四国八十八か所徒歩巡礼 第1回
山行情報・担当者
ランク:B-B-7:30 参加:11名
山行担当:CL 3000 SL 2107 1876 2584
記録担当:記録・文責 3000 3367 3171 写真 3171 ビデオ 2107
1日目~3日目
コースタイム
山行記
『お四国病』結願直前になり、達成することの喜びと同時に、終わってしまうことの寂しさが募り、もう一回、もう一周と周り続ける四国遍路の虜になった人のウィルス性一期一会系伝染病。特効薬はなく、直す必要もない難病とされる。
とまれ、お大師様より「お四国行き」のご招待状を手にした11名は、のどかな田園に佇む「一番さん」こと霊山寺に集う。菅笠、白衣に輪袈裟をまとい、手に金剛杖という遍路姿となり、山門にて一礼後、異界へと旅立つ。
今回は『発心の道場』阿波の国の一国参り。9泊10日、23寺200kmを巡る山行?である。
先ずの2日間は、阿讃山脈のふもとの旧撫養街道沿いに点在する10カ寺をお参りする。昔ながらの街道筋は、足慣らしと巡礼作法や読経手順の反復習得に丁度良い。
11番へと、中央構造線の大地の裂け目を流れる四国三郎と吉野川を潜水橋で渡る姿はいかにも遍路の情景で絵になる。何より風格、自信、決意そして覚悟がにじみ出ていた。
さての3日目、「一に焼山、二にお鶴、三に太瀧」と名高い遍路ころがしの焼山寺道である。累積高低差1,100mの久しぶりの山道は、懐かしく、心地よく、歩き易くもある。が標高700mの境内には雪が残り、桜の蕾は固いままである。下った先の里の遍路道は、どこかのどかで梅や桃や菜の花が彩りを添えて楽しませる。
ここで“鈴の音山河”を口ずさむ。歌:芹洋子 詩・曲:好里一人(45番岩屋寺住職)
♪ 菜の花畑を 鈴が行く
♪ お遍路さんの 鈴が行く
♪ 赤い椿の トンネルを
♪ くぐればつきます お札所へ
♪ リンリンチリリン お札所へ 記:3367
良きリーダーのもと「みろくイレブン」は第一ステーの阿波23札所を無事巡礼することができました。10日間の修行の思い出を俳句風に切り取ってみました
1日目 遍路姿に身支度し馬子にも衣装。安西先達に参拝作法を教わる。1番霊山寺前で記念写真。夜
テレビで手負いの稀勢の里の逆転優勝にビックリ。「彼岸過発心の道いざ行かむ」
2日目 吉野川の広大な中州の菜の花畑を横切り、潜水橋を渡る。芹洋子が歌ったという”鈴の音山河”
をみんなで口ずさむ。歩数計は42,960と大きく更新「花の門御詠歌聞こゆ熊谷寺」「鈴鳴らし菜の花畑お札所へ」
3日目 最大の難所。標高830mの本堂まで3度の登り下り。ザックの重みが肩に食い込む「雪残るへんろころがし焼山寺」「鶯に同行二人導かれ」 記 3171
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4日目~6日目
コースタイム
山行記
4・5日目は鮎喰川沿いを歩く。スダチが特産の神山集落で、カカシの里のリアルなお人形に出迎えられ、元気をもらう。阿波一の宮から徳島市街へは、のどかな里の「五カ所参り」を歩き、ホテルにIN。休息する者、眉山、阿波踊りを楽しむ者ありで久しぶりの俗界も良いもんだ。今宵は街に繰り出して、中日の反省会で気を上げよう!
試練は翌日訪れる。雨だ。10時には雨具を着用し、2カ寺参りを済ますと、本降りとなる。3時間、10kmの車道歩きは、気力と体力が削られるが雁の渡りとなり目的地を目指す。 記:3367
4日目 隠し田の石垣も杉林。山道を抜けるとのどかな里を鮎喰川に沿って下る
「其処此処に隠し田跡や木の芽時」「梅の里ひとり急ぎの遍路笠」
5日目 宿坊で勤行の後、住職(女性)から法話を聞く。徳島市内に戻り夕方に阿波踊り会館で息抜き
「島四国寺守り継ぐ母の愛」
6日目 雨の中、気温も下がりしんどい40,100歩。宿の暖房にホッとする。雨具、靴等を乾燥室で乾かす「春の雨宿は廃校保健室」 記:3171
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7日目~9日目
コースタイム
山行記
いよいよの「二にお鶴」「三に太瀧」の遍路ころがしは、450mの登り下りを2回繰り返す難所だが、阿波遍路道として国の史跡指定された風情豊かな、味わい深いルートである。
標高500mの鶴林寺で白衣の背に朱の鶴丸紋を押して頂き、更に箔が付く。
標高520mの太龍寺は、西の高野と称される山岳霊場の趣がたっぷり漂う聖域である。
ウミガメの産卵で有名な日和佐湾を一望する23番薬王寺本堂にて、朝のお勤めをしていると、日が差し込み神々しいことよ!太鼓と錫杖と鏧子が軽快にリズムを刻む般若心経には、正直痺れた!沁みた!感動し覚醒した!
最終札所を後に、27kmの最長ロードを歩き出す。歩いては休みを繰り返し、順調に距離を稼ぐも、昼食に手古摺るのは、毎度の事で御愛敬。些細な事は、鯖大師前の草&塩大福を食して笑い飛ばす。歩く歩く只管歩く、辛くもあるが楽しくもある。無になりハイになる。四国遍路の魅力の一端が垣間見えたら最終泊地に到着。大反省会となり、半年後の再結集を誓う!! 記:3367
7日目 鶴林寺で白衣に鶴の朱印をもらう。太龍寺は廊下の天井に龍の絵。足指に水ブクレ、腰に湿布を貼る「遍路杖山越え出会ふ鶴と龍」
8日目 国道55線の標識に室戸方面とあり、遠くへ来た実感。23番薬王寺は33段の女厄坂、42段の男厄坂を上る。徳島でやっと開花の.ニュース「潮の香や俳句の小径行く遍路」「歩数計報告し合ふへんろ宿」
9日目 途中のへんろ小屋でお茶菓子の接待を受ける。最後の宿で海の幸に舌鼓。45,507歩と記録更新
「春暁の太鼓響くや般若経」「足にマメ燕の宿に泊まりけり」 記 3171
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10日目
コースタイム
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山行記
終わる寂しさを噛み締めつつ最終日。残す11㎞を南へと土佐浜街道を歩む。阿波最南端の古目大師で最後のお参りをすると、ほどなく高知県に踏み入れる。
空が青い! 海が碧い!
⇒右は徳島への始発駅甲浦へ500m
⇐左は室戸岬へ37㎞の分岐点に差しかかると左へ少しだけ行き、引き返すお遍路を見た。
アイツ「お四国病」にやられたな・・・・
南無大師遍照金剛 合掌 記:3367
10日目 入り江を左に見て一路南下。古目大師で最後の納経。昼食は駅でパン。鉄路果つ甲浦で秋の再会を誓う「トンネルを越え土佐の国風まぶし」最後に「生きていた弘法大師山笑ふ」番外で「みろくにも吉本の居りタニフヂエ」(失礼の段はご容赦のほどを) 記 3171
四国八十八カ所徒歩へんろ 記 CL 3000
一周約1,200㎞の祈りの道。私達は「一国参り」で四回に分けて踏破することで旅立ちました。その一国目が「発心の道場」こと阿波ノ国(現徳島県)でした。11人のメンバーがひとつになって挑戦した10日間。お天気にも恵まれ一人の脱落者もなく1番札所から23番札所を経て、高知県東洋町まで無事に256kmを歩ききりました。これもお大師様のご加護かも知れません。
次回は10月1日から14日間で高知県(土佐の国・修行の道場)へ、来年秋の結願を目指します。まだ始まったばかりのへんろ路でした。
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