北岳バットレス第4尾根主稜
山行情報
日時:2017年9月8日~10日
天気:晴れ
ランク:D-D-11
参加人数:6名、登攀パーティ3人ずつの2パーティ
担当者:CL会員番号:2993、SL会員番号3060、3420
文責:会員番号3420
コースタイム
○9月8日(金)
芦安(09:30/10:00)=広河原(10:40/11:00)…第一ベンチ(11:50/11:55)…第二ベンチ(12:25/12:30)…白根御池小屋(13:10)
○9月9日(土)
小屋発(02:45)…二股(03:05/03:10)…第5尾根支稜取付(04:35/05:00)…横断バンド(06:15)…ヒドゥンスラブ(06:50)…第4尾根取付(07:25)…マッチ箱ピーク(09:20) …登攀終了点(11:15)…北岳山頂(12:50/12:55)…白根御池小屋(15:00)着
○9月10日(日)
小屋発0(6:40)…二股(07:00/07:15)…広河原(09:00/09:20)=芦安(10:10/10:20)
山行記
大学一年生の時、南アルプス全山縦走で北岳に登り、OB5年の正月に白峰三山に登り、今回三度目の北岳に行ってきました。ただ仰ぎ見るだけで、まさかそこを登るなんて思ってもみなかったバットレスに。
天気は3日間晴れでしたが上の方はいつもガスっていて、バットレス全容を眺められなかったのは、残念でした。
9月9日、真っ暗な中午前2時45分にテン場を出発し、ヘッドランプで初めての道を歩きます。どこをどう歩いたか、今もわかりません。ペンキ印のある沢の左岸をしばらく上り、水の流れる小沢を渡り、今度は右岸の草付き灌木をしばらく上り、開けたところで少しトラバースすると突然歩みが止まり、そこは第5尾根支稜という下部岩壁突破の取り付きでした。靴を履き替えロープをさばき腹ごしらえをして夜が明けるのを待ちます。寒くダウンジャケットを着ました。ようやく明るくなる5時に、ザイルパーティー(今はロープパーティというのでしょうか)のリーダーが上り始めます。いよいよ登攀が始まるんだと緊張。下部岩壁は2ピッチ上り横断バンドという草付きに出ます。そのあとCガリーを登り、ヒドゥンスラブという30mくらいのところを登ると、ようやく第4尾根の取り付きに到着。ヒドゥンスラブには、赤ペンキで4と書いてありました。こんなところにペンキ?、びっくりでした。
第4尾根の1p(ピッチ)目は、クラックから始まります。リードを命じられていましたが、いきなりのA0で上りました。皆が足を置くクラックの一歩目は岩が丸くなっていました。2p目は、草交じり。3p目は白い岩のフェース。3p目は覚えていません。
4p目、自分のリードです。トポにフェースからリッジ30mとありましたが、15mでビレーポイントに着き、短すぎるのでさらに登りましたが、ここが本コースの核心、三角形の垂壁でした。A0連発。途中でヌンチャクが足らなくなり、核心が終わった後の高度感抜群のリッジは、ビレーをセーブして上りました。登りきったところは、マッチ箱のピーク、眺めは最高、足が震えます。そこから15m懸垂下降。
さらに2p上ると枯木テラス。マッチ箱とか枯木とかよく名付けたもんだと感心します。ここから崩壊後の新しい2p。剱岳Cフェースや奥穂西穂の馬の背のようなトラバース。
次は、Dガリー奥壁城塞と同じルートとなり、少しハングしたチムニーを登ります。ここもA0連発でした。
ここをぬけると、ハイマツ交じりになり、登攀終了です。
第4尾根には、Ⅳ+が3ピッチありましたが、すべてリードを命じられ、A0で上りました。次回はもっと楽に登れるように1年間練習せい、ということです。
マッチ箱のピッチから上は、3000mの眺望抜群です。今回は、少しガスが湧き最高の眺めとならなかったのはちょっと残念でした。
休憩点の広いテラスで、靴を取り換え、腹ごしらえをして、北岳山頂へ。
後はのんびり夏山登山一般コースを御池小屋まで。
3月にMRTを終え、6月に谷川岳衝立岩中央稜に登り、8月の穂高滝谷は雨で登れませんでしたが、9月にバットレスに登れ、うれしくもありますが、未だ未だなところがたくさんあるので、道は遠いと感じています。
連れて行っていただいてありがとうございました。