谷川芝倉沢(雪山)
山行情報
日時:2021/04/23 ~ 2021/04/25 天候:4/23 晴れ、4/24 晴れ、4/25 ガスランク:D-D-10 参加:8名
山行担当:CL3420 SL3256
記録担当:文責:3405 , 3440 写真:3420 , 3256 , 3632 , 3418
コースタイム
4/23 ロープウエイプラザ0600…一ノ倉沢出合0710…泊地0830…テント設営後雪上訓練出発0930…芝倉沢出合1030…1140S字上部にて訓練1400…泊地1500
4/24 泊地0600…芝倉沢出合0700…0800S字上部にて訓練1430…泊地1530
4/25 泊地0500…芝倉沢出合0600…S字上部0700…ノド手前0800ここで撤退、泊地0930…テント撤収後出発1100…ロープウエイプラザ1230
山行記
4月23日~24日
今年は暖かくなるのが早く北アルプスでも雪がだいぶ融けてしまい行くのをやめた所もある位だったので、こんな4月の終わりに訓練出来る程の雪はあるのだろうかと思っていた。
谷川岳ロープウェイ乗場から一ノ倉あたり迄は全く雪がない。ところがその先にいくと徐々に残雪が見られるようになってきた。テントを張ったのち芝倉沢に雪訓に向かうと、もうしっかりたっぷり雪がある。
谷入口から1時間ほど谷を登った斜面が私たちの訓練場で、ここで2日間アイゼンなし、ありの歩き方、滑落停止、肩がらみ・腰がらみのスタカット、スタンディングアックスビレイなど繰り返し練習した。
訓練場まではデブリと言われる雪崩跡をいくつか越えていく。雪の状況は刻々と変化している。訓練中も向かいの壁面に張り付いた雪がゴーッと音を立てて落ちていくのを何度か見た。しかし雪の上を岩や雪の塊が流れる時は音もしないということで雪渓を歩くときには周囲に目を向けて気を付けなければいけない。
雪面の登り、下り、トラバース、これらは雪山に行っていれば当然やっていることだが、訓練場のきつい斜面ではきちんと基本を体に叩き込まないとだめだということが身に染みた。これらの技術を身につけるには何度も繰り返し練習すること、漫然と歩くのではなく何に気をつけるか考えながら歩くことを学んだ。
また練習する場所を決める為にリーダーが芝倉沢に3年程通って雪がどのように動くかを調べてからだったということを聞いて、安全に根拠を持たせるにはその位慎重にしなくてはいけないということを学んだ。
大変有意義な訓練、時間を過ごすことが出来て、このような機会があれば是非また参加したい。
( 文責3405)
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4月25日
3時に起床 今日は茂倉岳と一ノ倉岳の稜線まで登り詰め引き返すピストン山行だ。 5時に泊地を出発したが前日までの快晴とは打って変り稜線上にはガスが垂れ込めている。
休憩時リーダーから群馬方向から上がるガスは天候の崩れは少ないが新潟方面からのガスは崩れるとのこと。その法則が当たらないことを祈りながら危険地帯である土色のデブリ等を通過して7時に2日間雪上訓練した芝倉沢S字上部に到着した。雪面にはうっすらと土埃が覆っており昨日と同じ場所とは思えない程雪解けの早さを実感できる光景だ。一本取り更に稜線を目指しリーダー先頭で急斜面を登るが何とアイゼン無しである。歩行や滑落停止の雪上訓練がなかったらこの急斜面では躊躇したことだろうがこれこそ訓練成果の賜物だ。
8時過ぎ小雨が降ってきた。休憩時リーダーは稜線には向かわず引き返す下山の決定をされた。
8時10分アイゼン装着し下降開始8時45分に芝倉沢出合で3日間お世話になった芝倉沢S字に名残惜しいが別れの挨拶をして9時30分には泊地に戻った。
十分に休憩後テント撤収し11時頃泊地発13時には谷川岳ロープウェイ駅に戻り3日間の雪上訓練を終了した。
今回の山行は泊地を出たら全てが雪山実践の場であった。雪崩の危険は至る所に存在し雪崩等の危険地帯を予測してのルートファインディングが求められるからだ。
綿密に計画された雪上訓練は基より雪崩の種類や回避、危険地帯通過時の列間隔と役割等々リーダーからは随時適切な指導を頂いた。
訓練で得られた貴重な体験を今後の雪山山行で大いに役立てたい。
(文責3440)
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CL追記
折角芝倉沢まで行くのだからしっかり練習してもらわねばと、しっかり食事をとる計画にして出かけました。訓練内容は、大学登山部の雪上訓練をほんの少しみろく風にしたもので、中高年団体でもここまでできるのかと、驚きました。最終日に上越国境稜線に飛び出す感激を味わっていただけなかったのは残念でしたが、迫る渓谷の中でガスに包まれて歩いた緊張感は、それはそれでよい経験になったと思います。体と心にしっかり残る芝倉沢の素晴らしい3日間でした。