黒部五郎岳~双六岳~新穂高温泉(LT)

まさに「花見平」

山行情報

日時:2021/07/31 ~ 2021/08/03 天候:1日目曇り 2~4日目快晴(2日目:夕立に遭遇)
ランク:C-C-7.5 参加:12名
山行担当:CL3205
記録担当:文責:1日目3697 2日目3641 3日目3561 4日目3523 写真:3205

コースタイム

【1日目】
折立登山口11:05…12:44 1,870m地点(三角ベンチ)13:05…14:32五光岩ベンチ14:51…15:38太郎平小屋

【2日目】
太郎平小屋6:11…8:33北ノ俣岳8:44…9:20赤木岳9:26…10:20中俣乗越10:20…12:28黒部五郎岳(肩で昼→デポ)12:53…15:38黒部五郎小屋

【3日目】
黒部五郎小屋5:20…7:44 2,670m地点 7:55…8:35三俣山荘8:50…9:25黒部源流碑9:35…10:15三俣山荘(昼)10:50…12:00三俣蓮華岳12:15…13:10中道分岐13:10…13:41双六岳13:55…14:50双六小屋

【4日目】
双六小屋6:30…8:33鏡平山荘8:50…10:16 秩父沢出合10:22…11:19 わさび平小屋11:40…12:25新穂高温泉

山行記

1日目(7月31日)

朝6時過ぎに東京駅から新幹線で移動、富山駅で前泊の1人の合流を得て総勢12名、2台のタクシーで登山口に向かう。お茶目なドライバーとの会話を楽しみながら登山口の折立に到着し山行開始。

最初から急坂が続く。CLによると、この山行中最もきつい急登の一つだそうだ。雲が厚く日差しはないが、眺望もなく、風もなく、とても暑い。順繰りに先頭を交代しながら、汗だくでひたすら登り続け、視界が開けたところで宿泊先の太郎平小屋に到着。小屋の前庭は広く、また薬師岳への登山口でもあり、整備された木道が続いている。

程なくすると、少し切れた雲間からどっしりとした気品のある山容の薬師岳が姿を見せる。西には薄い雲に覆われた中に幻想的な夕日、まるで提灯が空に浮かんでいるよう。見たことがない景色、自然が織り成す不思議に感動。派手ではないが心が洗われる空間にゆっくり浸ることができた瞬間、決して忘れることはないだろう。



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2日目(8月1日)

朝の出発前、小屋に物資を運ぶヘリコプターの荷下ろしに遭遇した。中々の迫力である。

太郎平小屋の後ろをちょっと登ると、整備された気持ちの良い道が続く。雪があらかた消えて雪田が残る今頃は花たちの季節だ。花好きの面々から歓声が上がる。「写真撮ります!」の声に歩みが止まる。ここで時間を取らずして、いつ取るのですか! 花に疎い私も可憐さに見とれ、お花畑の壮麗さに感嘆する。

いくつかのピークを越えて、小屋からは遥か先に見えていた黒部五郎岳が眼前に迫る。肩までの急登は2日目一番のアルバイトだ。空身で山頂を往復し、我が山歴(というほどでもないけれど)に百名山を一座プラス! カールの底ではCLのコーヒーのサービス。贅沢な時間だ。小舎に着いて仲間と飲むビール(等々)も、また格別だ。

2日目は遥か黒部五郎岳を目指す道であったが、薬師岳をグルリと遠望する道でもあった。どちらを向いても広がる山また山、黒部源流の深さを実感する道であった。



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3日目(8月2日)

3日目の朝は、青空の中いきなりの登りで始まった。まだ目覚めていない身体にはキツイが、チングルマ、ミヤマダイコンソウ、コバイケイソウなどの花々に癒されながら、写真を撮る。途中雪渓歩きも楽しみながら三俣山荘に着いた。

山荘でザックをデポして、今日の目的の一つ、黒部源流を見に行く。CLから一言、「黒部源流を見に行くのではなく、源流の碑を見に行くんだよ」頭の中は??だったが、ともかくダケカンバの林を下る。オタカラコウ、クルマユリなど先程とはまた違った花を楽しみながら、源流の碑に到着。大河の一滴を想像していたが、そこにあったのは「碑」で水は出ていなかった。「水ないんか~い」と突っ込みたいところだが、すぐ裏には、清流が流れ、皆タオルを濡らしたり、顔を洗ったり、冷たい水を十分楽しんだ。これがやがて日本屈指の急流黒部川となっていくのかと思うと感慨深い。

山荘に戻り、三俣蓮華岳を目指して登る。三俣蓮華岳はその名の通り、富山・岐阜・長野にまたがる山である。最高の天気で、目の前に鷲羽岳、雲の平の奥には薬師がそびえる。遠くには槍ヶ岳、そのダイナミックな景色に息を呑んだ。ひとしきりカメラタイムを過ごし、今日の最終目的地、双六岳に向かう。その稜線がまた素晴らしい。目の前に北アルプスの大展望。天空の散歩道と言っても過言ではないだろう。長く歩いた一日だったが、皆の笑顔に満足感が滲み出ていた。



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4日目(8月3日)

朝4時、双六小屋の外に出るとまだ暗い空に三日月がくっきり。黒い山並みの底から湧き上がってくる真っ白な雲海。夜明けとともに周囲はオレンジ色とグレーに染まっていく。とても美しい光景だった。

小屋を出発し、右に北アルプス奥庭のなだらかな山々を眺めながら弓折岳方面に進む。山行4日目ともなると少しの登りもかなりきつい。朝露を浴びて嬉しそうな花たちに癒されながら頑張って歩いた。弓折分岐を過ぎると、今度は左に荒々しい槍・穂高連峰が続く。槍ヶ岳を見るとなぜかいつもテンションが上がる。

鏡平山荘ではかき氷。定番の宇治金時、練乳イチゴは普通に美味しかった。レモン&ソフトクリームは酸味と甘さのバランスが絶妙。ぜひ試してみてください! 鏡平池で逆さ槍を見て、ここからは樹林帯。高度が下がるにつれ気温が上がり、暑さでぐったりしてきた頃、秩父沢出合で一休み。川の水は冷たく、飲んでみるとこれが実に美味。お腹も壊さなかった。

わさび平小屋から3日ぶりのお風呂を目指して、がんがん歩き新穂高温泉に到着。お天気に恵まれて、満開の花畑を楽しみ、北アルプスの絶景に囲まれて最高に幸せな山行だった。



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【リーダーのコメント】

昨年9月下旬に実施した同山行。「お花が見れれば—-」と言う昨年の参加者の思いを受けて、今年は梅雨明け直後に計画。山一杯のお花畑(狙い通り)と残雪(おまけ)と奥深い北アルプスのコントラスト(天気のおかげ)は正に「絶景」の一言。来年もこの時期に計画しようと決心させてくれた山行でした。



【黒部五郎岳山行で出会ったお花たち】

・・・太郎平小屋の後ろをちょっと登ると、整備された気持ちの良い道が続く。雪があらかた消えて雪田が残る今頃は花たちの季節だ。花好きの面々から歓声が上がる。「写真撮ります!」



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