白神岳とブナの森(ロングトレイル)
山行情報
日時:2020/10/16 ~ 2020/10/19 天候:17日(晴)18日(晴)19日(晴のち曇り)ランク:C-C-8:00 参加:9名
山行担当:CL2956 SL2805、2812
記録担当:文責:3101 写真:2805
コースタイム
【1日目】移動
【2日目】十二湖駐車場8:21…崩山10:05…大峰岳11:55…白神岳山頂避難小屋15:55
(歩行6:25 休憩1:06)
【3日目】小屋7:27…十二湖分岐7:42…マテ山9:15…最後の水場10:09…二股分岐10:46…
旧登山口11:25…登山口11:30…ハタハタ館(泊)12:10
(歩行3:39 休憩0:24)
【4日目】宿8:00…二ッ森登山口8:55…二ッ森北峰9:57…二ッ森登山口10:57…宿11:40
(歩行1:55)
コースマップ
2日目のコース(青) 3日目のコース(赤) 4日目のコース山行記
1日目
やきもきした天気予報も雨マークが消え、10月16日世界遺産の森にそびえる白神岳を目指して出発。五能線の本数が少なく、早朝でも昼頃出発でも到着時間は変わらず、東京11時20分発のこまちに乗車。秋田・東能代と乗り継ぎ、五能線十二湖駅17時49分到着。メルヘンチックなログハウスのコテージが今夜の宿舎。夕食も盛りだくさん、更に地域クーポンで銘々お酒やケーキを満喫。Go-Toキャンペーンの恩恵に与った。
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- 五能線のスタート
- アオーネ白神十二湖フロント着
- 受付もコロナ対応
- 快適な寝室
2日目
夜中に雷雨があったが雨はやみ、朝食用のお弁当と食事用の共用水1リットルを詰め、ずっしりと重くなったリックと共に、宿の送迎車に乗り込む。8時21分十二湖コース8時間、水場無しの1235mの白神岳を目指して出発。
登山口にある青池の周囲の木々は紅葉しておらずちょっと残念だが、神秘的なたたずまいは一見の価値あり。標高差1000m、ブナ林の息遣いを感じつつ美しい森の中を一歩一歩と進む。10時5分崩山到着、眼下は日本海、十二湖が姿を現し荒々しい山肌と湖と海の対比に歓声があがる。我々以外登山者はいないようだ。殆どの人は水場のある3時間半くらいのコースを選択するらしい。
熊の心配が頭をもたげてきた。皆で大声でしりとりをしながら歩を進める。日本海を木々の間に垣間見ながら紅葉がブナやダテカンバなどの木々を彩る世界遺産の景色にみとれる。11時55分大峰山1020m到着。ランチタイム、風も穏やかであまり寒さは感じず至福の時をすごす。
ここからは尾根道のアップダウン歩きが始まる。紅葉が姿を現し緑の木々とのコラボに心が揺り動かされる。ブナ林を抜けるとクマザサやダケカンバの道になる。刈った笹の葉が昨夜の雨で濡れ滑りやすく、急勾配で摑まるところもなく踏ん張りを効かせて足を運び、倒木を潜りながらの登山道に疲労が溜まってくる。
15時38分、あー大変と頭を上げると十二湖分岐の標識、一般道との合流地点。嘘のように道が整備され歩きやすくなっている。少し進むと白神大権現の祠があり、視線の先には宿泊地のとんがり屋根の避難小屋が見えた。
15時55分小屋に到着。山頂はすぐ傍の小高い所にありめいめいで登頂する。小屋には先客が1階2名、2階に2名、3階に1名、いずれも男性客だ。女性6名、男性3名の配分を考察。すると3階の男性がテントを持参しているのでと譲ってくださった。女性陣は着替えも躊躇なくできると大喜び。
夕食の支度をしている間にもぽつぽつと男性登山者が小屋に入ってくる。
小屋は清潔で銀マットがあり、トイレは3分くらい歩いた所で清掃が行き届き快適である。夕陽が沈むころ、眼下の日本海と山々を取り囲んだ雲海をくれない色に染めていく。神々しいまでの景色に自然の偉大さ息を飲み達成感に満たされていく。夜中トイレに立った仲間は満点の星空を満喫したようだ。
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- 全てロッジ風の宿舎、雨上がりの早朝
- 広大な山域はゾーニングが明確に。
- 青池から登山開始
- だんだんと色づいてきた。
- 大崩から眺める日本海
- 出発から約3時間、標高1,000m近くの見事な紅葉。
- 白神岳遠望
- カラタチバナ(百両)は赤い実
- 立入禁止の世界遺産の保存地区は綺麗に染まっている.
- 白神岳山頂は数か所のピークの先に。
- 世界遺産の保存地区には林道も植林もない
- マテ山コースとの合流点「大峰分岐」
- 山頂直前の道を登る
- 山頂から眺める小屋方面は霧の中
- 内部は3層、冬季は3階からはいる。
- 避難小屋前で日没前の夕食
- 白神岳山頂から霧を通して眺める日本海に夕日が映る
3日目
7時27分出発、帰路はマテ山コースを行く。眼下には次々と紅葉のトンネルが現れ、パンデミックで沈みがちだった心が洗われていく。過剰なくらいにロープがつけられ、歩きやすい。時間はたっぷりあるのでゆっくりと歩き目の保養をする。9時15分マテ山、展望はないが紅葉を楽しみにここまで登山する人も多いそうだ。10時3分に最後の水場で美味しい水を味わう。11時半登山口、宿の送迎車でハタハタ館に行く。現地クーポン券で昼食をとりGo-To割引で宿泊した。
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- 白神岳山頂から眺める御来光
- 朝日を浴びる小屋
- 御来光に足元のチシマザサも紅く染まる.
- 下山前に避難小屋前にて
- 山頂からの下山、眼下に日本海。
- 核心地域の眺望
- 山頂直下は紅葉も終盤
- 蟶山(マテヤマ)は三等三角点蟶山
- ノブドウの実は色の変化に富む
- 下山後に宿舎前の海岸で遊ぶ
- 日本海に沈む夕日.
4日目
8時二つ森トレッキングに出発。荷物を預けサブザックに水とお菓子を詰め、現地ガイドと送迎車に乗り込む。二つ森山の頂上直下まで車で行ける。世界遺産になる前、反対運動で縦貫道路工事を中止したその道路を走る。紅葉が終わったブナ林の中をガイドの説明に耳を傾けながら頂上に40分位でつく。途中岩木山が雲の間から頭を見せる。11時40分宿に到着。
お昼は店で弁当を購入して日本海を眺めながら、ベンチに座って食べる。私は海鮮丼弁当を購入。こぼれるくらいの海鮮類が盛られているのに670円にびっくりし、お米も美味しく苦労を共にした仲間とお酒も入って冗談を言いながら白神山地の余韻を味わう。
海岸は奇岩が絶景を織りなしており、振り向くと白神岳に続く稜線が伸びていて、制覇できた自分を褒めてあげたいような気分になった。
今回の山行はリーダのお骨折りでGo-Toの使用できお財布にも易しく、世界遺産のブナ林と紅葉、宿の食事、温泉も素晴らしく仲間にも恵まれ、記憶の収納箱の中でキラリと光る山行であった。
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- 青洲林道秋田側終点の管理棟
- 白神が世界自然遺産となったきっかけの青秋林道はここで工事中止となった
- 貴重な古代のブナの説明
- 古代ブナの葉脈は鋸歯の先端に届く(右)
- 一路二ッ森北峰へ。
- 二ツ森北峰にて
- 二ッ森南峰方面。
- 二ツ森も紅葉真っ盛り
- ブナの黄葉とチシマザサの緑とのコントラストは見事
- 中央が白神岳.
- ヤマウルシの紅葉も綺麗だがこれもかぶれる.
- 青秋林道に佇む孤高のダケカンバ
- 帰路の起点五能線「あきた白神駅」ホーム
- ローカル色満点の運転台
【CL追記】
4日間天候に恵まれ、紅葉も山頂は見頃をやや過ぎてはいましたが、5合目辺りまで素晴らしい眺めを満喫し、ブナの森を楽しみました。十二湖コースの縦走路は刈り払いがされていて藪漕ぎをせずにすみました。