白馬岳→祖母谷 を歩いて

白馬岳分岐から旭岳とトラバース道を眺める 雪田は残ってない

白馬岳分岐から旭岳とトラバース道を眺める 雪田は残ってない

山行情報・担当者

日時:2016年8月25日(木)~27日(土) 晴・晴/曇・小雨  参加者:3名
山行担当:CL:MS2363、SL:KK2898
記録担当:文責・写真:KT2107(システム部)

コースタイム

【1日目】8/25 東京駅6:28-はくたか551号-8:06長野駅8:20−9:30白馬駅9:35−10:02猿倉…15:40村営白馬岳頂上小屋(泊) 歩行時間 5:30

【2日目】8/26 小屋5:00…清水岳7:30…9:30不帰岳避難小屋10:00…15:10祖母谷温泉 (泊) 歩行時間 10:00

【3日目】8/27 祖母谷温泉8:00…8:45欅平9:16-10:37宇奈月…11:00宇奈月温泉11:16−11:40新黒部…黒部宇奈月温泉12:32-はくたか562号-14:52東京駅  歩行時間 1:00

山行記とビデオ

昨年濃いガスと雨に阻まれ、地図、コンパスの確認を怠ったが為に雪渓上のルートをロスし撤退となった山行を、共にこのルートに拘っていた女性3人で目指す事にした。

今年は何処と同様白馬大雪渓も極端に雪が少なかった。例年アイゼンをつける白馬尻辺りにはまったく雪が無く右岸を高巻いて行く。何時もは雪渓の下になっている所なのでザレて歩きにくい。その上氷のブリッジの上を歩く時は下の空洞が見えるだけに怖い。

そんな状態が続きやっと雪渓に出てホッとしたのも束の間、あちこちにクレバスが大きな口を開けている。左右両側にクレバスが口を開けその両縄張りの間を歩く時はいち早くその場を抜けたいと思った。
先日まではそちらのコースをたどったと思われるベンガラ跡が縄張りの外にある。日々変わる雪渓の状態に合わせ縄張り、ベンガラで登山者の安全を確保してくださる方々に頭が下がる。

その雪渓も15分程で左岸に取り付き岩稜歩きとなる。足元を見れば上部末端がキャニオンのごとく深く雪渓が割れ、シュルンドが大きな口を開けている。

幾度かこの雪渓の登降をしているがこんな状態は初めてだ。地球温暖化と言われるこれからは珍しくなくなるのかもしれない。夏道は緊張、体力の消耗、共に増す。パトロール嬢の話では今年はバテる人が多いとか。

この数日後の9月1日から、白馬村と大町警察署が白馬大雪渓を一時通行止めにしたとのこと。

東京~猿倉~白馬大雪渓~白馬岳村営小屋のビデオ

(右下のアイコンをクリックすると全画面表示やYouTubeでの視聴ができます。)

二日目の旭岳下の残雪も少い。昨年の状況が脳裏を過ぎる…。不帰(かえらず)岳避難小屋迄は順調。前後しながら4人パーティが同ルートを辿っていたのでお互いに安心感があった。

北アルプスの山並みと清水尾根

北アルプスの山並みと清水尾根

不帰岳避難小屋で大休止、後続が到着。10時「あと4時間頑張りましょう」とエールを送ると「この先はコースタイムでは難しいそうですよ」とアドバイスを戴いた。昭文社通りなら2時には祖母谷へ着く筈。2時を目安に歩き始めた。

1/15000縮尺の地形図でも分からない小さな沢が多く、雪解けと共に足元が崩れている。ガラ沢、鎖場、ロープ、2時に名剣沢出合はまだ遠かった。朝、小屋を出る際パトロール嬢に3時には雨雲が来ると言われていたのだが、3時には小屋に着いているとタカを括っていた。果たして!雨は2時に降り始めた。最後の尾根末端は急降。濡れて足元が不安定。

林道終点登山口2:55。祖母(ばば)谷温泉3:10着。

白馬岳~清水岳~祖母谷温泉のビデオ。)

休憩込み、トラブルも無く雨には降られたが避難小屋から5時間10分。5時に白馬を出て10時間だが、祖母谷のご主人によれば遅くはないコースタイムだそうです。後続パーティは其れから1時間30分後に到着した。

此のコース、8年前に会山行で実施されたのを知り調べた結果、2日目の行動が全く同じ状況で撤退していた。今回は雪の少ない雪渓歩き、地図・地形図でも読みきれない行程の厳しさを感じた山行でした。

三日目 黒部峡谷鉄道トロッコ列車のビデオ