熊野古道伊勢路の峠道(ロングトレイル)
山行情報
日時:2023/02/27 ~ 2023/03/03 天候:快晴、晴ランク:B-B-8:00 参加:12名
山行担当:CL2805 SL1817, 1841, 2782, 2941
記録担当:文責:3030, 3035, 3333, 3409, 3780, 2805 写真:2805, 2941, 3333, 3559
コースタイム
1日目
伊勢市駅9:20=内宮…外宮…11:56伊勢市駅―12:12田丸駅…14:50女鬼峠…16:35栃原駅16:57―17:13三瀬谷駅…宿(泊)
2日目
三瀬谷駅7:42―8:20梅ヶ谷駅…9:50ツヅラト峠…12:05道の駅マンボウ(昼食)12:45…13:30紀伊長島・魚まち…14:30一石峠…16:10三浦峠…16:50三野瀬駅(送迎)≡ 宿(泊)
3日目
宿(送迎)≡三野瀬駅8:40―8:53相賀駅9:00…10:45馬越峠…11:40尾鷲神社(昼食)12:00…12:50八鬼山登山口…15:00八鬼山…16:00十五郎茶屋跡…17:10三木里駅17:17―17:35尾鷲駅(タクシー)=宿(泊)
4日目
宿=尾鷲駅7:35―8:12波田須駅…9:00大吹峠…10:20松本峠…10:50鬼ヶ城跡10:55…11:20鬼ヶ城センター(昼食)/鬼ヶ城12:40…13:10宿13:40…14:00花窟神社14:30…宿(泊)
5日目
宿…熊野市駅8:23―8:45紀伊井田駅8:50…9:00狼煙場跡…10:30熊野速玉大社…11:00神倉神社…11:40新宮駅12:45―16:10名古屋
コースマップ
記録日:2023/02/27最高点の標高: 141 m
最低点の標高: 29 m
記録日:2023/02/28
最高点の標高: 361 m
最低点の標高: 0 m
記録日:2023/03/01
最高点の標高: 645 m
最低点の標高: 3 m
記録日:2023/03/02
最高点の標高: 203 m
最低点の標高: 2 m
記録日:2023/03/03
最高点の標高: 83 m
最低点の標高: 2 m
山行記
1日目
伊勢路とは、伊勢神宮から熊野三山へ通じる参詣道であり、熊野速玉大社までの総距離は170キロにも及ぶ。今回は主に峠道を新宮まで5日間かけて歩いた。9時20分、伊勢市駅に12人が集合。タクシーに分乗し神宮内宮へ向かう。参拝を済まし、歩いて外宮へ。門前町は伊勢うどんや松坂牛コロッケなど名物が並んでいるが、目もくれず!歩く。民家や商店には「笑門」と札のあるしめ縄飾りが飾られている。一年中飾っているそうだ。外宮に到着も参拝する時間なく、写真だけ撮り伊勢市駅へ戻る。
JR田丸駅で下車。最初の峠道、女鬼峠へ向かう。街道には随所に標識やのぼりが立てられ、道案内してくれる。舗装路をずっと歩いたので峠道に着いた時はほっとした。女鬼峠は岩盤を掘削した切通しで歴史を感じさせたが、標高は高くないのであっと言う間に着いてしまった。さらにまた舗装路を歩く。栃原駅に到着した時は足の裏が痛くなっていた。 明日はどうなるんだろうな~と思ったが、CLから明日は少しコースを短縮する、と言われてほっとした。(文責:3409)
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2日目
無人駅・梅ヶ谷駅から一般道、歩行者用道を通り、旧熊野街道ツヅラト峠登り口に。前日のロード歩きで足が悲鳴をあげていたが、山道になり足裏がほぐれてきたようだ。この峠は伊勢と紀伊の国境で、峠の道が九十九折につながることがツヅラト峠の語源だそうだ。登りより下りが長く、急坂で、野面乱層積みと呼ばれる、自然石をうまく積みあげた石垣や石畳が多く残されている。子奥、花広場を過ぎると舗装路だ。六地蔵を過ぎ、国道422号から道の駅「マンボウ」へ。ここで昼食。
紀伊長島の魚まちを過ぎ一石峠へ。途中、無人販売のみかんを見つける。疲れた体に染み入る美味しさ、さらにご主人の無料差し入れに心も染み入った。 ルート至近の宿に荷物を預け、三浦峠から三野瀬駅へ。ここで宿のお迎えだ。夕食にマンボウを食したのは初経験。(文責:3030)
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3日目
朝から快晴。宿の車で三野瀬駅まで送ってもらう。列車で移動し、相賀駅で下車する。9時出発、相賀神社から透明度の高い銚子川沿いを経て馬越峠入口に着く。100m 間隔の道標1/ 22(登山口から登山口)が記されている。伊勢路随一の、重圧の自然石が折り重なるように敷き詰められている石畳が始まる。
少し歩くと古い石畳に夜泣き地蔵。石橋を過ぎると急な登りが続き、幹廻り3~4mの深い緑の尾鷲檜の大木を見ながら11時前に馬越峠に到着する。ひと休みして足元に注意しながら桜地蔵を過ぎ、馬越公園登山口に到着する。ここから八鬼山登山口までは道路歩きとなる。尾鷲神社で昼食、旧街道の町並みを見ながら伊勢路最大難所の八鬼山登山口に12時50分に着く。道標 1/63。「終点の名柄一里塚迄約4時間の道程」と記された道標がある。山道を少し歩くと緑の苔が美しい石畳となる。急な登りの七曲り、巨岩群を見ながら荒神茶屋跡を過ぎ八鬼山に15時到着。ここから三木里登山口までは長く、歩きごたえがある。途中、桜の広場で熊野灘を望む。十五郎茶屋跡を経て16時40分、三木里登山口に到着。
三木里駅で乗り込む列車は17時17分発。ここまで予定より行動時間がかかり、間に合うか不安になる。林道に出た所でダンプトラックに会い、駅まで20分ぐらいかかると聞く。速足で歩いても駅は見えない。再度、住民の方に聞くとあと15分ぐらいとのこと。これは間に合わないと思った住民の方が乗用車で送ってくださり、時間通りに無事到着、列車に乗ることができた。住民の方のご好意に感謝、感激である。 尾鷲駅で下車、付近で全国旅行支援クーポンを使用し買物をする。タクシーで民宿山口へ向かい、18時過ぎに着く。(文責:3333)
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4日目
昨夜は雨が降っていたので心配したが、朝は曇りになり安心した。4 日目で疲れが出て、宿からタクシーで尾鷲駅へ行き、電車で波田須駅へ。 波田須駅からは大吹峠、松本峠の苔むした石畳道が風情を感じさせる。熊野古道伊勢路の石畳道は時代によって石の大きさが異なり、波田須の古道では鎌倉時代の大きな自然石が使われ、間隔が広い石畳道を歩く事ができ感慨深いものがあった。昼食後、黒潮の荒波と大地震の隆起によって作られた自然の彫刻、鬼ヶ城の岩場の遊歩道をスリルを味わいながら歩き、日本最古の神社であると言われる花窟神社を参拝した。その後砂浜に出て、巨大な獅子が海に向かって咆えているような姿をした高さ25mの奇岩の獅子岩を近くに見る事ができた。全国旅行支援クーポンでお土産を買ってから宿に着いた。(文責:3035)
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5日目
今日はLTの最終日で、この旅を象徴するかのような快晴で言うことなし。また、あと半日頑張れば帰れるということで、皆さん気分は壮快だった。宿から熊野市駅へ。電車に乗り、紀伊井田駅で下車して浜街道を歩く。町はずれの丘陵地帯を、左眼下に凪の熊野灘を望みながら、狼煙場跡~井田の一里塚跡~横手延命地蔵~粥森様と歩く。7分後に熊野川左岸に到着し、左岸を上流へ歩くと、成川の渡し跡(現在の熊野川成川大橋)へ着いた。熊野川を渡り、三重県と別れ和歌山県に入る。ほどなくしてゴールである熊野速玉神社へ到着、今回の伊勢路 LT が無事踏破できた事を感謝して報告した。その後、未だ体力が余っているので(?) 、神倉神社へも足を延ばした。
今回のLTでの余談。三重県の女神に出会った。3日目、八鬼峠を下山後、地元の人に道を聞きながら電車に間に合うよう、全員必死で国道311号線を歩いていたところ、突然若い女性が手を振って、「電車に間に合わないから車で駅まで送ってあげますよ」と言う。人数が多い事を話すと、仲間に声を掛けて車を調達してくれ、全員を三木里駅まで乗せてくださり、発車時刻の15分前に無事に到着、全員安堵した。 三重県の女神に多謝する次第だ。(文責:3780)
【CL追記】
熊野古道小辺路、中辺路は会の山行として過去複数回実施され、自身も3回参加したが、伊勢路は実施された記録がなく、1年ほど前から構想を巡らし、全長17キロから峠道を中心に5日間の日程で行程を組んでみた。
近年、地元の関係者により有用な情報が得られ易くなったもののコースタイムの予測が困難で、運転本数が限られたJR紀勢本線を有効に活用するため、時間の管理には気を遣った。幸い計画段階からSLの協力が得られ、また参加者の足並みも揃い、多少歩行区間をJRに切り替えたりしながらも、ほぼ目的を果たすことができた。また全日晴、快晴の天候に恵まれたことも幸運であった。
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