奥穂高岳・北穂高岳(テント泊)【週末縦走】

北穂山頂。切れ落ちた大キレット越しの槍をバックにパシャリ。皆いい顔

山行情報

日時:2024/08/02 ~ 2024/08/04 天候:快晴
ランク:C-C-9:00 参加:10名
山行担当:CL3840 SL3433, 3847
記録担当:文責:3840 写真:3847, 3853

コースタイム

1日目
上高地BS6:00…7:17明神7:27…8:12徳澤園8:25…9:19横尾9:28…12:35涸沢キャンプ場(泊)

2日目
泊地5:10…7:34北穂高岳8:10…奥壁バンド…10:00涸沢岳10:18…10:26穂高岳山荘11:20…11:46奥穂高岳12:10…12:35穂高岳山荘12:50…ザイテングラート…14:30涸沢キャンプ場(泊)

3日目
泊地5:30…7:13横尾7:40…8:21徳澤園8:41…9:23明神9:32…10:41上高地BS

コースマップ

記録日:2024/08/02~2024/08/04
合計距離: 41732 m
最高点の標高: 3181 m
最低点の標高: 1503 m

山行記

はじめに

久しぶりに山行記を書いてみよう、そんな気にさせる歩きとなったのが今回の山行。歩いてみれば3日間通して快晴。抜群の天気もさることながら、山行の素晴らしさ、面白さは格別なものとなり、歩き終わった後、仲間から「いゃ〜、マジで奥壁バンド、面白かった〜」と異口同音の声。この歩きの喜びを伝えたく筆を執った。



1日目

山行初日、深夜バスに揺られ、朝5時20分に上高地に到着。いつもは人でごった返している河童橋。でも早朝、人気はない。そこがまた新鮮だ。しかも、これから登る穂高岳連峰が眼前にくっきり見える。皆気持ちが昂る。でも、初日は涸沢のテン場まで。知っている人は分かると思うが、とにかく平坦で面白みのない歩き。本谷橋から2時間弱の歩きが、今日の登りと言えば登りではあるも、明日の歩きを考えれば、足慣らしに近い。なので初日は涸沢での懇親を楽しみに皆歩いている。

上高地から歩くこと6時間、涸沢のテン場に着く。そこには、同日程で別ルートを歩いた会の別パーティーが待ってくれていた。当然、一緒に懇親を楽しむ。涸沢は歩いた者しか味わえない絶景スポット。ほんと素晴らしい!そうこうしているうちに、また会の別パーティーが顔を出す。クライミングチームだ。それぞれルートは違えど馴染みの仲間。あっという間に意気投合し乾杯。実に楽しいひと時だ。



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2日目

朝3時30分、起床。徐々に明るくなる。テン場の背後にそびえる穂高岳連峰の山々が赤く染まり出す。モルゲンロートだ。実に美しい。5時10分、まず北穂高岳に向けて歩みを進める。軽身での歩きだが、標高2,500mを超える辺りから息が切れる。空気の薄さを感じる。歩くこと2時間半、北穂のピークに立つ。すると、それまで見えていなかった景色が目に飛び込む。大きく切れ落ちた大キレット、その先には存在感ある槍。更に笠、薬師、鷲羽、水晶、白馬も。名だたる北アルプスの山々を丸ごと独り占め。皆のテンションが上がる。

しかし、今回の山行の真骨頂はここからだ。北穂から涸沢岳までの間は国内屈指の岩稜ルート。そう、奥壁バンドを抜けるのだ。まずは一旦下る。足場、手がかりを探し、慎重に歩みを進める。三点支持は当然。四点支持、腰を落とし、岩稜に張り付き、前に進む。遮るものがない3,000mの岩稜歩き、実に気持ちいい。最低のコルにたどり着くと、今度は登りだ。こんなところを登るのか、と言わんばかりの岩稜帯に目を奪われる。手がかり、足がかりをしっかり確認し、一歩一歩岩に抱きつくように登る。

小ピークを越えると、また岩稜の壁。それを何度も繰り返す。緊張感が続くが、しっかり確認しながら歩けば問題はない。剱岳など岩稜の山歩きは他でもあるが、ここまで連続する岩稜帯の歩きはそうない。最高だ。そして漸く奥壁バンドを抜け、穂高岳山荘に。皆一様に「面白かったね~」「思っていた以上の満足感だ」と会話を交わす。岩稜歩きに大満足だ。この後、奥穂高岳にサクッと登る。奥壁バンドを歩いた後だ。あの奥穂へのルートがほんと簡単に思えた。

奥穂高からはザイテングラートを下り、涸沢のテン場に戻る。山を下りても天気は最高。この日の歩きを振り返りながら、また仲間と乾杯。歩いてしか来れない雲上のリゾート、涸沢。仲間との山談義は尽きない。



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3日目

今日も快晴。昨日に引き続き穂高岳連峰のモルゲンロートが美しい。昨日食べ残した麻婆丼を温め直し、腹ごしらえする。涸沢ヒュッテのテラスに適宜集まり、出発の準備を各自整える。5時30分、名残り惜しいが下山開始。昨日と同様に2班に別れて歩く。本谷橋まで下りて来ると、沢の音に涼しさをもらう。そこから歩き出すと1班から横尾に着いたと無線が入る。健脚揃いの中でも更に健脚者達、速い。

横尾からは1、2班一緒に歩いたが、1班の速さにはついて行けず、結局2班に別れて歩く。下山を開始して3時間、徳澤園に到着。この日はハイライトがない中、徳澤園の名物、コーヒーソフトをモチベーションに歩いて来た。コーヒーの苦味とソフトの甘味のマッチングが実にグッドだ。そして最後は上高地を散策し、歩きを終える。実に充実した3日間となった。今回も山と仲間に感謝だ。

今回のルートは、昨年個人山行で歩き、実に良い歩きとなったので、会山行でやろうと1年前からSLと温めて来たもの。ところが、私事ではあるが7月に関西に転勤になった。仕事場が変わり、生活環境も異なり、とにかく忙しい。この山行記も会社の休み時間に書いている。果たして山行を実施できるか、正直悩んだ。でもやって正解だった。SLをはじめ多くの仲間に支えて貰い、実施に至った。感謝に堪えない。



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