谷川岳(西黒尾根)
山行情報
日時:2022/02/16 天候:晴のち雪ランク:D-C-8:00 参加:7名
山行担当:CL3420 SL3623
記録担当:文責:3478 写真:3217,3418,3623
山行記
快晴の下、全員意気軒昂と上越線土合駅に集合し、国道291号線を谷川岳・西黒尾根登山口に向かう。登山口前の登山指導センターまでは除雪された道路を進んだが、そこから先の登山口には1mを超える雪の急斜面が壁のように迫って見える。
輪かんを着装し、登山口に残っている崩れかけたトレースを頼りに、樹林帯の急斜面を登り始めるが、直ぐにトレースは消えルートファインディングしながらのラッセルワークとなる。一旦、林道に出てひと息した後、再び微かに残るトレースの雪面から入り、先頭を交代しながら急登をラッセルワークにて進み、約40分で鉄塔のある緩やかな雪面に辿り着く。
今回の山行の目的は谷川岳登頂ではなく、西黒尾根での雪山技術の実習である。午後からは天候悪化の予報であり、ここで雪山訓練を開始する。雪中のビバーク訓練では、雪庇や霧氷などから方位や風向きを判断するなど周囲の様子からビバーク場所を選び、各自がピッケルのブレードとシャベル代りのコッフェルを使い、雪穴掘りを開始する。約20~30分で深さ約1mのL字型の雪穴を作り、ツエルトを被り完成。コッフェルでも意外と雪掻きが出来ることを実感する。
次は全員で雪洞作りに入る。やはり周囲を観察し掘る場所を決め、スコップとスノーソーを使い交代で穴掘りを開始し、約1時間で7人全員が足を伸ばして座れる広さの雪洞を完成させた。また、雪洞箇所の上部に竹棒などで目印を付けることも学んだ。スノーソーは雪を大きく角形に掘り出せて作業時間を短縮することが出来た。更に角形の雪塊を積み上げて、トイレも仮設した。午後からは天候が悪化し、降雪の中での訓練となったが、スノーバーやストック、スーパー袋を利用したアンカー作りを実習した。また、雪崩と弱層についての説明も受け、実習を終えた。
【CL追記】
この時期の西黒尾根に行ったことが無く、またラッセル訓練の適地と聞いていたので現地調査を兼ねて計画を立てた。当会の冬山は、小屋泊り又は幕営ピストンが中心でラッセル経験が浅く、どこまで訓練できるか雪はどこまで深いか手探りで進めた。3日前の13日近場の足拍子岳では雪は未だ新雪状態だったが、山行前日の15日新潟では春一番が吹いたので、雪は重く湿ったものとなり弱層テストしたところ弱層がなく均一になっていた。
天神平スキー場で4mあっても、春一番のせいか西黒尾根は意外に少なかった。鉄塔のところで、雪洞を掘ったが積雪1.5mくらいだったろうか。もう少し吹き溜まりを探せば多いところもあったかもしれないが。ヤマレコで雪洞を掘って泊まった記事もあるので、要調査。泊まる予定ならテント持参も必要か。西黒尾根は、横一列になって上り下りできるので、駅近のよいラッセルの練習になる場所であることは分かった。樹林限界まで行ってくれば、実になる練習となるだろう。朝は快晴だったが、清水峠方面から曇りとなり午後から気温が急激に下がり、下山する時には顔に雪が積もるように感じられるほどの本降りとなった。山の恐ろしさを思わせる天気変化だった。
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