鳳凰三山(テント泊)

鳳凰三山を巡り、青空・微風・眺望最高。満足です。

山行情報

日時:2022/10/01 ~ 2022/10/02 天候:快晴
ランク:C-C-7:00 参加:7名
山行担当:CL3562 SL3405
記録担当:文責:3856、3849 写真:全員

コースタイム

10/1(土)
夜叉神登山口9:50…10:54夜叉神峠11:00…12:03ベンチ12:10…12:36杖立峠越え12:40…14:11苺平14:15…14:51南御室小屋 (歩行4時間40分・休憩21分)
10/2(日)
南御室小屋5:00…6:11砂払丘…6:30薬師小屋6:40…7:20観音岳7:30…9:48鳳凰小屋10:10…11:40燕頭山11:50…15:00御座石温泉 (歩行9時間8分・休憩52分)

山行記

1日目

みろくには今年4月に入会しました。みろくでは新人ですが山歩きは20数年しています。そうすると行きたい山は中級以上、でも連れていくリーダーからすると新人で顔も知らない人、そういった訳で今年の夏は申し込んだ山行にはことごとく断られ続けました。みろくあるあるです。

さて今回の鳳凰三山テント泊はどうだろう?と思っていたところ、包容力のあるCL、SLのおかげで参加できることになりました。しかも天気も良さそうです。 凄く楽しみに山行に望みました。CLからもらったメールの指示に従い極力軽量化に努め、今回は10キロにしました。

実は4年程前、そろそろ還暦近い小柄なおばさんが大きなザックを背負いテント泊というのもみっともないなぁと思い、テント泊を卒業して小屋泊まりにしてもっと楽に山歩きをしようかなと考え始めたころ、コロナ禍で山小屋の宿泊料金がつりあがりました。ならばやはり軽量化を図り、70歳までテント泊を目標にしようと今年装備を一新したところでした。なので、テンションが上がらないはずがありません。 

韮崎駅8時45分集合。皆さんはあずさで来るという事ですが、中央線沿線在住の私は少し早く着く各停に乗り駅で待つことに。この日は快晴の土曜日という事で駅前には何組もの登山パーティが待ち合わせをしていました。さてみろくの方達はどの人だろうか。顔が分かるのはGPS講座でご指導いただいたCLだけでした。やはり名前と顔がわかるというのは大事だなあと思いました。

自己紹介も早々に手配のタクシーに乗り込み夜叉神峠登山口へ。登山口の駐車場もそこそこ車で埋まっていましたがまだ少し空きがありました。トイレを済ませ早々に身支度を整え登り始めます。 先頭はSL、その後ろは女性で歩く順番もCLの指示がとびます。経験などでCLが考えてくれていたようです。このコースは17年ぶりかなぁ。南御室小屋までよく整備され段差も少なく歩きやすい登山道だった記憶があります。

ゆっくりゆっくり確実に、一歩一歩正確に一定のリズムを刻みSLの歩みが皆を引っ張っていきます。コロナ前に北アルプスでよくすれ違った登山ツアーのプロガイドのような歩みです。ゆっくりですがこの歩みはなかなかできそうでできないんですよねえ。歩き出してだいたい1時間でコースタイム通り夜叉神峠小屋に到着しました。北岳から農鳥岳の白根三山の稜線が目の前に広がります。天気がよく絶景です。みんなで記念写真をとり、小休憩の後出発しました。

決して遅くないコースタイム通りのよいペースで進みます。後方の男性陣はずっとおしゃべりしています。私の前を歩く女性陣の足取りも確実で怪しげなところはないようにみえます。やはりみろくの人達は鍛えていて凄いなあと思いました。 南御室小屋のテント場は予約はいらないし広いと聞いてはいますが、何組ものテントを背負っているであろうパーティに道を譲りました。

もう少しテンポアップしてもらえると楽なのだけどなあと何度も頭に浮かび、楽しいはずの山歩きがだんだんため息に変わってきます。なんだか体がつらい。本当に体力のある人はこのスピードを保てるのでしょうけれど、自分の楽なペースでしか歩いてこなかった私にはまだまだだなあと前の人の足元だけを見て歩いていました。

そのうち休憩しようと立ち止まった時、思わず「もう少しテンポをあげてほしい、、、」と心の声が口から出ていました。パーティ登山だから当然許されるはずもなく、CLから「参加者全員のペースを見ながら歩いているから」と注意されました。

テント場である南御室小屋には予定より30分程早く着きました。小屋脇に流れる南アルプスの天然水が飲み放題の山小屋です。テント場は3分の2ほど埋まっていましたが7名のソロテントを無事張り終えることができました。小屋前のテーブル席を陣取り、今日の健闘を皆で乾杯し、楽しい宴が始まりました。

歩いている時は樹林から吹く風が涼しく気持ちよかったのですが、流石に10月です、午後3時を過ぎるとどんどん気温が下がってきました。天気がよかっただけに明日の朝は冷え込みそうです。明朝5時出発予定ですし、今夜はどれだけ冷え込むのでしょう。

明日の行動時間は10時間を予定しています。それを考えるとみんな早々に各自のテントに戻りました。私はこのひとりの時間と空間が何故か大好きです。 だからまだまだテントがやめられないなぁ。 (記:3856)



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2日目

今回の山行は晴天で穏やかな秋空の中、素晴らしい景色を眺めながらの最高の山行でした。それよりももっと最高だったのは、素晴らしいリーダー、メンバーとご一緒できたことです。

今回の私の反省点のひとつは、自分の体力・技量を顧みず、初めてのテント泊山行だということもありあれやこれやと詰め込み、ザックが17kgオーバーだったことです。

1日目は荷物の重さなど苦にならず、意気揚々と南御室小屋に辿り着きました。

2日目の朝5時に南御室小屋を出て、素晴らしい景色を眺めながら、昨日に続き快く歩いていました。富士山の雄大な姿も見れました。しかしながら、鳳凰小屋を出て長い下りに入った辺りから太ももの裏側に違和感が出てきました。なんとか誤魔化しながら下山するがこれ以上無理に頑張っても結果としてメンバーに迷惑を掛けると判断して、思い切ってCLに相談しました。すぐにCLからは水を全て捨てるように言われましたが、昨夜の残りの赤ワインは死守しました(笑)。

そして私の荷物を分散して持っていただきました。おかげでザックが軽くなり、しばらくはなんとか下山することができました。しかしその後だんだん足に力が入らずますます踏ん張れなくなってきたので、さらにメンバーに荷物を分散していただきました。そしてSLにアドバイスをいただきながら後に続きました。最後にはベテランメンバーに残っていた全ての装備を担いでもらい、私はストックだけを持ち、息を切らせながら足の痛みを堪えて注意深く下山しました。 

他のメンバーからも励ましの声を掛けていただいたり、アミノバイタルなどをいただいたり、皆さんがそれぞれのカタチで手を差し伸べてくれました。私にできることは転倒したりして大怪我しないで無事に下山する事だとの思いで、一歩一歩確実に下山することだけを心掛けました。朝5時に南御室小屋を出発し、メンバーの手を借りながら午後3時にタクシー待ち合わせ場所の御座石温泉に無事に到着しました。 

タクシーの中で、ザックを担いでくださったベテランメンバーにあらためてお礼を言うと、『脚を鍛えて、何かあったら次はTさんが荷物を持ってやってください』と暖かく声を掛けてくれました。そしてお別れの際に挨拶すると、笑顔で固く握手してくれました。登山家として、人として、敬意を払います。

ポジティブ思考の私ですが、山だけは、ネガティブ思考で慎重に取り組まないと周りの方に迷惑を掛ける、と大きく反省しています。これからは自分の体力、脚力を見極め、身の丈に合った山行で登山を楽しみたいと思います。今回の山行は私の経験の中でも特別なモノで、これからもずっと大切に記憶に留めておく山行となりました。 (記:3849)

【CL追記】 

週末になると天気が崩れるパターンが続き、この週末の晴れ予報に大勢の登山客が入山。 南御室小屋にも団体さんがご宿泊。テント場も賑やかに。 天候に恵まれ、早朝にヘッドランプを灯し出発。オレンジに染まる朝焼けの中を歩き、北岳・甲斐駒ヶ岳を間近に眺めつつ白い花崗岩の砂を踏みしめながら山行できて楽しい2日間でした。 鳳凰小屋も70人満員御礼。コロナ終息後も当面は完全予約制(テント場を含む)で営業するのではないかとのお話でした。 



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