほか、海岸線には平成三陸津波後に増強された高い防潮堤、陸閘(りっこう)、水門ほかのハード施設、加えてトレイル道など、海岸線に近い道には津波が発生した時の避難誘導標識が各所に設置されているのが見られました。
加えてトレイル道近くには、東日本大震災からの復旧・復興に際して環境の面から配慮すべき事業として、政府・環境省が推進してきた地域主導の再生可能エネルギーを利用した自立・分散型エネルギー供給システムとしての太陽光エネルギー発電パネル施設が数多く見られたのも印象的でした。
今回歩いたトレイル道の先に広がる三陸海岸は、甚大な被害をもたらしてきた地震やそれに伴う津波の被害と裏腹にウニ、アワビ、サケなど、さらに海藻類と豊かな水産資源の宝庫とのことで、景色を楽しみ歩きながらも複雑な心境を味わいました。
最後に、今日の目的地のJR八戸線・陸中中野駅近くで地元の漁師さんが運転する軽トラと出会い、立ち話のついでにとれたての甘柿をいただき、参加者で当夜のデザートに美味しくいただきました。このようなトレイル中の地域の人たちとの触れ合いも、ロングトレイルの楽しみのひとつかと改めて思いました。(文責:3618)
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4日目
4日間のうちで一番気温が高く、少し暖かかな日となった。
陸中中野駅から本日のメインイベント、高家川の渡渉ポイントにドキドキしながら向かう。川の流れの音は、随分と前から聞こえていた。渡渉の前に滝を見るルートを行ったが、そこも岩が危なくて登れず、滝も見に行けなかった。渡渉ポイントに戻り、川を眺めてどこなら渡れそうか検討するも、深さがかなりある。ビニール袋を履いて一人が試しに向かってみるも、見た目より流れが強く、ビニールに水圧がかかり、全員が無事に渡るのが難しそうということで、渡渉はやめて迂回ルートで進むことになった。地図には、増水時は迂回ルートと書いてあったが、靴を濡らさずに靴のまま渡るのはもともと無理だったように感じた。
ここでは、渡渉できなかった悲しみの記念写真の撮影となった。迂回ルートは倍の時間がかかるため、少しスピードアップして、スタート地点の陸中中野に戻り、迂回ルートを早いペースで進む…。スピードがかなり早いのか、桑畑群落付近で渡渉できなかった分を挽回。途中、渡渉されたトレランのお兄さん二人に話を聞くと、靴ごと川を渡渉されたようだった。
迂回ルートを進んで行くと、見るはずだった中野大滝の看板…。看板を写真に納めた。侍石、北浜キャンプ場と順調に歩みを進め、横沼展望所まで。ここで、景色を眺めながらお昼休憩。前日に会った一人で、トレイルを歩いている方と再会。前日、渡渉されたのか話を聞くと、3歩進んで諦めたとおっしゃっていた。やはり私たちには無理だったんだな、と改めて感じた。
昼食後、厳島神社を目指して歩く。前日は舗装道路が多かったが、今日はアップダウンのある変化に富んだ道を歩けて楽しめた。白前、本波あたりまでは木々の間からリアス式海岸らしい景色を眺めながら歩く。天気が良いせいか、一段と海がキラキラ輝いて美しかった。厳島神社まで来て、ルートを確認して、最終到着時間を見直し、到着を陸中夏井駅にした。アップダウンのある道で、海沿いの神社まで行ってお詣りをした。戻りは最終的に厳島神社鳥居のところで解散となった。
4日間お天気に恵まれ、気持ちよく歩くことができたみちのく潮風トレイル。この続きもいつか歩いてみたい。皆様ありがとうございました。(文責:3779)
【CL追記】
肌寒い日もあったが、3泊4日雨天での山行ではなく良かった。砂浜・山道・渡渉(水深が膝位の箇所もあり断念)・歩道といろいろな道を歩き、ちょっと寂し気な漁港などバラエティーに富んだ山行だった。初日の蕪島では、ウミネコの生息時季ではないため「ニャーニャー」の鳴き声を聴けずに残念。
ローカル線乗車(本数が少ない)時間に遅れないようにちょっと早歩きになってしまったが、参加者全員で無事に歩くことができ良かった。三陸のリアス式海岸をリアルに観賞することができる「みちのく潮風トレイル」の醍醐味だった。
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