滝谷ドーム中央稜
山行情報
日時:2023/07/28 ~ 2023/07/30 天候:晴天時々雷と雨ランク:D-D-10 参加:6名
山行担当:CL3063 SL3224
記録担当:文責:3634 写真:3626
コースタイム
7/29
北穂小屋05:50…07:50ドーム取り付き…08;00登攀開始…11:30登攀終了…13:00北穂小屋
コースマップ
記録日:最高点の標高: 3115 m
最低点の標高: 1502 m
山行記
はじめに
滝谷は、穂高連峰の北端、北穂高岳3,016mから切れ込む岩の墓場ともよばれる谷。谷の奥には北穂ドームをはじめとする岩壁が屏風のようにそびえ立つ、会山行では2019年以降天候不良で開催できず、私がMRT(マルチピッチ・ロープワーク・トレーニング)を卒業した時、新人ではすぐには無理だからと2年後参加を目標に今年やっと参加できると心が弾む。
1日目
当日は北穂小屋集合、沢渡から朝一でタクシーに乗り上高地へ。ここから9時間の登りだ。頂上直下3,000m手前で雷、大雨に降られ岩陰に隠れながら雷が落ち着くのを待つ。小雨になり、さあ行こうとするとまた雷。なかなか進めず30分以上停滞。寒い中、岩の間で雨を凌ぐ。雷が遠のき何とか北穂小屋でメンバーと合流する。
小屋泊の良いところはボイラーで濡れた物が全部乾かせること。明日のクライミングに向けて夜ご飯を食べてすぐに就寝。
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2日目
朝一から岩稜歩きだが、朝露か昨日の雨の名残か、岩は濡れている。普段より慎重な歩き出し、北穂小屋から奥穂高への稜線から外れ、浮石の多いガレ場を下り踏み跡にそって一度懸垂してからトラバース歩きで取り付きへ。昨夜の雨のせいか取り付きには私たちが一番乗り、その後も誰も来なかった。
2パーティの6人でスタート。
1ピッチ:カンテからチムニーの中へ 。朝一の濡れた岩場に先輩が果敢に登攀していく。セカンドで登るが、チムニーで身体が挟まる。ザックが邪魔になるため、ザックをおろしてハーネスにつけて、モゾモゾしながら上がっていく。
2ピッチ:リッジ〜カンテトラバースして左のスラブからテラスへ。快適なリッジ、最後のスラブの一手がやや怖い。
3ピッチ:ガレ場歩き。安全のためロープを繋げて歩く。
4ピッチ:凹角上部突き当たりのチョックストーンを越える。リードをさせてもらった、上部のチョックストーンをアンダー持ちしながら、両足でステミンクして登る。 ロープアップ時に片方のロープが引けなくなり焦る。先輩がトランシーバーで引けるロープのみアップ指示、先輩が登りながら引けないロープを直す。古い壊れたハーケンの間に引っかかって取れなくなっていた、引っかかりを直してロープアップする。アクシデント経験値の少ない自分はパニックになっているが、先輩のアドバイスは天の声であった。
5ピッチ:凹角を登りハングを右から越える。最後の一手は手足ジャミングで登る。ドーム頂上?へ行き記念撮影。
お昼頃にはクライミングを終了し、北穂小屋に戻り絶景の槍の稜線を見ながらの乾杯、楽しい宴会が始まる。日の入りをのんびり見ながら本日は終了。
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3日目
北穂小屋から上高地への下山。この日が一番天候が良いせいか、交通渋滞が暫しみられる。景色を堪能しながらのんびり歩く。
今回の滝谷ドームは、クライミング以外に取り付きまでのガレ場歩き、3級ほどのクライムダウン、スムーズな岩稜歩きと懸垂下降と、さまざまな山スキルが求められた。クラック登りをミックスしながらの楽しいクライミングだった。連れて行ってくれた先輩には大感謝だ。
【CL追記】
4年ぶりに実施できて良かったです。アタック前日までの天気は午後雷雨予報で、小屋での集合も心配でした。登攀時は、雷雨の心配も有りましたが一日晴天に恵まれ何よりでした。
メンバーは4年ごしで待っていた方をはじめ、アルパイン数本経験者を優先させて頂き、皆さん登攀力に問題なく、初めてのルートを良いペースで安全に、最終ピッチまでクリアし、登攀成功に繋げてくれました。来年は参加メンバーが山行をやってくれると期待してます。
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