裏岩手連峰縦走(ロングトレイル)

日本最大級の露天風呂?左の岩は崩落しそうだ

山行情報

日時:2023/07/04 ~ 2023/07/07 天候:晴れのち曇り /超強風 /曇り
ランク:C-D-9:00 参加:3名
山行担当:CL3519 SL3630
記録担当:文責:3519 写真:3824

コースタイム

移動日
田沢湖駅14:20=15:10黒湯温泉(泊)
1日目
黒湯温泉05:30…08:00乳頭山(烏帽子岳)08:05…11:00滝ノ上温泉11:30…14:00三ツ石山荘 (泊) (歩7時間55分)
2日目
三ツ石山荘06:15…08:50大深岳09:00…13:30畚岳13:40…14:25藤七温泉(泊)  (歩7時間50分)
3日目
藤七温泉06:30…07:10八幡平07:20…10:10後生掛温泉10:20…12:25焼山山荘12:40…15:00玉川温泉(泊)  (歩7時間55分)

コースマップ

記録日:2023/07/05
合計距離: 13905 m
最高点の標高: 1480 m
最低点の標高: 623 m


記録日:2023/07/06
合計距離: 15322 m
最高点の標高: 1541 m
最低点の標高: 1286 m


記録日:2023/07/07
合計距離: 18522 m
最高点の標高: 1618 m
最低点の標高: 742 m

山行記

本山行の趣旨は、広大な北東北エリアのど真ん中、南は三ツ石避難小屋から北は八幡平手前の畚岳登山口までの、裏岩手連峰縦走コースと呼ばれる稜線(夏は花、秋は紅葉で有名)を堪能することにあった。

コースとしては、南は三ツ石避難小屋の東方の岩手山から入り、北は八幡平から東方の安比高原に抜けるルートもあるが、今回は、山行名は裏岩手連峰縦走だが、あえて温泉にこだわり、田沢湖駅からバスで乳頭温泉郷の黒湯温泉に入り、最後は、八幡平から西に向かい玉川温泉に抜けるルートを選んだ。 途中、藤七温泉にも泊まり、ルート上には、滝ノ上温泉、後生掛温泉等も通る。まさに、裏岩手連峰縦走温泉ツアーと命名すべき山行だった。

前日、東北新幹線にて田沢湖駅で降車、バスで乳頭温泉郷黒湯温泉に向かう。終着駅の乳頭蟹場温泉で降車。そこから宿の車で黒湯温泉に向かう。黒湯温泉は、昔風の茅葺屋根と温泉も乳白色の素晴らしい湯。小さいお風呂ながら混浴、われら3名興奮状態。自炊棟で無限キャベツサラダ、魚肉ソーセージのスライスチーズ&春巻きの皮焼き、マルタイラーメンに満足。

対岸には黒湯温泉の別荘もあり、貸し切りで大騒ぎしても咎められる事はない。次回は別荘で。宿の従業員も親切。田舎の人は親切ですね。



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1日目

さて、乳頭山への登山路は沢コースと尾根コースがある。沢コースには一本松温泉跡があるが、尾根コースには田代平がある。花と眺望を期待して孫六温泉からの尾根コースで乳頭山に向かう。

乳頭山は秋田県と岩手県の境にあり、秋田県からは乳頭山だが、岩手県からは烏帽子岳と呼ばれている。秋田県側から登ったが、山頂を超えると岩手県になり山頂を振り返るとまさに烏帽子岳と呼ばれるのがよく分かった。

ここから滝ノ上温泉までひたすら下り。木道もあるが、とにかく滑る。滝ノ上温泉は元湯100℃、“日本一熱い温泉”とあった。

滝ノ上温泉から三ツ石避難小屋まではひたすら登り。避難小屋手前で、本日初めて人に遭遇。雫石町の監視員の方で、クマよけスプレーを手に持ち歩いていた。熊は頻繁に出るとのこと。避難小屋手前の水場の状況を聞いたら、水はチョロチョロしか出ていないが、その下のバケツの水を汲めばよいとのこと。また、避難小屋の戸は必ず締めるように言われた(熊が入らないように)。

三ツ石避難小屋は湿原に囲まれ素晴らしい小屋だ。小屋からは東に向かうと岩手山まで行ける。交通の要衝であり、かつ裏岩手連峰縦走コースの南端でもある。

夜は低気圧接近に伴い大雨予報。朝には雨が上がることを期待し就寝。



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2日目

この日は裏岩手連峰縦走の稜線歩きを堪能するメインイベント。天候は如何に? 朝には雨もほぼ上がったが、風が強い。まず三ツ石山に登る。40分程の行程だが風を遮るものがない。山頂で眼鏡を飛ばされた。急いで拾い岩陰に退避し、ひもで眼鏡を飛ばされないように補強し、レインウェアのフードもしっかり被った。猛烈な風に飛ばされないように姿勢を低くして歩く。

三ツ石山から1時間強で小畚山。ここも風を遮るものがない。本来、このあたりは360度の大展望が期待できる所だが、強風のうえに霧が次々に流れて来るので眺望もない。あまりに風が強いため、稜線歩きをやめることも考えた。後で調べたら三ツ石山から小畚山の稜線は強風の通り道で、冬でも雪がつかず夏道が出る所とのこと。下山するにしても、大深山避難小屋まで行かなければならない。

小屋手前の水場で給水し(ここはジャバジャバ出ていた)、小屋で休憩。松川温泉への下山も考えたが、予定通り歩くことにした。嶮岨森、諸桧岳、畚岳と八幡平手前の畚岳登山口まで歩いたが、風が弱まることはなかった。幸いなことに、小屋から先はハイマツや笹が茂っていたため歩き続けることができた。しかし稜線からの景色を見る余裕もなく(実際には霧で見えなかったが)、写真を撮る余裕もなく、ただひたすら歩いただけで残念であった。

最後、車道を20分程下り、やっと藤七温泉に辿り着いた。「登山天気」でこの日の風速を見たら風速19メートルだった。



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3日目

風は収まったが、朝は霧が深く見通しが効かない。藤七温泉から1時間程で八幡平の展望台に到着。何も見えない。途中、ドラゴンアイで有名な鏡沼を通ったが、1か月遅かった。八幡平から玉川温泉までは、高低差の少ない静かなトレールであるが、ルート情報はほとんどなしベースで臨んだ。まず八幡平から蒸ノ湯まで下る。天候もようやく回復。途中の田代沼までは緩やかで快適な道、田代沼から蒸ノ湯までは一転して転石や木道老朽で歩きにくい。蒸ノ湯から焼山登山口の後生掛温泉への登山路は森の中の散歩道のよう。

後生掛温泉から焼山を超えて玉川温泉までの登山路がこの日のハイライトであった。登山路は、右側をまわるベコ谷地コースと毛せん峠経由の尾根コースがあるが、尾根コースを選択した。1時間半程度、やや荒れた道をひたすら登る。毛せん峠に出ると一気に視界が開けた。同時にイソツツジや様々なお花畑が目に飛び込んできた。尾根コースの選択は大正解。焼山避難小屋で二つの登山路は合流。小屋から20分程歩くと突然日本最大級の露天風呂?(但し入れません。ガスのため近づくこともできません)が現れた。「こんなところに、こんなのがあるんだ」。びっくりだった。

焼山から2時間下って、最終目的地の玉川温泉に到着。まずは温泉に。いきなり源泉100%の湯に入ったらおしりがピリピリに。刺激が強すぎたので、すぐに源泉50%に入り直した。玉川温泉の湯は刺激が強いので、まずは源泉50%の湯に入るようにしよう。

ヤマレコの記録で全行程は、25時間40分、距離47km、登り下り3,000mだった。

【CL追記】今回入った温泉は乳頭温泉郷の黒湯温泉、藤七温泉、玉川温泉の3か所ですが、その他で登山路にあった温泉は一本松温泉跡(手掘りの露天風呂)、滝ノ上温泉、蒸ノ湯温泉、大深温泉、後生掛温泉でした。



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