大台ヶ原

神々しい堂倉滝

山行情報

日時:2023/05/26 ~ 2023/05/27 天候:曇りのち晴れ
ランク:C-C-7:30 参加:8名
山行担当:CL2535 SL2588, 3428
記録担当:文責:3956 写真:3713, 3956

コースタイム

【1日目 】
大杉峡谷登山口BT12:10…12:41熊谷吊橋12:49…14:36シシ渕14:41…15:17ニコニコ滝15:22…16:26桃の木山の家(泊)

【2日目 】
桃の木山の家06:36…07:14七つ釜滝07:20…08:22光滝08:30…10:14粟谷小屋10:46…12:07しゃくなげ平12:12…13:03日出ヶ岳13:26…14:07大台ヶ原BT

コースマップ

記録日:2023/05/26
合計距離: 6685 m
最高点の標高: 496 m
最低点の標高: 273 m


記録日:2023/05/27
合計距離: 10379 m
最高点の標高: 1703 m
最低点の標高: 468 m

山行記

1日目

今年の3月にみろくに入会。GWの山行が雨で中止になったので、今回が私にとってはみろく初の一般山行となった。大杉谷峡谷は黒部、清津と並ぶ日本三大峡谷のひとつで、是非とも行ってみたかったので、今回は雨天中止にならないよう祈っていた。電車とバスを乗り継ぎ、7時間かけて登山口に到着。バスは途中の大杉谷登山センターで停まり、車中で警察官と思わる方から危険個所や登山にあたっての注意事項の説明があった。

登山口に着き、歩き始めるころには雨は止んだ。登山口から歩き始めると、直ぐに深いV字の谷を覆う深緑と、エメラルドグリーンの宮川の絶景に圧倒された。このあたりは、屋久島と並び日本一雨の多い地域である。登山道は宮川の左岸の岩壁をくりぬいて造られ、岩壁からしみ出る清水によって滑りやすくなっていたが、危険個所には鎖が張られしっかりと整備されている。とはいえ、濡れた岩場の急斜面の登り下りや、濡れて滑りやすい吊橋には神経を使った。

苔むす岩場や吊橋を4つ越え2時間ほど歩くと、135mという大杉谷峡谷最大の落差を誇る千尋滝が現れる。天から降り注いでいるように見えることから、「天空の滝」とも言われるそうだ。さらに50分ほど歩くと本日のハイライト、シシ淵に着く。シシ淵は周囲を絶壁に囲まれ、川の流れはゆったりとしていて、翡翠色で透き通った水を湛えた神秘的な場所である。奥に見える落差50mのニコニコ滝が、風景をより印象深くしている。

ここから吊橋を3つ渡り、1時間半ほど歩くと宿泊地の「桃の木山の家」に到着する。途中の平等嵓吊橋(びょうどうぐらつりばし)からは、平等嵓という、水墨画によく見られるような見事な岩壁が見える。それなりの高度感があり、この吊橋の途中で写真を撮るのはやや怖かった。



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2日目

朝、6時半過ぎに出発。1日目よりも天気は良く、日が差す時間もあった。2日目の前半は宮川沿いを進む前日と同じような雰囲気の登山道で、その後、宮川を離れると急登が待っている。

出発して30分ほどで、日本の滝100選に選ばれた七ツ釜滝に着く。ここには展望台も設置され、数段に分かれた雄大な滝と滝壺をゆっくり眺められる。七ツ釜吊橋を渡り宮川の右岸に出て、道幅が狭く大変滑りやすい「回廊」を歩く。今回はここで少し渋滞したが、川のすぐ近くを歩くので、迫力ある渓流の様子をすぐそばで見られた。

その先で、2004年の台風によって山肌が崩壊した「崩落地」と呼ばれている場所に出る。ここは、一軒家ほどの大きな岩がゴロゴロと転がっているが、しっかり整備されているので、難なく通過できた。その先には隠滝吊橋の脇にある小さな隠滝、さらに進むと木立の隙間から対岸の岩肌を流れ落ちる3段2条の与八郎滝を望む。最後の吊橋である堂倉滝吊橋を渡ると、落差20mながら広い滝口と大きな滝壺が印象的な堂倉滝の正面に出る。光の加減もあるのか、とても神々しい姿である。この滝を過ぎると、いよいよ登りが始まる。ここから先は、花々が我々を癒してくれた。

登り始めて20分ほどでギンリョウソウを見つけた。昼食を取った粟谷小屋を過ぎて、苔の綺麗な森を進む。出発から4時間、シャクナゲ坂を進むも、シャクナゲはほぼ終わっていた。少しがっかりしながら登っていくと、今度は満開のシロヤシオとミツバツツジが我々を出迎えてくれた。満開のシロヤシオのトンネルは、これまでの疲れが一気に吹き飛ぶほど見事だった。

シャクナゲ坂を登りきり、シャクナゲ平に出ると、華やかなピンク色のシャクナゲがまだ咲いており、我々を楽しませてくれた。シャクナゲ平を抜けると、植生ががらりと変わり一面笹原となる。すると我々の100mほど先を2頭の鹿が走り去った。大台ヶ原一帯は、シカの害が深刻のようで森林が次々と枯れているそうだ。

午後1時過ぎ、無事に日出ケ岳山頂に到着。雲が多かったが、山頂からは八経ヶ岳方面を見渡すことができた。山頂をあとにし、午後2時、全員元気に大台ヶ原に到着した。天気にも恵まれ、本当に贅沢な2日間だった。

【CL追記】

2日間ともに順調な山行でした。健脚揃いで山行計画時間より早めに進めたため、休憩時間を多めにしてゆっくりと滝、花や新緑を楽しみました。山行ルートはしっかり整備されています。急登、苔や湿った地面で滑りやすい場所には太めの鎖が設置されています。ストックを使わずに両手でしっかり鎖を握って足場を確保しながら、一歩一歩慎重に進むことが身の安全を確保する第一歩です。以前にダブルストックを使った登山者の滑落事故があったようです。

無事に下山できました。SL、参加者の皆さんに深謝です。



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