第25回みろく公開登山スクール実施報告

2023年10月29日および11月12日に、第25回みろく公開登山スクールを実施。10月29日は、会の事務所からのZOOM座学講習、そして11月12日は陣馬山での実技。

座学には16名が参加、山の歩き方から地図の読み方まで、経験者にも学んでいただける内容を心掛け、高評価を得ることができた。実技には14名が参加し、コンパスの使い方を確認してから、参加した会員とともに陣馬山の登山を楽しんだ。

今後も、みろく公開登山スクールをより生涯登山に役立てていただけるように、内容を検討していきたいと思っている。

○机上学習(座学) 2023年10月29日(日) 会事務所からのZOOM講習

今回のスクールの準備で意識したのは、最近の傾向として、申込者は登山未経験者よりも経験者のほうが多いこと。そのため座学は、基本的な内容は事前に動画を見てもらい、当日は「山行計画書の作成・提出」や「読図」など、より実践的な内容に時間を割くことにした。内容を絞ったのは、座学も以前は対面で行なってきたが、コロナ禍以降はZOOMに切り替えていることも考慮した。

そこで新たに、これまでは座学で説明していた「山の歩き方」などを紹介する動画を制作。会員が協力して台本をつくり、実際に山で撮影し、参加者へ座学前に配信。1年前に制作した「道具の選び方、想定されるトラブル」などに関する動画と合わせて事前に視聴してもらうこととした。

今回は16人の応募があり、予想通り経験者が大半だった。迎えた本番、10月29日の座学は、担当会員が会事務所から配信し、参加者は基本オンライン受講とした(ただし、対面を希望した1人は会事務所で参加)。冒頭、皆さんに自己紹介してもらったところ、最近登った山や、今後登りたい山の話をする人もいて、和やかな雰囲気になった。

続いて、各項目をスライドで説明。参加者たちは時折うなずいたり、「なるほど!」という表情になったりして、画面越しでも熱心に聞いてくれていることが伝わる。質疑も活発で、「山で道迷いや遭難した場合、どのような対応をとればいいのか」「コンパスを買おうと思っているが、オススメは?」などの質問が出た。実技の際の服装や持ち物について尋ねる人もいた。

今回は、事前に動画を見てもらうことで、座学をより密度の濃いものにすることができ、経験者・未経験者ともに満足してもらえたのではないかと思う。実際、参加者アンケートには「今回、動画を含めて基本が勉強できてよかった」「地図読みは難しそうですが、反面できるようになると楽しそう」などという声が寄せられた。

○実技学習(実技) 2023年11月12日(日) 陣馬山

登山スクール実技は、実施数日前から天気を心配していたが当日は曇り、気温が少し低いものの、無事に実施の運びとなった。2名の方が体調不良により不参加となったが、座学に続き、14名の方々が参加していただけることとなり、担当会員10名と合わせ総勢24名、3班編成で陣馬山を目指す。

藤野駅で問題なく全員集合し、バスで陣馬山登山口まで移動、バス停付近の広場で全員の自己紹介をした。参加者の皆さんが今日を楽しみにしていただいていた気持ちが伝わり、開催者の一員として気の引き締まる思いがした。

準備体操の後、まずはコンパスの使い方である整置(正置ともいう)と進行方向のセットの説明を実施、皆さん熱心に取り組んでいた。その後、靴紐の確認をし、いよいよ登山開始である。

陣馬山山頂までは急登や危険個所は無いものの、参加者皆さんの体力・脚力は未知のため、まずはゆっくり確実に歩を進める。少し寒いくらいの気温で、歩くのには丁度良く、和気あいあいと順調に山頂へ到着した。

山頂は残念ながら雲により眺望がなかったが、初めて陣馬山に登った方も多く、白馬のモニュメントをバックに楽しそうに記念撮影をされていた。昼食後は再度コンパスの使い方を担当会員による寸劇込みで紹介した後、かなり冷えてきていることもあり早々に下山を開始した。

下山道は下り一辺倒で木の根が多く出ており、慎重に、慎重に。全員怪我無く無事に陣馬高原下バス停へ到着。ストレッチの後、参加者の皆さんから感想をいただき解散となった。

○アンケート報告

参加された皆様に、座学及び実技の終了後、アンケートにご回答頂きました。その中から何点か報告します。

・座学講義内容評価

アンケート結果2023秋

2023秋(今回)

山の歩き方の評価が過去2回と比較して大幅に向上している。動画作成の効果と思われる。

・読図について

「コンパス及び紙地図の使い方」については、一度で理解するのは難しいが必要性は理解されたようだ。「自分のいる地点を地図上で把握することが一番大切と思う」という声がアンケート回答にあった点は素晴らしいと思った。

・実技の歩きについて

歩行時間は「山と高原地図」のコースタイムの1.2倍程度の少しゆっくりの時間をかけたが、登山経験なし及び初心者には、下りの歩行速度が速いというコメントがあった。今後、対応を考える必要がある。

○最後に

登山スクールは山を始めたい方から、すでにある程度の経験を積んでいる方が参加されます。また、時代の変化に対応すべく、会の担当者が計画、企画、準備、実施をすべて行なっています。それぞれの担当役割において、知識を深め、参加者の安全を確保すべく下見に出かけて当日を迎えました。初心を忘れることなく、これからも仲間を作って山を歩きたい、この登山スクールをさらに改善していこうと考えております。年2回の開催でありますが、皆様の生涯登山にお役に立てていただければ幸いです。