毎年人気のテント泊入門山行。今年は若手中心のメンバーとなった。昨年から各回12名の参加者と4名のリーダーからなる、16名体制で同じ山に2回登る。テント泊入門山行では食事、テント設営サポートの観点から、毎回4名のリーダーが必要となる。合計7回の山行があり、初回の滝沢園では多くの人が同時に参加するため、累計35名あまりのリーダーの参加が必要となる。その準備は昨年の10月からスタートし、「自分もこの入門を経験したから、テント泊山行ができるようになった。後輩の皆さんのサポートを通じて、会に恩返しをしたい」というありがたい意識を持って参加してくれるリーダーに支えられて成立している。
前日夜にバスタ新宿から夜行バスで出発し、5:10に富山駅前に着いた。バスは3列シートでリクライニングが深くフットレストもあり、けっこう身体を休めることができ、体調は万全だ。 富山電鉄と立山アルペンルートを乗り継ぎ、登山口の室堂に到着。ここでテント・食料等の共同装備を分担し直すと私のザック重量は約22Kgになった。参加者の女性達も20Kg前後を担ぐ。泊地の真砂沢テント場までは距離8.6㎞、登高658m、下降1,325mの道のりだが、本番の明日に疲れを残さないように歩くのが肝心だ。しかし、SLとして先頭に立った私はたびたび歩くのが早すぎとの注意を受けてしまった。自分ではペースを抑えているつもりでも、初めての劔岳バリエーションルートに心が逸っていたようだ。
2015年、2016年、2019年に北岳バットレス第4尾根を登攀。2022年に下部フランケ~Dガリー奥壁を登攀。今年はピラミッドフェース~第4尾根登攀。今回も青空に向かって、クライミングを楽しめた。8/12(土)、2時に起き3時にテント場を出発。ピラミッドフェースを狙っているというパーティのテントの明かりはついていない。もう出発したのだろうと思いながら、満点の星空の下をバットレス取り付きまで歩く。去年はC沢とD沢の間の中間尾根に乗ってから踏みあとを見失い、夜露に濡れやぶ漕ぎをした。今年はやぶ漕ぎのないよう、中間尾根に乗ってからD沢を上がっていく。