白毛門~巻機山 (ロングトレイル)

5時55分、柄沢山から下りる。霧のジュータンの向こうに巻機山

山行情報

日時:2023/09/23 ~ 2023/09/26 天候:曇り/晴れ
ランク:C-D-10:00 参加:3名
山行担当:CL3489 SL3564
記録担当:文責:3489 写真:3420

コースタイム

1日目 
土合駅~白毛門~ジャンクションピーク~大烏帽子山の北1,740m(泊) 歩行時間:9時間10分
2日目 
泊地~檜倉山~柄沢山(泊) 歩行時間:11時間 
3日目 
泊地~米子頭山~栂の頭~巻機山~避難小屋(泊) 歩行時間:9時間50分
4日目 
泊地~清水バス停 歩行時間:2時間55分

コースマップ

記録日:
合計距離: 28663 m
最高点の標高: 1964 m
最低点の標高: 590 m

山行記

1日目

昨夜からの雨が止んだ6時半ごろ、土合駅を出発。土合橋の近くの駐車場は土曜日なのに天気がよくないのでガラガラだった。白毛門への登山道は急登、きつい。晴れていれば左側に一ノ倉の岸壁が見えるのだが、ガスっていて見えない。ときどき太陽が顔を覗かせてくれるが一瞬だ、蒸し暑い。

白毛門、笠ヶ岳を過ぎると笠ヶ岳避難小屋があった。金属製の小さな避難小屋だ。扉を開けると中から熱い空気が吹き出してくる。5, 6人は泊まれそうだ。朝日岳山頂はガスの中、水場はあるが今年の夏は枯れているし私たちは各自4L以上の水を持っているので寄らなかった。 

30分ほど歩くと、立派な標識のあるジャンクションピークに着いた。これから「巻機山 難路」を示している奥の道に向かうのだが膝ぐらいの高さの笹が茂り、道を隠している。大烏帽子山の手前まで沢登りの人たちの踏み跡があるはずだが注意して歩かないと道から外れてしまう。1時間もしないうちに笹の水滴が登山靴の中に溜まり、グチャグチャして気持ち悪い(合羽の上下を着てスパッツまで履いているのに)。笹はだんだん大きくなり、背丈ぐらいの高さになっている。 

何とか今日の宿、大烏帽子山を過ぎた広く気持ちの良い草原(1,740m)に着いたのは16時50分。誰もいない。私たち3人だけだ。 



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2日目

この日は、このコースで藪が一番すごいという檜倉山まで頑張れば何とかなると思ったのだがそうはいかなかった。笹はまだ良かった。シャクナゲや他の灌木、ツルが邪魔する。全身を使いかき分け、踏みつけ、またいだりして進むのだが、なかなか通してくれない。まるで藪の中で溺れているようだ。おまけにスパッツのゴムが外れ、それを踏んで転んだり、段差や木に足を取られよく転んだ。先頭を変わってもらっても、前の人から少し離れただけで藪が塞がってしまうので、またかき分けなければならない。巻機山まで大小のピークがたくさんあるがピークのたびに藪を漕ぎ、ときどき草原を歩く。 

2日目は平らだが笹が生い茂る柄沢山の山頂に泊まった。テントを張ってみると、テントの床が羽毛布団のようにフワフワになっている。嬉しくて、手で押さえてみるとぺちゃんこになる。でも、とても居心地よく、ぐっすり寝ることができた。 



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3日目

また今日も藪漕ぎ。朝、これから向かう巻機山や上越の山々が輝いて見える。滝雲が右(群馬県側)から左(新潟県側)に流れているのをぼーっと眺めながら、「今日は滝雲の中の藪漕ぎか」「どんな感じだろうか?」。何てことはない、今日もガスの中をもがきながら藪を漕いだ。 

1日目に持参した水はほとんど無くなり、途中、池塘の水をろ過して補給する。ろ過した水はとても美味しかった。予定では今日は下山のはずだったが、藪漕ぎが長引いてしまい下山は無理。 頭の中は「こんなところに大切な仲間を連れてきてしまい申し訳ない、兎に角この藪から早く脱出して登山道のあるところに出たい」、ただそれだけだった。 

夕方、栂の頭の近くの草原に出たときは、涙が出そうなくらい嬉しかった。もう藪漕ぎしなくっていいんだ、今夜は巻機山の避難小屋に泊まれる、雨が降っても大丈夫、風が吹いても大丈夫。避難小屋は近くに水場もあり、私たち3人の貸し切りでとても快適だった。



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4日目

今日は清水部落に下るだけだ。下山時にニセ巻機の登りがある、これが案外キツイ。まだ紅葉にはちょっと早いし平日なのに、登ってくる登山者が多い。巻機山は日本百名山。やっぱり人気の山だ。 

バス停に着いてまだ時間があったので自販機でコーラを買おうとしたら、故障していて1本しか買えなかった近所の旅館に行ってみたら、女主人がコーラはないけどお茶ならあると奥から持ってきてくれ、1本100円にまけてくれた。バスの運転手さんも、人懐っこく話好きな人だった。バスが発車すると、道端の椅子に座ったおばあさんが手を振ってくれる。この部落の人たちはよい人ばかりだ。 

この白毛門~巻機山の計画を知ったみろくの先輩たちから、「大丈夫?薮すごいよ、気をつけてね」といろいろ助言をいただいた。私も40年ほど前に歩いたコースだが当時と比べると、藪が大きく広く成長していた。当時はまだ登山道がうっすらとあったが登山道らしき道は草原の一部に少し残っているだけだった。

今回は藪漕ぎがきつかったが、とても楽しい山行だった。これも体力と経験のあるSLTさんのおかげ。お二人がいなければ、巻機山までたどりつけなかったかもしれない。お二人に感謝だ。



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