北海道 藻琴山・斜里岳・雄阿寒岳・雌阿寒岳
山行情報
日時:2023/07/07 ~ 2023/07/10 天候:4日間とも晴れランク:C-C-7:00 参加:9名
山行担当:CL2280 SL2496, 2569
記録担当:文責:2280 写真:2280
コースタイム
1日目
釧路空港10:25≡12:00川湯温泉駅レストラン13:00≡13:30ハイランド小清水725(藻琴山登山口)13:45 …14:20屏風岩…14:35藻琴山14:45…15:00屏風岩…15:25登山口15:30≡16:15摩周湖第三展望台16:25≡16:55ホテルパークウェイ(泊)
歩行時間:1時間30分、休憩時間:10分
2日目
ホテルパークウェイ5:00≡6:10斜里岳登山口6:55…7:10旧登山口…7:45途中休憩7:50…8:10下二股…8:45羽衣の滝下部8:50…9:20万丈の滝上部…9:40見晴しの滝上部…10:15上二股10:20…10:55馬の背11:00…11:25斜里岳12:05…12:25馬の背…12:55上二股13:00…13:25途中13:30…13:45熊見峠13:50…14:50下二股…15:20途中15:25…15:55旧登山口16:00…16:15登山口≡18:50ホテル御前水(泊)
歩行時間:7時間05分、休憩時間:1時間25分
3日目
ホテル御前水6:00≡6:35滝見橋駐車場6:45…6:55雄阿寒岳登山口7:05…7:15太郎湖…7:30次郎湖…7:45一合目…8:05頂上まであと4,500mの標識の所8:10…8:20二合目…8:55三合目9:00…9:35四合目9:45…10:20五合目10:30…10:55六合目11:00…11:05七合目11:10…11:30八合目…11:40九合目…11:50雄阿寒岳山頂12:30…12:40九合目…13:00八合目…13:10七合目…13:20六合目…13:35五合目13:40…14:25四合目14:30…15:00三合目…15:30二合目15:35…16:00次郎湖…16:25太郎湖…16:40登山口17:05≡17:40山の宿 野中温泉(泊)
歩行時間:8時間10分、休憩時間:1時間45分
4日目
雌阿寒岳温泉登山口5:10…5:25一合目…5:40二合目…5:55三合目…6:15四合目…6:30五合目6:35…6:55六合目…7:05七合目7:10…7:20八合目7:20…7:40九合目7:50…7:55雌阿寒岳山頂8:05…8:15九合目…8:30八合目…8:45七合目…8:55六合目…9:15五合目9:25…9:40四合目…9:55三合目…10:05二合目…10:20一合目…10:35登山口≡11:30ホテル阿寒湖荘12:50…13:15百味庵13:55≡15:00釧路湿原展望台15:20≡15:40釧路空港
歩行時間:4時間50分、休憩時間:45分
≡はレンタカー
山行記
まえがき
毎年、北海道の山に登っていますが、今年は日本百名山の斜里岳と雌阿寒岳を中心に道東の山に登ることにして、麓の宿からの往復登山を計画しました。このほか、藻琴山と雄阿寒岳に登る計画としました。行く前はあまり良くないとの天気予報で心配していましたが、4日間とも晴れて、高山植物にも恵まれました。
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1日目(ハイランド小清水725から藻琴山往復)
羽田空港7:40発のエア・ドゥ071便で釧路空港に向かう。到着後、AIRDOスペシャルレンタカープランで予約していたニッポンレンタカーのカウンターで受付をすると、送迎車は小さいので運転手2名だけが乗って営業所に行くように言われる。しかし、同じ安いプランを予約した人が多いようで、送迎車を待つ時間が長い。やっと営業所まで行き、手続きをすると、車は2台ともスバル インプレッサで、車体は黒と白だ。小生が白を運転することにする。
釧路空港出発が計画より15分ほど遅れるが、道路が空いていてスピードを出すことができるので、川湯温泉駅車内にある洋食レストランオーチャード・グラスにちょうど正午ごろに到着する。川湯温泉駅は釧路と網走をつなぐ釧網本線の駅だ。ただ、列車が走るのは1日数本くらいのようだ。レストランでは、特製オムライスかハヤシライスを注文する。小生はハヤシライスだ。店内はもともと駅の待合室だったのだろうが、ステンドグラスのあるなかなか凝ったつくりの部屋だ。昔の摩周湖や硫黄山のポスターが貼ってある。ハヤシライスが給仕され、食べてみると大変美味しい。特製オムライスも美味しいのだろう。満足して出発する。
小生は翌日以降に登る斜里岳・雄阿寒岳・雌阿寒岳にはいずれも登ったことがあるため、初日に短い時間で登ることのできる山を探し、藻琴山を選んだのだった。この山は北海道百名山の1座に選ばれている。初めは同じく北海道百名山の1座である摩周岳(カムイヌプリ、857m)を調べたのだが、摩周湖第一展望台からの往復歩行時間が6時間なので諦めたのだった。
藻琴山の登山口には、ハイランド小清水725というレストハウスがある。ここの標高が725m。藻琴山の標高は999.9mなので標高差は275mだ。お手洗いを利用してストレッチをしていると、駐車場の隣に車を停めた男性から一緒に登りたいというお話があり、快く承諾する。広島県の五日市町から来られたKさんとのことで、20日間北海道をまわられるとのこと。山は藻琴山と最後の日に大雪山の旭岳に登るだけで、その他は観光だそうだ。マイカーで舞鶴から小樽までのフェリーをご利用されたとのこと。
登山口で記念撮影をして出発する。直ぐにオレンジ色のコウリンタンポポが咲いている。もう少し登るとフウロが咲いている。あとで調べるとトカチフウロらしい。チシマフウロの一種だが、花の色が淡いものをトカチフウロとして区別しているそうだ。登山道脇にはゴゼンタチバナの花がたくさん咲いている。ただ、本州で見るものよりも少し小ぶりだ。エゾゴゼンタチバナではなさそうだ。
暫くは展望のない登山道を登って行く。30分ほど登ると屏風岩が見えてくる。また、左手に屈斜路湖が見えるようになる。藻琴山上頂に着くと屈斜路湖、羅臼岳、斜里岳方面の展望が良い。10分ほどで下山を開始する。屏風岩を過ぎて少し下った広い場所に一輪のコマクサが咲いている。ちょうど熊出没注意の標識があるところだ。
下山途中にお尋ねするとKさんが泊られるのは我々と同じ川湯温泉のホテル パークウェイだと分かる。Kさんはこの後、鮭の遡上を見ることのできる川に行かれるそうだ。我々は摩周湖第三展望台に行くことにする。展望台に行く途中はかなり雨が降ったようだ。しかし、運良く、展望台に着くころには雨が止んでいる。展望台からは摩周湖と摩周岳(カムイヌプリ)がよく見える。摩周岳の手前に見える小さな島はカムイシュ島というようだ。また、直前に登った藻琴山は屈斜路湖の向こう側に見えるが、雲が掛かっている。
川湯温泉のホテル パークウェイには17:00時前に到着する。18:30から夕食ということにして、まずは温泉入浴だ。温泉は川湯温泉では唯一という重曹泉だ。川湯温泉の泉質は、強酸性硫化水素を含む明ばん・緑ばん泉なのだが。夕食は食堂とは別の個室で用意していただく。まずは生ビールで乾杯だ。お料理はラム肉の鍋がメインで、お刺身もついている。続いてエビなどの天ぷらも出てくる。しばらくして、Kさんに来ていただき、歓談する。鮭遡上の様子は良かったそうだ。20:30には夕食を終え、翌朝は5:00出発なので、早い就寝とする。
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2日目(清岳荘前の登山口から斜里岳往復)
朝は4:00に起床とし、5:00に出発する。途中で清里町のコンビニに寄って、朝食・昼食と飲み物を購入する。斜里岳登山口のある清岳荘まで行くと、予定どおり6:00過ぎに到着したにもかかわらず、駐車場にはかなりの数の車が停まっている。清岳荘は素泊まりのみの山小屋だが、泊まった人も多いのだろう。コンビニで買ってきた朝食を食べる。出発の準備をしている人の中には、ヘルメットを被り、ハーネスを付けている人もいる。清岳荘のお手洗いは建物入口を入ってすぐのところにあり、きれいだ。100円で利用させていただく。
登山口で記念撮影をして出発する。登山道は真っすぐだが、左に進むと原生林ウォーキングコースになっているようだ。少し進むと林道に出る。一般車は進入禁止になっていたが、関係者だけは旧登山口まで入ることができるようだ。林道を10分ほど歩くと旧登山口で、ここからが登山道になる。登山口までの道路脇にもたくさん咲いていたが、この辺りにも白いマーガレットが咲いている。
15分ほど進むと渡渉が始まる。下二股まで10数回の渡渉を繰り返す。慎重に渡るが、水の中の石は滑らないようで安心する。下二股の手前に仙人洞という洞窟とその先に旧清岳荘跡がある。下二股の分岐の右手は新道になっていて、通常は左の旧道・滝登りコースを登る。7つの滝の脇を登ることになる。その途中にも渡渉がたくさんあり、やはり10数回、渡渉を繰り返す。
1つ目の水連の滝は滝から離れた所の左岸、2つ目の三重の滝は右岸を登る。3つ目の羽衣の滝は大きな滝で、右岸の斜面を登って行く。斜面はけっこう急だ。登りきると左岸に渡渉する。万丈の滝の左岸の斜面もまたけっこう急で、登りきると右岸に渡渉する。この辺りには、自生のワサビがたくさんある。
次は見晴しの滝で、右岸を登って行く。この辺りにはトカチフウロの花が咲いている。下の方には麓が見える。上には、霊華の滝と七重の滝が連なって見える。七重の滝の左岸では滝のすぐ脇を登る。その次に渡渉して、霊華の滝の右岸ではやはり滝のすぐ脇を登る。滝を登って行くような感じでなかなかおもしろい。滝が終わると登山道脇にはマルバシモツケやチシマノキンバイソウなどの高山植物が見られるようになる。
登って行くと上二股に着く。ここは下山の際に新道コースに行く分岐だ。ここには携帯トイレブースが設置してある。ここからの登りは、石がごろごろしていて、けっこう急だ。この時間でももう下ってくる人とすれ違う。清岳荘に泊まった人なのだろう。朝着いた時も駐車場に車が多いと思った。途中にハクサンチドリが咲いている。標高1,400m付近の上の方のザレ場を登りきると馬の背に着く。ここの標識には「ヒグマ誘因のためザック残置禁止」と書かれた表示が貼ってある。休憩を取ってから斜里岳頂上に向かう。
山頂手前の斜面の手前までの道には、ウコンウツギ、チングルマ、ハクサンシャクナゲ、エゾノツガザクラ、ナナカマドの花、キジムシロ、ヨツバシオガマ、コケモモ、ニッコウキスゲ、ミヤマオダマキ、ヒナギクに似た白い花、エゾウサギギクなどがたくさん咲いている。
最後のガレた急斜面を登ると斜里岳の頂上に着く。標識には、「斜里岳 オンネヌプリ 1547m」と書かれている。周りには少し雲が出ていて、遠くの山々はあまり見えない。2001年8月に登ったときには、北側にオホーツク海と手前の斜里町の街が見えて、北東に知床の山々、南西に雌阿寒岳・雄阿寒岳がよく見えたのだが。
登りで時間がかかり、山頂到着は計画よりも1時間遅くなったので、山頂で昼食をとる。記念撮影をしてから下山を開始する。上二股まで下って休憩を取る。ここから新道コースを通って下山するので、南側の尾根道まで登る。けっこう疲れているので、時間がかかる。熊見峠の手前で休憩を取る。この辺りに薄いピンク色の下を向いた花がある。後で調べてみるとスイカズラ科のリンネソウという花のようだ。少し行くと熊見峠に着き、もう一度休憩を取る。熊が出てきそうな嫌な名前の峠だ。
ここから下二股まではぬかるんだ急な下りだ。コースタイム40分のところ1時間かかる。ここからの下りは、朝登るときに通ったのと同じ渡渉のルートだ。再び10数回の渡渉だ。途中に高さ2メートルくらいのへつりの場所がある。木が生えているので通りにくい。最後の渡渉の際、小生が渡り切ったと思った瞬間に足を滑らせ、尻餅を水の中についてしまう。残念なことにズボンと靴下が濡れる。
旧登山口の林道まで下るとほっとする。小休止をしてから登山口まで下る。16:15到着。計画の13:45よりも2時間30分も遅れてしまう。渡渉や滝の脇の登りが多い厳しいコースだったので、皆さん疲れたものの、楽しかったという感想だ。清岳荘でお手洗いをお借りして、出発の準備をする。
ここから宿泊先の阿寒湖温泉のホテルまでは65kmもあり山の中の道も通るので2時間以上かかる。まずは1時間ほど車を走らせて、弟子屈町にあるコンビニのセイコーマートに立ち寄る。翌朝用のパンや飲み物などを購入する。その際にホテルに電話して、到着が遅くなることを告げる。
ホテルに向けて出発。国道241号線を走るのだが山の中の道でカーブが多い。しかも驚いたことに、夕方で車が少ないためか、道の真ん中にたくさんの鹿がいるのに出会う。それも1,2頭ではなく10頭以上いるのだ。ゆっくり走ってライトをフラッシングして追い払う。それが数回ある。なんとか阿寒湖温泉のホテル御前水に18:50に到着する。受付をして、夕食を20:00からにしていただく。21:00までに食べ終えれば良いとのこと。ほっとして、ゆっくり温泉に入浴する。
食堂に行くと、我々は一番奥の席となっている。夕食スタートが最後の組だ。1時間以内に食べ終わらなくてはいけない。まずは生ビールで乾杯だ。3泊の宿の中では最も良いホテルなので、お料理も良い。珍しいものでは、エゾ鹿肉シチューが美味しい。帆立殻焼も美味しい。満足して食事を終える。この日も早めに就寝とするが、到着が遅かった分、就寝時刻は前日より遅くなる。
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3日目(滝口の雄阿寒岳登山口から雄阿寒岳往復)
この日は雄阿寒岳登山口まで近いので、出発時間を6:00とする。前日コンビニで買っておいたパンなどを朝食としてホテルの部屋で食べる。ホテル近くのローソンで昼食と飲み物などを購入し、登山口に向かう。広い駐車場は滝見橋の所にあり、ここに停める。登山口のある滝口までは徒歩約10分だ。登山口にはお手洗いがあるので利用する。登山口の「阿寒湖」と書かれた看板の向こうには阿寒湖越しに雄阿寒岳が見える。ここで記念撮影をする。
歩き始めるとすぐにエゾイワツメクサが咲いている。本州で見るイワツメクサと比べると葉が厚く、縁毛や種子の翼などが異なるそうだ。太郎湖の手前にエゾシカ頭部の白骨がある。太郎湖からは水が阿寒湖に流れ込んでいる。その先に薄紫色の細いラッパ状の小さい花があるが、名前は分からない。次郎湖の東側を通るが、この湖からは水が流れ出ていないようだ。この辺りまでは緩やかな登りだったが、ここからは本格的な登りとなる。
一合目の標識には、「大きな自然を護るのは小さな一人のマナーから」と書かれている。合目標識には何がしかが書いてある。少し先に「頂上まであと5,000m」と書かれた標識がある。このような標識は、この先4,500m、3,500mのところにもある。その先にはギンリョウソウが咲いている。この花は光合成をしないので色が真っ白だが、ベニタケ類の菌糸から栄養を奪って生きているのだそうだ。また、地上に植物体が現れるのは、花を咲かせ実を付ける約2か月間だけだそうだ。この実はモリチャバネゴキブリというゴキブリの仲間などが食べて種を運ぶのだそうだ。
二合目にも一合目と同じ言葉が書かれている。二合目の少し先には風穴があり、涼しい風が出てくる。三合目の標識には「登山道を外れないよう注意して下さい」と書かれている。四合目の標識には「半分以上クリアしました ここから五合目迄がガマン所」と書かれている。四合目で半分とは、ちょっと驚きだ。二合目の少し下からは阿寒湖が見えていたが、四合目と五合目の間で、雌阿寒岳と阿寒富士が見える。五合目の標識には「ここまできたら8割クリア ●●をゆっくり楽しもう」と書かれている。●は標識が割れていて字がなくなっていたので分からないが、五合目で8割とは四合目に続いて、さらに驚きだ。
その少し先にはハクサンシャクナゲが咲いている。六合目の標識には「眼下はまりもの阿寒湖。自然を護るまあるい気持ちで歩こう」と書かれている。七合目の標識には「高山植物を踏まないよう心配りをお願いします」と書かれている。八合目の標識には「自然は未来への遺産 頂上まであと一息!」と書かれている。九合目の標識には「右側遠くに小さな小さなヒョウタン沼が見えるかな?」と書かれている。ヒョウタン沼には気がつかなかったが、標識にこのような言葉が書かれているのは楽しい。九合目から阿寒湖が小さく見えたと思ったが、どうもこれがヒョウタン沼だったようだ。ヒョウタン沼は雄阿寒岳の南南東の方にある。昭文社の「山と高原地図」にも書いてある。
正午少し前に雄阿寒岳山頂に到着し、昼食とする。食後に記念撮影をしてから下山を開始する。八合目付近にはイワブクロの花が咲いている。また、下山する前方に大きく阿寒湖が見える。登りはけっこうきつかったが、下りは比較的すいすいと歩くことができる。
登山口に着いて、運転手の二人は、駐車場まで車を取りに行く。車を登山口まで回し、登山口を出発し、一旦コンビニで翌朝の食べ物と飲み物を買う。翌朝も宿で食べてから出発することにする。雌阿寒岳温泉 山の宿「野中温泉」に着いてから、夕食を19:00からにしていただき、部屋に入って準備をして、温泉入浴とする。ところが、温泉に行ってみると、洗い場がない。お湯は濃い硫黄泉で、硫黄が濃いために石鹸の泡が全く立たないのだ。このため、洗い場がないらしい。また、内湯のお湯は熱い。露天風呂のお湯も熱いが、内湯よりは温度が低く入りやすい。一応、石鹸とシャンプーで身体と髪を洗うようにしてみるが、身体は擦っただけ、髪はお湯を掛けただけの感じとなる。
夕食では、やはり、まず生ビールで乾杯だ。食事は鍋と天ぷらが主体だ。この日もけっこう疲れたので、早い就寝となる。
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4日目(雌阿寒岳温泉登山口から雌阿寒岳往復)
当初計画ではオンネトー国設野営場から登り始めて、阿寒富士にも登ってから雌阿寒岳に登り、雌阿寒岳温泉に下ることにしていた。このため、予め車2台で国設野営場まで行き、1台を置いてから雌阿寒岳温泉まで戻ってくることになっていた。しかし、前日の雄阿寒岳登山でみんな疲れており、4日目なので、雌阿寒岳温泉から雌阿寒岳往復のコースに変更する。また、お一人の方は前日の疲れが取れないということで、登らないで野中温泉で待っていることになる。
5:00にストレッチをしてから、登山を開始する。初めのうちは樹林帯の中を登って行く。この山も1合ごとにしっかりした標識があるが、言葉はなく山頂までの距離と登山口までの距離が書かれている。また、「雌阿寒岳は活火山です。火口付近は地盤が崩れやすく危険ですので近寄らないで下さい。また、頂上部では突発的な噴火や有害な火山ガスが発生する恐れがありますので、十分注意して下さい」との注意書きの標識がある。
三合目を過ぎて少し登ると視界が開けて来て、オンネトー(湖)が見える。また、前日登った雄阿寒岳も見える。四合目のあたりからは、イワブクロとメアカンフスマの花が見られるようになる。メアカンフスマは白くて小さい5弁の花でかわいい。雌阿寒岳だけではなく、知床山系と択捉島に分布しているそうだ。六合目の上からは、ハクサンシャクナゲやメアカンキンバイが見られるようになる。七合目の上ではエゾノマルバシモツケも見られる。
八合目あたりからは荒涼とした道となるが、メアカンフスマがかろうじて咲いている。さらに九合目あたりになると草木はなくなり、間もなく噴火口を覗くことができるようになる。噴火口の底に赤沼があり、南西のあたりから噴煙が噴出している。北東の剣ヶ峰の西側にも大きな噴火口があり、噴煙が上がっている。その向こうには阿寒湖と雄阿寒岳が見える。もう少し登ると南に阿寒富士の格好良い山容が見えてくる。雌阿寒岳の南東側の噴火口には青沼があるが、山頂からは見えない。
山頂付近は風が強いので、記念撮影をして下山を開始する。順調に下山し、五合目で休憩を取る。五合目の少し上に綿毛のついた植物があるが、名前は分からない。さらに順調に下山し、早い時間に登山口まで下りることができる。やはりコースを変更して良かったと思う。山の宿「野中温泉」まで戻って、荷物を整理していると、宿で待っていた方がかき氷を全員分用意してくださる。いただくと冷たくて美味しい。大変ありがたい。
続いて、阿寒湖温泉で温泉入浴するホテルを探し、ホテル阿寒荘に電話で問い合わせると12:00から日帰り入浴が可能とのことで、そこに行くことにする。ホテルの駐車場には11:30ごろに到着する。ザックから入浴セットや着替えを出し、パッキングし直す。一旦、ホテルで日帰り入浴の受付をして、ロビーで待つ。暫くすると掃除が終わったので、入浴しても良いと声が掛かり、5階の展望大浴場に行く。我々しかいないのでゆったりと入浴し、汗を洗い流す。
入浴後に、駐車場でもう一度パッキングし直す。昼食を食べる所を探すが、車で移動すると駐車場があるお店が見つからない。このため、ホテル阿寒荘にお願いして、もう一度車を停めさせていただく。そして、近くのお店を教えていただき、そば処の百味庵に行く。テーブル2卓に分かれるが、小生の座ったテーブルのメンバーは、ほとんどがざる山かけを注文する。そばの麺は緑色をしている。お店の方にお尋ねするとクロレラを練り込んだそばとのこと。美味しくいただく。
食後に釧路市湿原展望台に向かう。1時間ほどで到着する。屋上が展望台になっているようだが、入館料が480円かかるとのことで、外を散歩することにする。しかし、少し歩いても木々の間の道を歩くだけで釧路湿原は全く見えない。地図を見ると湿原は非常に広く、高い所から見ないとよく分からないらしいと分かる。このため、10分ほど歩いた所で引き返す。
釧路空港に到着し、ニッポンレンタカーの営業所に車を回して返却する。釧路空港ビルでは、チェックインが16:00からとのことでしばらく待つ。その後、みんな2階のお土産屋さんに行く。けっこうたくさん購入される。小生は全くなしだが。その後、3階のレストラン「北斗」で反省会兼夕食だ。生ビールで乾杯し、ザンギ(鶏の唐揚げ)などをいただく。
航空機が離陸し、やっと4日間の山行が終わったという感じがする。今回は天候に恵まれ充実した山行となる。
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