第26回みろく公開登山スクール実施報告
26回目の今回は、2024年3月2日に座学を会事務所からオンラインにて、3月16日に実技を陣馬山で開催した。
○座学 3月2日(土) 会事務所からのオンライン(ZOOM) 参加者10名(うち現地参加者1名)
登山スクールは、比較的登山経験が少ない方を対象としているため、座学は登山における初歩的な知識の習得を目的とした内容になっている。前回の登山スクールで活用したYouTube動画の「山の歩き方・装備・トラブル」と「歩き方・ストックの使い方・ザックの担ぎ方」は、座学受講前に視聴してから参加するように依頼した。
まずオンラインの受講者の接続を確認したのち、13時に講習を開始した。初めに組織部長と担当責任者の開会挨拶、その後に受講者が一人ずつ自己紹介を行った。今回は比較的登山経験の少ない参加者が多い。しかし、これまでになく若い方が多く、今後長い時間をかけて山と向き合うことができるのではないかと思われた。座学の講習は次の内容で進められた。
①山の歩き方・トラブル対応
山での遭難の歴史や、事前の準備の大切さと実際の山に登って体験したこと、日常のトレーニングの必要性、そして仲間ができることのすばらしさなどについて語った。
②地図の読み方とコンパスの使い方・山歩きの準備・バーチャル登山
地図アプリだけでなく、紙の地図も併用することがなぜ必要なのかについて説明した。その上で重要なこととして読図の知識、コンパスが使えるようになることなど、登山において大切なことはなにかを話した。口頭の説明だけでは理解できないことが多いため、実際には実技で具体的な方法を学んでもらうことになる。
山歩きの準備については、登山靴・ザック・雨具はどのようなものが良いのか、普段使っているものを画面上に映して特徴や使用感などを説明した。
バーチャル登山は紙地図を作る手法で、自分がどんな山に登るのか知っておくために、登山前にぜひやってほしいと説いた。
③実技についての説明
天候不良時の連絡等、実技に向けての注意事項を説明した。
最後に組織部長から閉会の挨拶があり、15時10分、座学講習を終了した。
今回の反省点としては、オンラインによる座学講習は、開催者側が一方的に話していて、受講者の反応がつかみにくいということ。事務所での開催であれば、終了後に受講者と話をするなどコミュニケーションをとることが可能で、対面の良いところだと思う。ただ、遠方に住んでいるためオンラインによる受講を希望する参加者もいる。今後の開催方法については、検討が必要であると感じた。
○実技 3月16日(土) 陣馬山 参加者10名
行程:陣馬山登山口BS 10:10…一の尾尾根…12:30陣馬山13:40…明王峠…与瀬神社…16:30相模湖駅 歩行時間:4時間50分(標準コースタイムの約1.2倍)
実技は、初心者向けの山で1日の登山実践という内容である。当日は、天候に恵まれた絶好の登山日和の中、10名の参加者とみろく会員9名で実施した。
今回のコースは陣馬山登山口から頂上を経て、明王峠から相模湖駅へ下山するルートである。8時40分に藤野駅に集合し、登山口まではバスで移動する。好天ということもあり乗車待ちの人が多く、バスは臨時便が運行された。
登山口の広場で全員が自己紹介をし、ストレッチの後、ザックへの荷物の収納の仕方、ザックの背負い方、現在地の確認(整置あるいは正置)、コンパスの使い方等の説明後、2班に分かれていよいよ登山開始である。
今回、登山未経験の参加者もいたが、足並みもそろい順調に歩を進めた。ところどころで休憩と地図読みを挟みながら、陣馬山頂へ無事到着した。頂上直下の急な階段に、きついと言いつつも、あと少しで登頂ということもあり、皆さん楽しそうであった。
山頂の芝生で昼食をとり、山座同定の説明後、下山を開始した。少し距離が長いが、歩きやすいコースである。最後500mほどは傾斜がきつくなったが、慎重に歩き、全員無事に相模湖駅に到着した。
下山後、ストレッチを行い解散となった。電車の時間が迫っていたため、参加された皆さんからの感想を聞く時間がなく残念であったが、歩きながら話を聞いたところでは多くの方が楽しんでいただけたとのこと。安全に終了したことに会員メンバー全員が安堵するとともに、参加された皆さんは非常に充実した一日となったものと思われる。
○アンケート
参加された皆様に、座学及び実技の終了後、アンケートに回答いただいた。その中から何点か報告する。
①参加者の平均年齢
55.4歳。昨秋と比較すると約3歳若かった(グラフ1,2)。過去3回との比較でも同様。
②「地図の読み方・コンパスの使い方」「バーチャル登山」について
座学と実技の関連性を聞いたところ、関連性があった(グラフ3,4)と評価されたが、感想として「地図読みは難しい」と感じる反面、「地図読みが楽しくなってきた」「コンパスの使用方法について詳しくなりたい」「GPS頼みだったが、座学後はコースをプリントアウトして持ち歩くようになった」という回答があった。地図読みは繰り返し覚えていくことが大切であり、これからも入山時、休憩時、分岐点等で地図確認をしてほしいと思う(自分も含めて)。
③実技の歩行速度について
「山と高原地図」のコースタイムの1.2倍程度の時間だったが、「速い」「きつい」という声もなく、登りはじめはゆっくり歩き、約50分歩いて休憩をとるというペースに、何人かの方から今後の参考になったとの回答を得た。
今回初めての質問として、以下2点を質問した。
④「山岳会・山の会」に対して参加前に持っていたイメージ
「厳しい」「敷居が高い」「安全・家族が安心」という回答だった。
⑤参加後の「みろく山の会」に対するイメージ
「親しみやすい」「高齢者中心と思っていたが若い」「ホームページを見ると安全優先に楽しく学んでいる」という印象の回答を得た。
○最後に
冒頭に述べたように、本登山スクールは、主に「これから登山をしてみよう」「若い頃ころ登山をしていたが再開してみよう」という方を対象に開催している。今回の実技は、好天にも恵まれ、参加者皆さまのご協力をいただき非常に気持ちよく、そして安全に開催することができた。御礼申し上げたい。また、担当した会メンバーの労をねぎらいたい。
次回は、座学を2024年10月5日(土)、実技を10月12日(土)、実技予備日10月13日(日)の予定で、開催方法・場所等を検討している。詳細が決まり次第、本ホームページにてお知らせ・募集を予定している。