オールナイト富士山(個人山行)

あまりの美しさに一同息を呑む

山行情報

日時:2022/07/10 ~ 2022/07/11 天候:曇り時々晴れ
ランク:C-C-13:00 参加:4名
山行担当:CL2956
記録担当:文責:3561 写真:3452、3740

コースタイム

1日目: 歩行 6時間30分 休憩 4時間23分 合計 10時間53分
S富士山駅13:00…13:24北口本宮冨士浅間神社13:41…15:48馬返し15:58…16:10吉田口一合目…16:35吉田口二合目16:41…17:01吉田口三合目17:05…17:20吉田口四合目…18:02吉田口五合目18:11…18:16佐藤小屋19:36…20:03吉田口六合目・富士山安全指導センター20:22…21:31七合目トモエ館21:31…22:12吉田口七合目22:16…23:05太子館23:09…23:13吉田口八合目23:21…23:56白雲荘

2日目: 歩行 6時間33分 休憩 3時間54分 合計 10時間27分
白雲荘00:20…0:45本八合目富士山ホテル00:55…01:56須走口・吉田口登山道…八合五勺02:00…九合目02:53…03:18吉田口・須走口頂上03:20…扇屋03:25…03:26吉田口・須走口頂上…04:50吉田・須走ルート下山口…06:51吉田口下山道七合目07:07…07:40吉田口六合目・富士山安全指導センター…08:12佐藤小屋08:26…08:38吉田口五合目08:43…09:04吉田口四合大黒天09:13…09:28吉田口三合目09:31…09:48吉田口二合目10:07…10:31吉田口一合目10:31…10:44馬返し

山行記

昼 私達総勢4人(オールナイト富士山8度目1人、5合目のからの普通の富士登山経験者3人)は富士山駅に降り立った。私の心は、これから始まる冒険に不安で一杯。とりあえず、駅の目の前の食堂「豆の樹」でゆっくりランチをとり、おもむろに浅間神社に向かって歩きだしたのは13:00。

浅間神社で、手水を貰い(特別に登山者は水を頂いても良いそうだ)冒険の無事を祈って歩き出す。緩やかな傾斜の林道はどこまでも真っすぐで、馬返しについたのは約3時間後であった。

いよいよ富士登山が始まる。吉田口一合、二合と歩みを進める。富士スバルラインができるまでは多くの人が登った登山道。様々な立て札に足を止め由来を知る。しかし何しろ暑い。既にTシャツは汗まみれ、時折見える下界の景色に結構高度を稼いでいる事を知る。漸く五合目、あと少しで佐藤小屋というときに、「カモシカ」発見。大興奮でシャッターを押すが失敗。残念。

佐藤小屋で具沢山のラーメンを食べ、ゆっくり休憩。急に気温が下がってきたため衣服の調整をして出発。六合目の「登山安全指導センター」で富士山駅から歩いてきたこと、このまま歩き続けて登頂する予定であることを話すと、とても心配される。この年齢のパーティだし、当たり前か。。ちなみに下山時にちゃんと挨拶をしてきた。

順調に歩みを進めるが、八合目あたりから睡魔が襲ってくる。時は23時、いつもだったらベッドでスヤスヤの時間。眠さでふっと意識が飛ぶ。「危ない、危ない」暗さと疲れと、眠さの三重苦。「なんでこんな事しているんだろう」「やっぱり断れば良かった」

頭に浮かぶのはネガティブな事ばかり。各山小屋の前は弾丸登山の人達で一杯。でももちろん若者がほとんど。「この中にも富士山駅から歩いてきた人はそうはいないだろう」と密かに満足する。

暖かいコーヒーを頂いたり、4人で励ましあったりしながら、なんとか歩みを進める。

頂上に近づくにつれ、山小屋を早出した人達も合流し結構な人の列となって頂上を目指す。鳥居が見える。もうすぐ九合目だ。気持ちと体を奮い立たせて前に進む。

午前3:30 富士山頂浅間大社だ。「登頂!!」もうお鉢巡りをする気力は残っていない。

日の出は4:30 あと一時間だ。だんだん明るくなってくる空、オレンジ色に染まる雲海、感動のご来光だ。この世のものとは思えない美しさに言葉を失う。

長い長い下りを経て、馬返しに10:40到着。合計約22時間の”冒険”だった。

ヘタレな私にとっては、仲間で励まし合いながらだったからこそできたことだった。これを一人で7回も成し遂げたN氏には尊敬の念しかない。



写真をクリックするとスライドショーになります。