南アルプス後半戦!前回の南アルプスは北岳・間ノ岳・農鳥岳を歩くことが出来ず、今年度中に3000m超級の山を繋げず消化不良の山行となった。今回は全行程を歩きたいが、いささか天候が心配。
当初9名だったメンバーから3名が抜け、今回からメンバーは6名。共同装備も少々増えた。今回も水の確保が気にかかる。CLからの事前メールには、予備日を利用するとの連絡も入っていた。毎回のことだが、問題がないことなどない。取りあえず8月17日畑薙第一ダムへの深夜バスに乗り込む。

新隊長・カモシカの船戸
渋い山屋の中村(直)
春風の大場
ふんわりわたあめの原
努力の中村(志)
スーパーパワーの野澤
(以下:敬称略)

≪これまでの軌跡≫
1図

≪今回の軌跡≫
2図

8月18日(木)     曇り時々晴れ 聖平小屋を目指し歩く
(聖岳登山口~聖沢吊橋~岩頭滝見台~聖平小屋)  行動時間 5時間25分

夕食   ペペロンチ―ノ、 トマトスープ、海藻サラダ
12畑薙夏季臨時駐車場より6時45分の臨時バスが出た。予定より早く歩き始められそうだ。聖岳登山口で準備体操と気合入れを行う。「クマ出没注意!」居るなら見たいと思いながら、樹林帯を進む。標高が上がるが、汗が大量に噴き出る。
沢沿いに歩く途中に聖沢吊橋が現れる。一人一人歩く。いくつか吊橋を越え、乗越辺りでかすかに聖岳が見えた。明日登頂予定の山だ。眺望が望めない樹林帯では嬉しい風景である。
34渓谷に注ぐ滝は水量が少ない。岩頭滝見台から恐る恐る渓谷を覗き込む。
1140mの登山口から歩き始め、2265mの聖岳小屋まであと80分の標識に本日の行程の目処が付く。その後、せせらぎで少し長めの休憩をとる。
5678最近休憩時に気を抜いた格好を記録係の渋い山屋によく撮られる。休憩時も気が抜けないとわたあめがピリッとする。休憩後ぬかるみを進むと、かわいらしい吊橋に聖岳小屋のサイン。昨夜のバスで隣に座った若者が聖岳小屋にはフルーツポンチが出迎えてくれると話していたこと思いだす。
9101112テントを張り終え休息するも、あやしい雲行き。雨粒がポツリと体に当ると同時にテントに逃げ込む。テント生活も慣れてきた。以前は1張り4~5名だったことを考えると、その広さに少し寂しさを覚える。

【聖岳登山口7:45 聖沢吊橋8:50岩頭滝見台11:50 聖平小屋13:10】

8月19日(金)     晴れ  聖岳~百間洞山の家
(聖平小屋~小聖岳~兎岳~中盛丸山~百間洞山の家) 行動  7時間5分

朝食  ラスク入りオニオンスープ、ソーセージ
13夜半雨の音もしていたように思うが、いつも通り3:30に起床。横断が始まった頃は起床から出発まで1時間半程度かかっていたものの、すんなりと撤収し4:30に出発する。夜明けとともに、富士山が姿を現す。
141時間程で小聖岳に到着。コースタイムより30分も早い。次に目指すは3013mの前聖岳。早いペースで登るも、ガレたヤセ尾根がピークまで続く。お天気は思った以上に良くなり、眺望も良い。体調が思わしくないメンバーが気にかかる。でもしっかりとした足取りなので心配はないだろう。
厳しい登りに息があがったが、前聖岳に登頂する。日本アルプス最南端の3000m峰だそうだ。キャリアの長いメンバーも初めての登頂だと聞くと、如何に南アルプスの山々の踏破が難しいことが理解出来る。
15161718前聖岳からの下りに赤い石が多く見られた。赤石岳の名前に由来する赤色の岩の間を下る。途中ブルーベリーを発見。昨年薬師岳への行程でも生息しており、歩きながら食べたことを思い出す。まだ小粒で甘さは少ない。紅葉の時期にはさぞ美味しくなることだろう。
聖兎のコルまで1時間。その後兎岳まで1時間と順調に歩く。兎岳からの360度の眺望は見事だった。ガスが出たり、晴れ間があったりとまずまずのお天気。昨日の汗の量とは断然異なり、快適な歩きが続く。小兎岳で少し長めの休憩を取る。次の中盛丸山へと急坂と地図に書いてある。歩き始めて6時間で中盛丸山に到着。かなりのハイペースだ。山頂に立つと百間洞山の家が見えた。マチュピチュのようなテン場が見える。
1920CLが急いで小屋へ降りる。情報を得るためだろう。途中の話では本日の行程は百間洞山の家で終わりたいとのこと。これからの天候を考えると先に進めておきたい気持ちだったが、体調の悪いメンバーを気遣ってのことだと理解した。小屋は宿泊可能ということで今夜はこちらに投宿する。どうやら‘わらじとんかつ’が有名らしい。
昼食を取り、部屋に入るとロープワークの勉強が始まる。今までの行程では使用する機会がない。でもいざという時に慌てない準備は必要だ。

【聖岳小屋 4:30 聖岳6:43兎岳8:50中盛丸山10:31百間洞山の家11:35】
21228月20日(土)     曇り後雨  天候不良により椹島へ下山

(百間洞山の家~赤石岳~椹島) 行動  8時間35分
朝食  小屋食
夕食  そうめん、麻婆茄子、白和え
小屋での朝食を済ませ、4時45分に出発。赤石岳への道を見落とす。小屋より上にあるテン場を過ぎ、登るはずの道を下ってしまう。来た道を戻り、 赤石岳への登山路を発見し事なきを得る。ヘッドライト装着時、道迷いには気を付けなくてはいけない。
天気の崩れが予想されていたが、取りあえず百間平までは快晴が続く。しかし馬の背あたりからあやしい雲行きとなり、早めにレインウェアを着るように指示される。大斜面をトラバースする辺りでは強風にザックが煽られる。危険な個所を通過する為、ゆっくりと進む。
赤石岳避難小屋に到着すると小屋のオーナーが「横浜の6人組?百間洞から登ってきた?昨日待っていたんだよ。」と話しかけられる。心配してくれていたことにちょっと心温まる気持ちになった。「これから天気が悪くなるから、今日は下山した方が良い。」とのアドバイスを頂く。また登山客からは椹島からの14時のバスに間に合うと思うが、分岐から先で怪我人が出ているから気を付けるように注意喚起を受ける。
27242526赤石岳山頂に7:45到着。眺望なし。これからの天候を考慮して、そそくさと下山する。分岐には荒川三山の文字が刻まれている。本当はここから先に進む予定だったが、天候には逆らえない。小屋での情報にあった事故と会山行での事故の情報が重なり、なお一層慎重になる。雨も強くなってきた。ついにレインウェアのズボンも着用。滑り易い木の根や岩が多くなる。
赤石小屋へは2時間半のコースタイムだが、なんだか長く歩いた気分になる。しかしレインウェアを着ていてもカメラには笑顔で応えるメンバーが多い。小屋での休憩を長くし、下りの歩きに備える。登りより怪我が多いので慎重に歩く。
椹島から赤石岳までの東尾根、別名大倉尾根と呼ばれている。南アルプスの南側一帯を東海製紙の創業者である大倉喜八郎氏が購入し、所有する土地の一番高いところに行きたいと籠に乗り、総勢200人の大パーティーで赤石岳へ登頂したとのこと。山頂では五右衛門風呂に入ったらしい!かなりの大物だし、かなりのわがままぶり。やはり山は自分の足で歩かなくては・・・途中に合目を記す木札があり、籠の担ぎ手の交代場所だったのかと想像する。
椹島への下りはさらに雨が強くなり、つるつると滑る。ゆっくり慎重に一歩一歩、最後の階段を降り、先頭のわたあめがくるりと方向転換し、皆と握手を交わす。無事に下山。
13時20分着。14時にバスには間に合うが、その先の交通手段がない。本日の行程はここで終了とすることをCLとSLが皆に伝える。携帯電話は繋がらないので衛星電話を使用して、ジャンボ隊長と連絡を取り合う。明日11時に畑薙からのタクシーを予約することができ、そして登山小屋に投宿が決まった。ジャンボ隊長!後方支援をありがとうございました。
27282930登山小屋に入り、雨で濡れたレインウェアなどを乾かす。小屋泊でもロッジのお風呂に入浴可能とのこと。冷えた体には有り難い。入浴時間は16時。時計を見て、一目散にお風呂に直行。
本日の夕食は春風が担当だ。水が確保出来そうな所でそうめんをしようと提案。涼しいのでにゅうめんにしようとのことだったが、風呂上がりで体がぽかぽかしていたのでそうめんで戴く。両中村の笑顔が良い。
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登山小屋には他のグループも宿泊していた。中でも京都の高校生のザックの大きさには驚かされた。あんな大きなザックは担げません!
【百間洞山の家4:45 赤石岳7:45 椹島13:20】

8月21日(日)   晴れ 帰宅するだけ・・・
朝食   しゃぶしゃぶ餅
33343時30分起床に慣れてしまったメンバーは起床が早い。10時のバスの時間まで南アルプス白旗史朗写真館を見学する。山々のいろんな表情にくぎ付けになる。今回もまた宿題が残り、南アルプスは3回の山行に分割されたことになる。北岳・間ノ岳・農鳥岳を入れると4回だ。
タクシーで畑薙ダムから静岡駅まで約2時間。市街地に降りると教育係とニコニコ大臣からメールが入っていたことに気づく。ご心配をおかけしました。
静岡県に位置する椹島へは、また来ることになるだろう。隣県なのに遠い所。でも、ソフトクリームを食べに来ると思えば許せるかもしれない。(記:野澤)