五色ヶ原~薬師岳

金作谷カールと薬師岳

山行情報

日時:2023/07/28 ~ 2023/07/31 天候:晴れ
ランク:C-C-7:00 参加:9名
山行担当:CL3023 SL3169
記録担当:文責:3657(1,2日目), 3821(3,4日目) 写真:3023, 3284, 3452

コースタイム

1日目
室堂8:45…9:35一ノ越山荘…10:20龍王岳分岐…11:35鬼岳直下…12:25獅子岳…13:35ザラ峠…14:30五色ヶ原山荘(泊) 歩:5時間45分
2日目
五色ヶ原山荘5:55…6:35鳶山…7:35越中沢乗越…8:45越中沢岳…10:55スゴノ頭…12:00スゴ乗越…13:10スゴ乗越小屋(泊) 歩:7時間15分
3日目
スゴ乗越小屋5:45…7:00間山…8:56北薬師岳…10:15薬師岳…11:25薬師岳山荘…13:00薬師峠…13:30太郎平小屋(泊) 歩:7時間45分
4日目
太郎平小屋6:10…7:05五光岩ベンチ…8:03三角点ベンチ…9:30折立 歩:2時間20分

コースマップ

記録日:2023/07/28~2023/07/31
合計距離: 30297 m
最高点の標高: 2929 m
最低点の標高: 1366 m

山行記

1日目

山経験の少ない私にとっては、経験豊富なメンバーとご一緒でき、和気あいあいと楽しい4日間を過ごすことができた。天候にも恵まれたうえ、CLの素晴らしい行程時間管理のおかげで結果的に山行中に雨具の出番がなかったのもありがたかった。

初日、前泊組は立山駅、美女平駅でのケーブル・バス乗換えを絶妙の連携プレーでこなして予定より早く、夜行バス組も予定通り室堂平に到着。晴天のもと立山連峰のパノラマを堪能した後、8:45出発となる。小中学生の軍団、親子連れ、若者グループなど、雑多な人々が歩いていて、〇〇銀座の様相を呈していた。まだ身体が慣れていないこともあり、きついながらも素晴らしい景色に感激しながら一ノ越山荘まで登る。雄山への急坂を登る人々を尻目に龍王岳方面に進む。ガレ場・岩場の100~200mのアップダウンを繰り返し、途中で残雪をトラバースしてさらに進むと、針の木岳がスックとそびえ、麓にはエメラルドグリーンの黒部湖が広がる美しい眺望に目を奪われる。

さらに登って獅子岳に到着。本日のゴール五色ヶ原が見えてきた。ここからザラ峠までは急なガレ場、鎖場、ハシゴ等を下る。ザラ峠を過ぎて少し登ると木道が出てきて、高山植物を眺めながら五色ヶ原山荘に到着。嬉しいことにお風呂に入れて、しかもその間に大雨が降り始め、びしょ濡れの登山客が駆けこんできた。ラッキーなことに我々はギリギリセーフの到着だったのだ。入浴後ビールを飲みながら反省会、夕食後は早々に就寝。皆さん初日のアップダウンにお疲れのようだった。



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2日目

木道越しの劔岳・立山、反対側には赤牛岳をはさんで槍ヶ岳・笠ヶ岳等が朝焼けに映える中で、すがすがしい早朝の空気を吸った後、食堂から日の出を眺めながらの朝食となる。ごはんが美味しい!今日も午後の雷雨が懸念されるため、6:00前のスタートとなる。鳶山に向けて高度を上げていく。昨夜足が吊りそうになったため不安もあったが、ゆっくり歩いていただいたので徐々に眼下に広がる五色ヶ原の池塘、残雪の風景を楽しむ余裕が出てきた。

鳶山を越えてハイマツ帯を過ぎると越中乗越。岩場を登りきると越中沢岳山頂に到着。本山行のメイン・薬師岳の厚みがあり重量感のある山容をバックに集合写真。山頂の道標の「近くて遠いはスゴの小屋、アップダウンが続くよ!」の言葉どおり、ここから本日のゴールのスゴ乗越小屋までは、岩場中心で厳しい道のりだったが、「らんまん」の植物観察のごとく、珍しい花を見つけては「なんじゃ~?」と名前を教わりながら進んだ。

小屋が見えてからもなかなか到着できず、暑さの中最後の100mを登ってヘトヘトになりながら13:00過ぎに到着。受付まで時間があり、外のベンチで反省会第一弾開始。缶ビール1本目を飲み干して、2本目に行く前に杭打ちハンマーで缶つぶしをするも、あさっての方向に飛ばすばかりで笑い転げていたら雷雨となり、本日もセーフ!! 引き続きの屋内での反省会途中に雨はあがり、外には美しい虹が…。皆飛び出して行って写真撮影。夕食後まだ明るかったので、反省会第二弾で山登り談義に花が咲いた。



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3日目

気温18度のすがすがしさの中のスタートであったが、樹林を過ぎ急登にかかると背中から朝日が照りつけ、しばらくは眼前にそびえる間山に向け黙々と我慢の登り。ハクサンイチゲ、イワカガミ、アオノツガザクラのお花畑にかかると、なんとライチョウの親子が。しかも5羽も。癒されてさらに高度を上げると、2,832mの名もなきピーク。CLが今回のコースからの「薬師岳がかっこいい」というだけあって太郎平方面からの横広がりの薬師とは違い、雪渓の残るカールを抱いた山容は見飽きることがない。

北薬師岳までは岩場の連続。目の前に見えてはいるがなかなか着かない。北薬師岳に着いた時には、心底ほっとし達成感でいっぱいだった。さらに展望の良い稜線を、天然記念物の金作谷カールを左眼下に見ながら、10:15に薬師岳に登頂。驚いたことに、そこでみろくの三人娘に遭遇。さらにはオコジョが飛び跳ねていたり、富山TVがドローンを飛ばしていたり、同行程で相前後した人たちも続々と登頂してきたりで、興奮の30分ほどを過ごした。

今月新築なったばかりの薬師如来が祭られた祠にお礼をし、鐘をついて下山にかかると、あっという間に富山側から雲が沸き上がってきた。今回の山行が終りに近いことを思いちょっと感傷的になった。標高差600mを下って無事太郎平小屋に13:30着。 



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4日目

朝食後、元気印5人は太郎山でご来光を楽しんだよう。その後、ゆっくりと下山にかかる。キンコウカとイワショウブが咲き誇る登山道脇には植生保護の真新しいネットがかかる個所が増え、10人ほどの電動草刈機を手にした整備の人が働いていたので感謝しながら下った。入会後の縦走登山は初めてで、何かと心配だったけど、同行の皆さんに助けられて思い出に残る良い登山になりました。感謝です。 

【CL追記】

久しぶりに太平洋高気圧が強く北陸地方一帯にも張り出し、毎日晴天に恵まれた良い山行であった。ただし、猛暑の影響で山の上も熱く、アップダウンが続く稜線上ではいささか体力も消耗ぎみで、水分補給と休憩を多めにとるように心掛けた。一番心配していた雷雨にも、途中13:00を過ぎる頃にゴロゴロと遠くで聞こえてきたが、小屋に到着した直後に雨が降り出し、幸いのことに今山行では雨具の出番がなかった。やはり早出早着である。ただしお酒の量は増えるが。



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