焼岳~西穂高岳

秋色の西穂

秋色の西穂

山行情報

日時:2021/09/27 ~ 2021/09/29 天候:晴れ
ランク:C-C-7:30  参加:9名
山行担当:CL3023 SL3509
記録担当:文責:3657 写真:3023、3509、3479

コースタイム

初日(9月27日)
上高地田代橋12:25…12:35登山口…14:20峠沢…14:55焼岳小屋(泊)

2日目(9月28日)
焼岳小屋6:40…8:05焼岳北峰…9:30焼岳小屋…11:48槍見台…13:25上高地分岐…13:45西穂山荘 (泊)

3日目(9月29日)
西穂山荘5:40…7:00独標…7:40ピラミッドピーク…8:40西穂高岳…10:30独標…11:35西穂山荘…14:15田代橋…14:40上高地BT

コースマップ

山行記

1日目

八王子からあずさ1号で松本まで、次第に晴れ間が広がり幸先のいい出だしだ。松本からはバスで正午前には上高地帝国ホテル前に到着。梓川にかかる田代橋のたもとで昼食後出発。登山口までは晴れ渡った青空バックに存在感のある霞沢岳を左に眺めながら快調に歩く。

登山口からは森の中を登っていく。峠沢を超えたあたりから急登となり、ほとんど垂直の三段バシゴを超えると、笹に覆われた斜面となる。姿は見えなかったが息づかいが聞こえるほどの距離で何か大きな獣が斜面を下っていき、緊張感が走った。

さらに登ると「ようこそ」の声に、見上げると焼岳小屋の人が出迎えに来てくれていて到着。昔ながらのランプが似合う、垂直はしごを登った屋根裏部屋で寝る、趣のある山小屋である。夕食前には数々の山行談義に花がさき、笠ヶ岳山行企画のリクエスト等が飛び交う中、突然グラッと来て皆身構えた。就寝中にも2回程地震で目が覚め、活火山の焼岳なので注意せねばと思いつつ熟睡した。



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2日目

昨夜の地震もあり、CLからの浮石、落石等への注意喚起の後出発。山行経験の乏しい私は初ヘルメットのひもを締めなおした。昨日小屋到着後一度登った展望台まで登る。さすが活火山だけに蒸気があちこちで上がっていて、もこもこのひつじ雲をバックに、荒々しい山肌にいびつな形の岩が突き出ている。

火山特有のごつごつとした岩を注意しながら登り、焼岳山頂に到着。これから向かう西穂高岳から連なる荒々しい穂高連峰の山々、昨夜話題に出た笠ヶ岳の美しい山容、槍ヶ岳、乗鞍岳等も望めて感動の眺望だ。集合写真を撮って小屋まで下る。ここからは先ほどとは一変して、森の中を西穂高山荘目指して進む。途中、紅葉のむこうに槍ヶ岳が見られ、花の名前を教わりながら秋らしさが感じられる道のりだった。

明日下る上高地への分岐を過ぎたら最後の急登となるも、ビールのご褒美を思い浮かべながらがんばって山荘到着。西穂高岳3回目のベテランの経験談等聞いて、夕食のカツで元気を取り戻して就寝。



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3日目

ヘルメットを被ったまま朝食に行こうとする人もいて、皆さん朝から気合が入っている。朝焼けの雲を横目に体操をした後出発。またもや笠ヶ岳に魅入られる。山頂の三角部分だけに朝日が当たって、神々しいばかりの美しさだ。

ハイマツの間を進むと、丸山あたりで雲海の彼方に八ヶ岳も望むことができ、行く手には独標~西穂のギザギザにとんがったピークの連なりが見えてきて岩稜歩きの開始だ。なんとか独標に到着し、遥か彼方に南アルプス、富士山も望めた。ここから西穂までの往復がさらにスリリングなものとなった。三点支持を常に意識しながら緊張の連続。ベテランの方々の指示でルートを修正しながらなんとか無事に踏破できた。

あいにく西穂山頂はガスっていて何も見えなかったが、達成感満載で集合写真を撮る。下りは登り以上に緊張感を保ちながらなんとか山荘まで戻る。昼食後、上高地までは午前中のスリルの余韻に浸りながら下る。メンバーの距離もより近くなった気がした。今回は、活火山、紅葉と素晴らしい眺望、スリリングな岩稜歩き等フルコースを味わえたとても楽しい山行だった。

【CL追記】
出かける数日前に槍ヶ岳方面で地震があり、落石或いは登山道の崩壊等で登山客が取り残される事故が発生していた。事前に西穂山荘に状況を聞いたところ西穂高までは問題のないことを確認。予定通り出発した。ただ焼岳小屋での就寝中にかなりの震度の地震が発生した。焼岳はレベル1の活火山で、心配したが晴天に恵まれて無事に往復。最終日の西穂高への縦走路はアップダウンのある岩場の連続で緊張を強いられた。参加者からは怖かったとの感想もあったが、全員無事に山荘に戻りホットする。

台風の合間の晴天に恵まれ、変化に富んだ二座をつなぐ達成感のある山行であった。



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