熊野古道-中辺路(ロングトレイル)
山行情報
日時:2020/11/04 ~ 2020/11/06 天候:晴・晴・曇時々晴ランク:B-B-8:00 参加:10名
山行担当:CL2812 SL2805、2797
記録担当:文責:3568 写真:2805
コースタイム
1日目
紀伊田辺駅 12:45…13:40 万呂王子 13:45…14:40 八上王子 14:45…15:30 稲葉根王子 15:35…16:50 鮎川王子 16:55…17:40 鮎川山荘(泊)
2日目
宿 07:00…08:20 清姫茶屋 08:25…09:00 滝尻王子 09:10…09:40 胎内くぐり 09:45…10:40 高原霧の里休憩所 10:45…11:20 大門王子 11:25…12:10 十丈王子(昼食)12:30…13:15 上多和茶屋跡 13:20…14:10 熊野古道中辺路(道の駅)14:30…15:00 近露王子 15:05…16:20 継桜王子 16:25…16:30 民宿つぎざくら(泊)
3日目
宿 06:00…07:00 小広王子 07:10…08:00 岩上峠 08:05…09:45 湯川王子(朝食)10:10…10:50 三越峠 10:55…12:10 発心門王子 12:15…12:40 水呑王子(昼食)13:00…13:35 伏拝王子 13:40…14:50 熊野本宮大社
山行記
はじめに
熊野三山への参詣道、熊野古道は日本唯一の信仰の道の世界遺産。一般的な交通路というより、ありがたい熊野の神仏に導いてくれる信仰の道であり、厳しい修行の道。皇族から庶民までみな、この長く険しい道を歩いた。
1日目
紀伊田辺駅を出発。今日の目的地の鮎川山荘までの5時間はほとんどがアスファルト舗道で足が痛くなったが、富田川の清流は心地良い。平安期はここで水を浴びて身を清めた。
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- 晴天のJR紀伊田辺駅をいよいよスタート
- 会津川沿いを北へ
- 街中の王子
- 街中の経路は地図と案内表示頼み
- 足取りは軽い
- 里山風景の中の道
- 明治時代、和歌山の偉才「熊方熊楠」の足跡
- 会津川沿いのお清め場
- かなり日が傾いてきた
- 本日の山荘に近い
2日目
滝尻王子から継桜王子まではほとんど林の中で、木漏れ日が気持ちいい。距離が長く途中に民家がない。滝尻王子には奥州藤原秀衡が寄進した大伽藍があったという。中世には宿泊設備を備えた大社で、上皇の熊野御幸の際には奉幣や経供養などの儀式、歌会も催された。登り初めてすぐ藤原秀衡の伝説をもつ胎内くぐりの巨岩に出会う。重なり合った岩の隙間を女性がくぐり抜ければ安産になるという。メンバーの誰も行かなかった。次の近露王子では13世紀藤原定家が随行した後鳥羽院が王子社参拝の後、歌会を行っている。今では所在不明だが、仮御所も設けられたらしい。今日のゴールの民宿では、グッドルッキングのニュージーランド出身青年の給仕で8種類もの秋の味覚に舌鼓を打つ。
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- 2日目のスタート
- 滝尻王子からはしばらく急な登り
- 胎内くぐり
- 不寝(ねず)王子
- 約1時間の登りから、ようやく解放
- 高原熊野神社
- 昔の農作業(籾の選別)を再現
- 小屋の中では精米か
- 標高600mの茶屋跡
- おおさかもと王子
- 5時間の山中から解放、貴重な売店でGO-TOチケット使用
- 近露王子お過ぎ比曾原皇子へ
- 継桜王子着、宿はこの真下
- 宿の前で明日のためにストレッチ
- 宿の主人の自慢、かなりの懐石料理
3日目
最終日、歩き出してほどなく安倍晴明の腰掛け石が現れる。花山法皇の熊野参詣の際、法皇が病にかかったのを京から晴明が来て治したが、その途中この石に腰掛けていると山が崩れかけた。それを晴明が験力で止めたとの伝説をもつ石だ。私も座ってみたが、まだ超自然的力を得ていない。伏拝集落からは果無山脈の雄大な景観が望める。音無茶の茶畑の白い小さな花が愛らしい。途中の展望台からは幾重にも重なる大塔山山系の山並みをはじめ大斉原の大鳥居が見えた。熊野本宮大社へ下る古道は特に遠い記憶を目前に感じた。手輿に乗った上皇、女院、貴族らもこの道を揺られながら下ったことだろう。アサマリンドウの群生も印象深い。言うまでもなく静謐感漂う境内は別世界だった。
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- 照明があるが、早朝出発前
- 出発後の朝焼け
- 迂回路へ入る
- 紅葉の見どころ
- これが蛇型石
- 規模の大きい集落跡が残る。林業従事者が多かった雰囲気。
- 手入れの行き届いた杉林の中を迂回路最高点700mへ向かって登る
- 三越(みこし)峠着
- リンドウがそこかしこに
- 迂回路が終わった
- 見事な里山風景
- 左前方、遠くに見える稜線は小辺路の果無峠
- 旧社地の大斎原(おおゆのはら)の鳥居が眼下に見える
- 最後の祓殿(はらいど)王子、ゴールは目前
- 午後3時ちょうど、本殿入口
- 無事踏破に感謝
- 八咫烏伝説とサッカーボールの関係は調べて下さいね。
CL追記
山行のサブタイトルを“雅な山行を楽しもう!”として、優雅な気分で歩くつもりであったが、なかなかどうして予想以上に厳しかった。決して足が長いとは言えない古の人達は大したものだ。ランクをB-B-8:00としたが、2日目はかなりボリュームがあり、B-C-8:00が妥当なところだろう。滝尻王子の標識NO1から熊野本宮大社のNO75まで1つ1つ数えながら、無事到着した時みんなで万歳!道中所々で見かけた茶の白い花が楚々とうつむき加減に咲いている様が、心を和ませてくれた。初日の泊所のアクシデントを除き、参加メンバーの協力により無事目的地に着いたことに感謝。大社でみんなで御礼、八咫烏(やたがらす)様にも、ありがとうございました。