西穂高岳〜奥穂高岳(夏山定例)
山行情報
日時:2020/08/01 ~ 2020/08/03 天候:1日:晴れ 2日:曇り時々晴れ 3日:曇り時々晴れ、一時雨ランク:D 参加:5人
山行担当:CL3224 SL3338、3629
記録担当:文責:3629 写真:3224,3338、3402、3418、3629
コースタイム
1日目 新穂高ロープウェイ12:38~13:40西穂山荘14:05~14:27西穗丸山14:32~14:43西穗山荘
2日目 西穂山荘03:55~04:56西穂独標05:04~06:16西穂高岳06:23~07:50間ノ岳08:15~8:52
天狗岩08:57~09:24天狗のコル9:33~10:54ジャンダルム11:37~12:31馬ノ背12:32~
13:06奥穂高岳13:27~13:53穂高岳山荘
3日目 穂高岳山荘05:32~06:14奥穂高岳06:19~07:40紀美子平07:47~09:38岳沢小屋10:01~
11:38上高地河童橋
山行記
新型コロナによる長い自粛期間とその後に続く長雨のため、岩稜歩き10時間、途中小屋は無しというルートを歩くには、十分な自主練が出来ず、その上、上高地一帯の群発地震による落石、エスケープルートの消滅など、メンバー全員が不安を持ちながらの出発であった。
初日は新穂高ロープウェイから西穂山荘までの約1時間、ゆっくり行こうねと声を掛けながら久しぶりの道を歩く。その日は丸山まで登り、本番のため体力を温存した。
二日目、ヘッデンを付け出発。独標では朝焼けに会え、山頂の崩落個所に気を引き締めた。順調に西穂高岳山頂に到着、赤い間ノ岳までのガレ場を見やり、一人でも怖いと思ったら撤退するというCLの言葉を思い出す。それでも大きな落石を起こすことも無く、間ノ岳に到着。そこからは、山荘も地震後は把握していないルートになる。しかしここまで来たらもう後戻りは出来ない。リスクは進むも戻るも同じだった。
逆層スラブ、天狗の頭、天狗のコルへと慎重に進む。ここからジャンダルムへは300mを一気に登る。ゆっくりゆっくり目印の丸を探しながら歩く。目の前にジャンダルムが見えた。さぁ写真とテンションが上がる。登り口に着く。今までと同じ、自分の手足を信じ、気を抜かないでと言い聞かせながら高度を上げる。頂きではいつものように天使が待っていた。
その後もロバの耳のトラバース、馬ノ背と難所は続く。馬ノ背を登ったらヴィクトリーロードだとMさんが笑う。後ろを振り返るとガスのかかった幽玄な姿のジャンダルムがあった。
最終日は予定通り吊り尾根経由の岳沢、上高地へと下りることになった。例年に無い登山道の荒れ、午前中からの雨予報にもかかわらず。その判断を出されたメンバーの中に自分がいることを誇らしく思った。
小屋を出発。昨日歩いた道を登り返す。昨日はゴールだった山頂が今日はスタートになる。雲の様子を眺めると、後ろの山に大きな傘雲がかかっている。なんとか岳沢小屋まで降らないでと願う。休憩を取りながら紀美子平へ着いた。天気が心配だったため、前穂高岳には寄らず。重太郎新道への下りは例年でも事故の多い道だ。気を抜かずに先へと進んだ。難所を超え、もうそんなに危ない場所は無いな、なんて思っていたら前のめりに転びそうになる。油断禁物である。岳沢小屋に着く頃、ようやく雨がぱらつく。しかしあっという間に止んで、雨傘は日傘となった。風穴で涼み、湧き水で喉を潤し、大雨の影響で水量の増した梓川に驚く。上高地で観光客と行き交う頃、最後まで笑顔でこの山行を終えられたことを感謝した。
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