谷川岳一ノ倉沢南陵
山行情報
日程:6月2日~3日 参加人数:6名 天気:晴れ ランク:D-D-10 CL会員番号:2900、 SL会員番号:3063 文責:会員番号3420
コースタイム
6/2 山岳指導センター 4:00 一ノ倉沢出合 4:35/5:00 テールリッジ 5:20 南陵テラス 6:30/7:20 終了点 11:20 烏帽子岩上 11:40/12:05 5ルンゼの頭 12:40 国境稜線 14:15/14:35 谷川岳方の小屋 15:50
6/3 肩の小屋 5:00 ロープウェイ駅(天神平) 6:45/6:55 ロープウェイ駅(土合) 8:05
山行記
6/2 3時起床 4時出発 晴れ
一ノ倉沢出合に着くと、思ったより雪がある。この分ならテールリッジまで雪は問題なさそう。テールリッジは、続く長く微妙なバランスでプレ本チャンのよう。そして、南陵テラスへのトラバース。こちらはもっと怖い。テラスにつくと、すでに1パーティ登攀中で、他に2パーティが待っている。黒部ガイドの志水さんもいた。昨年の奥黒部ヒュッテ以来1年ぶりにご対面。今回は、2人を案内し今日は南陵、明日は東南稜とのこと。1時間ほど待って、快晴の中、いよいよ登攀開始。今回我々は、メンバー6人で、3人ずつの2パーティ。
1ピッチ目は、カンテ状を上り右上してチムニーをあがる。前日の作戦会議では、チムニーを2ピッチ目にしようとしていたが、我々の後にも10人くらいが待っている状態で細切れがはばかられ1ピッチでチムニーまでとした。2ピッチ目は、まっすぐ上がる。3ピッチ目は、コンテで草付きを30m上がり、4ピッチ目は、20mのフェース登り。ここにはビレー用の支点は無かった。岩下を左から上がると支点。日陰で気持ち良いが、長くいると寒くなる。懸垂下降するときは、ここから上り下りのコースがかぶるそうだ。見上げると終了点から最初のパーティが、懸垂で降り始めていた。5ピッチ目は、日陰を5m進み、右のリッジに上がり直上する。6ピッチ目は、短い馬の背。上がると2m位の濡れた滑る岩でビレー。志水さんたちも懸垂で降りてきて、左横を通り過ぎる。最終の7ピッチ目は、このコースの核心。ところどころ水でぬれた岩を直上。最後、汚いスリングを掴んでA0。そこから少し上がると左の岩に懸垂支点のスリングがかかっている。我々は、さらに草付きや2.5級くらいを3ピッチ上がり、コシアブラの木の上の狭いところでロープをたたみ靴を履き替える。変形チムニーを登ってきたという若い二人パーティがやってきた。腹ごしらえをして、岩尾根を国境稜線目指して出発。5ルンゼの頭のところで、再びアンザイレン。変形チムニーの二人に先を譲る。彼らはクライミングシューズに履き替え、普通に1ピッチクライミング。我々は、トップがアプローチシューズで上がり、プルージックで後続があがる。浮石が多く、注意して足を進める。25mくらいで終了し、ロープをたたみザックにしまう。稜線はもうすぐだ。最後、薄いトレースを笹をつかんで上がり、14時15分国境稜線、固い握手。ギヤーをしまい腹ごしらえをして、肩の小屋が満員で予約が取れなかったため、天神平ロープウェイの下を歩いて19時頃には土合に着くだろうと、出発。今日は風がなく快晴。昨年の中央稜は、ずっと雨具の上を着ていたが、今回は暑いくらいで着なかった。水も1ℓ持ってきたが、残りは200cc程になってしまった。稜線から、登ってきた南陵が時々見え、烏帽子岩があんなに下だとか、何人もが未だ稜線に向かって登っているのを眺める。16時前に小屋に着くと、リーダーがビールを買うという。素泊まりができるようだ。ビールとジュースを買い、メンバーのテルモスの白湯をたくさん飲んで、体の渇きを潤す。カップ麺を買い、夕飯とす。
6/3 4時起床、晴れ
行動食の残りを食べコーヒーを飲み、5時に出発。ロープウェイ駅で熊に気を付けてと言われ、山菜を取りながら、下のロープウェイ駅まで歩く。
南陵は、谷川岳登頂の一部の行程にすぎず、テールリッジから南陵テラスまでのトラバースや、稜線までの岩尾根登りと藪漕ぎ、そして一般道の下山と、登攀以外の要素がたっぷりの二日間だった。