四国八十八か所徒歩巡礼 第3回
山行情報・担当者
ランク:B-B-7:30 参加:10名
山行担当:CL 3000 SL 2107 1876 2584
記録担当:記録・文責 757 写真 3367 2107 ビデオ 2107
コースタイム
山行記
3月25日 ~ 4月8日
「第3回体育会系お遍路合宿」15日間の始まりィー。
羽田に集合したメンバー。まるで兄弟、姉妹、いとこが集い6ヵ月ぶりの再会を喜び合い、法事にでも行くような乗りである。
1~2日目はビジネスホテル泊で、コンビニ弁当と狭い風呂の生活。朝食も自室で一人侘しく。
2日目
40番の観自在寺では、自身の干支の守り本尊に願いを込めて水をかけ、大願成就を祈る。桜が「私を見て!見て!」と主張し合い、白、ピンク、赤で山肌を彩る。散ってしまえばただの緑の木になるのに……。美しい日本に出合えた。
飲み物、お菓子、みかん、お金等々、呼び止められ、追いかけられてのお接待。行く先々の公民館では、お年寄りの心こもるおもてなしもあった。自転車に乗って元気よく挨拶する小学生もかわいい。私たちもパワーでお返しする。
43番明石寺から44番大寶寺までは67㎞と札所間の歩行距離が長い。
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5日目
朝は霧注意報が出るほど冷え込んだが9時過ぎからは一転、気温 22度に。別格霊場「十夜ヶ橋」でひと休み。お大師様が橋の下で一晩を過ごされ、行き悩む浮世の人のことを思って一晩が十日のように長く感じたと歌に 久万高原へんろ道 詠まれた霊跡だった。橋の上を通るとき「橋の上から杖で突くという失礼なことをしない」という遍路のしきたりはここに始まる。
毎日5万歩はきつく、ザックは重い。大洲市内子町では、重要文化財の「内子座」でひと休み。「飴」と「鞭」で行程を計画されたリーダーのご苦労が感じられるひと時である。大正年間の創建で現在は劇場として活用されている建物を見学。木造、入母屋造り。白壁には上り藤に「内」の紋。桝席、花道、回り舞台へと進み、歌舞伎役者になったような気分だ。
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8日目
49番浄土寺には四国遍路の始まりといわれる衛門三郎の伝説がある。強欲で人望が薄かったが、非を悔いて弘法大師の許しを乞うため四国を歩き回ったとされている。私はいま、四国という大きなすごろくを、遊び感覚で廻って楽しんでいるだけかもしれない。 観光客の多さに圧倒された道後温泉では午後からフリータイム。公園の花見に合流し、一週間ぶりの俗世界に浸る仲間もあった。やっと探し当てた中華料理店で、ボリュームいっぱいの焼豚玉子飯を食べ、コンビニ弁当から解放されて満足。足取りも軽い。
10日目
今回唯一の宿坊、58番仙遊寺。翌朝6時から宿泊客40人が参加して本堂でお勤め。住職の読経や鐘の音が響き渡るが、お経の意味が分らない。宿坊とは山に篭るための控室としてお宿を借りるのであって、電話で「今晩泊めて下さい」ではないと一発ぶちかまされる。一人では挫けかねないお遍路も、仲間で助け合い、他人のことを考え感謝して一歩を進めていけるのかも。四国に来て 12日ともなると、散る桜、葉桜、モミジの若葉もかわいらしく美しい。
12日目
朝もやの中、60番横峰寺へ3時間15分かけて登る。気温11度と寒い。
石鎚山の西の遥拝所になっており、遍路の難所といわれている。
今回最後の札所 65番三角寺の同行二人御詠歌には「ありがたや行くもかえるもとどまるもわれは大師と二人づれなり」とあった。
今回は高知県宿毛から愛媛入り。豊後水道を眺め、松山市を過ぎるあたりで瀬戸内の穏やかな海に出た。海、山、そして平地と変化に富んだ道場であった。川之江の椿堂から現代の乗り物を利用し帰宅。秋にはまた遍路合宿と結願が待っている。 記:757
四国八十八カ所徒歩巡礼 第3回 (俳句編)
3月 25日~4月8日 第3ステージ伊予 記:3171
26札所巡りは、どこもかしこも ”花の道 ””花の寺”でした。15日間の菩提の道場の思い出と風物を俳句風に切り取ってみました。
1日目
左に宿毛湾を眺めて松尾峠越え。「従是西伊豫國宇和島藩支配地」という国境の石柱が残っていた。「此処よりは伊予の道なり花遍路」
2日目
燃えるような新緑と満開の山桜の中、柏坂を越す。伊予柑の畑が多く、白いタンポポも初めて見た。「夕されば流るは雲か山桜」
3日目
昼食は総菜屋で仕入れ、河原に腰を下ろす。宇和島闘牛大会春場所のポスターが町角に。「橋の下弁当ひろぐ花の昼」
4日目
歯長峠,鳥坂峠を越え 10時間の歩きで57,414歩と今回の最長を記録。足の指 10本にテーピングをする。 「峠越えチリリン札所へ遍路杖」
5日目
弘法大師が寝たという別格霊場の十六ケ橋にお参り。途中、内子の町を散策する。
「花筏木のぬくもりや内子の座」
6日目
今日も三つの峠越え。仁淀川の源流の林業の町、久万高原へ。彼岸に降った雪で木が折れていた。「春の雪久万の美林を倒しけり
7日目
朝食前に防寒姿で岩屋寺へ往復する。岩壁に張りつく本堂は修業場だ。皆につられて急な梯子を登ってみる。宿は浄瑠璃寺の前。「花の宿提灯変じ長珍屋」
8日目
松山市に入り、五つの寺を打つ。道後温泉本館を過ぎ、昼過ぎに宿に着く。息抜きに松山城に行く。あちこちに俳句ポストがあった。 「花吹雪読経に和する大師堂」
9日目
今治市へ入り瀬戸内海の島が見えてきた。太山寺参道で柑橘類の接待を、和気公民館でうどんとおにぎりの接待を受ける。「通夜堂へ一人遍路の荷を負ふて」
10日目
いくつかの溜め池を過ぎ、仙遊寺の宿坊に泊まる。夜、タケノコ目当ての猪に犬の吠える声。「溜め池や桜こぼれし小道行く」
11日目
ミツバツツジ、シャクナゲ、モミジの花を見ながら下り、予讃線に沿った遍路道を歩く。 「青麦に 4月の風が過ぎゆけり」
12日目
初めて雨模様で肌寒い。霧の中、今回の最高地745mの横峰寺に登る。大谷2試合連続HRのニュースに元気をもらう 「木の芽雨心を洗ふ横峰寺」
13日目
吉祥寺境内の、目を閉じて金剛杖を穴に通すと願いが叶うという成就石に挑戦するも、なかなかうまくいかない。大鳥居をくぐり立派な石鎚神社にお参りする。「春の寺願かけ挑む成就石」
14日目
新居浜市から四国中央市に入る。寺はなくひたすら東へ歩く。道中に葉桜の下がピンクの神社があった。 「散りてなほ絨毯となるさくら花」
15日目
杉木立の中、最後の札所の三角寺へ登る。大師ゆかりの椿の大木がある椿堂で終着。「瀬戸の島霞みて伊予の旅終はる」最後に「つくづくと遍路は春の季語なりき」 以上