うつくしま福島の山・五色沼(スノーシュー)

みんな、手を挙げて~

山行情報

日時:2023/02/10 ~ 2023/02/11 天候:1日目:雪、2日目:晴
ランク:A-A-5:00 参加:24名
山行担当:CL1784 SL2224、2308、 2679、3534、3658
記録担当:文責:3530 写真:3094、3534、3810

コースタイム

1日目
宿12:30 ≡ 13:00駐車場 … 14:00青沼 … 15:00瑠璃沼 … 弁天沼 … 竜沼 … 15:30深泥沼 … 赤沼 … 毘沙門沼 … 16:30駐車場 ≡ 宿 歩3:30

2日目
宿8:00 ≡ 8:30裏磐梯スキー場 - 9:00ゲレンデ山頂 … 9:40銅沼 … 10:40イエローフォール … シュラブ … 12:00ゲレンデ山頂 歩3:00

山行記

1日目

夢街道会津号は、新宿駅から会津若松駅を4時間で結ぶ。12時過ぎには、今夜お世話になるリゾートインみちのくに到着。道路や民家脇には雪搔きされた雪の塊が、人の背丈を越えるほどの壁になっている。見渡す限り灰色の世界。雪もちらつきはじめ、寒い。気温は氷点下、手指が冷たくスノーシュー装着に手間取る。ガイドさんたちの手を借りて、ようやく身支度が整った。

「初日は、明日の本番に備えて五色沼を巡ります。難しいコースではないので、楽しんで歩きましょう」。人懐っこい笑顔で、ガイドの井上さんが言う。明治21年の水蒸気爆発による岩なだれで数百もの湖沼が形成された。季節・時間・天候・水中の火山性物質などの違いで、様々な色彩が見られることから五色沼と呼ばれる。国立公園内「特別保護地区」に指定され、普段はコースの外は歩行禁止だ。雪に覆われた冬だからこそ足を踏みいれることができるのだ。

青沼~遠藤現夢翁の碑~瑠璃沼~弁天沼~竜沼~深泥沼~赤沼~毘沙門沼。幾つもの沼を繋ぎながら、緩やかな起伏のある赤松の林を進む。すると、井上さんが妙に嬉しそうに振り向いた。「さぁ、ここからがお楽しみ!! 尻セードをやりま~す♪」。なんと、お尻で雪の斜面を滑って降りるのだという。ストックを胸の前で抱えて持ち、両脚を上げれば自然に体が滑りはじめる。尻というより背中で滑る感じ。いい歳をした24名のジジババたちは長短5本の斜面を滑り降り、17時前には宿へ戻った。

お風呂で温まった後は、馬刺し・川魚の塩焼き・山菜等々、女将さん心づくしの手料理で満たされ、お酒もすすむ。丹精こめて実から育てたというご主人の手打ち蕎麦が、これまた美味であった。



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2日目

翌日、雪は止んでいたがまだ曇り空。裏磐梯スキー場のリフトでいっきに中腹まであがり、9時にイエローフォールを目指し出発。一列の隊は、敢えてトレースのない所を選んで進む。人の歩いた雪の上を行くのは癪なんだとか。(笑)

銅沼の淵に着くと水面は凍りつき、深い雪に覆われていた。井上さんの提案で、24人が横一列になり、手を繋いで背中から思い切ってダイブ!! Hさんは雪原を走ったり転んだり、犬の様にはしゃいでいる。楽しいなぁ。ひとしきり雪と戯れていると、すっかり雲はとれ爆裂火口壁が姿を現した。櫛ヶ峰は福島のモンブランとも呼ばれ、威風堂々とした姿だ。その麓に、冬しか見ることができない幻の滝があるという。

銅沼を縦断し30分ほど緩やかに登っていくと、稜線の下、僅かに黄色い壁が見えてきた。火口壁から沁み出す水が氷の滝を造り、火山成分により黄色く変色するそうだ。先週来の大雪が滝の上部を隠していて想像より小さく見えた。滝の前で、ガイドの井上さんからホットカルピスなど温かい飲み物がふるまわれ、身も心も温まる。さぁ帰ろう。帰路は銅沼は通らず、シュラブという低木の樹林帯に入る。

ちょっと期待をしつつ歩いていると、井上さんがいきなりスコップを取り出し、せっせと雪を掻きわけ始めたではないか。けっこう長い斜面だったが、皆歓声をあげながら最後の尻セードを存分に楽しんだ。そして、井上さんによる模範演技に大拍手。飼料袋を敷くとスピードが出るらしい。

12時前に下山、道の駅に寄り「福島きてね。クーポン」をありがたく使わせて貰う。私は笹だんごとみちのく林檎を土産に、15時発のバスで帰途に着いた。

磐梯山には表と裏がある。猪苗代湖側からは会津富士と呼ばれる均整のとれた美しい姿。裏は山体崩壊のあとが荒々しい。雪のない季節に、裏磐梯登山口からのコースがお勧めだと井上さんが教えてくれた。若葉の季節にまた来よう。



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