二岐山・甲子山

甲子山登山道脇の紅葉

山行情報

日時:2022/11/02 ~ 2022/11/03 天候:11/2 快晴のち晴れ、11/3 快晴のち晴れ一時曇り
ランク:B-B-4 参加:10名
山行担当:CL2280 SL3131、3129
記録担当:文責:2280 写真:2280

コースタイム

1日目
東京(東北新幹線やまびこ203号)6:40‐8:03新白河(レンタカー新白河駅前店)8:20=8:50道の駅羽鳥湖高原8:55=9:25御鍋神社駐車場9:40…9:50男岳登山口…10:45ブナ平10:50…11:45男岳(昼食)12:10…12:30女岳12:35…13:00男岳13:10…13:55ブナ平14:05…14:40男岳登山口…14:50御鍋神社14:55…15:00御鍋神社駐車場15:15=15:30二岐温泉やすらぎの宿桂祗荘(泊)
歩行時間4:20/休憩時間1:00(登り2:00/男岳-女岳往復0:45/下り1:35)

2日目
二岐温泉やすらぎの宿桂祗荘7:40=8:10コンビニ8:20=8:40甲子温泉近くの駐車場8:55…9:05白水沢甲子山登山口…9:35途中休憩9:40…10:15猿ヶ鼻10:20…10:50甲子峠分岐…11:15甲子山11:20…11:25小ピーク…11:30甲子山(昼食)12:00…12:20甲子峠分岐…12:45猿ヶ鼻12:50…13:15温泉神社13:45…13:50白水沢甲子山登山口…14:00駐車場14:05…14:10甲子温泉(ストレッチ後に温泉入浴)15:00=15:40レンタカー新白河駅前店
【歩行】歩行時間3:35/休憩時間0:50(登り2:10/甲子山-小ピーク往復0:10/下り1:25)

コースマップ

二岐山と甲子山付近の地形図

二岐山付近の歩行地図

甲子山付近の歩行地図

山行記

まえがき

東北の紅葉がきれいな時期にどこかに行こうと検討し、個人山行で福島県の二岐山(ふたまたやま)甲子山(かしさん)を計画しました。これまで山行にご一緒した方や世話役会「山と温泉」の会員の方のうち、私がよく存じ上げている方合計30名ほどをお誘いし、参加者は12名の予定でした。しかし、直前になって2名が不参加となり、10名になりました。

予定どおり実施し、天候に恵まれ、紅葉と素晴らしい展望を満喫することができました。また、宿泊した二岐温泉のやすらぎの宿 桂祗荘は温泉が良く、お料理も美味しく、全国旅行支援(福島県「来て。」割)を利用したので1名5,000円引きで宿泊することができ、福島県観光特典クーポンを1名3,000円分いただき、大変満足のできる宿泊でした。



1日目(二岐山登山 二岐温泉「やすらぎの宿 桂祗荘」泊まり)

東北新幹線やまびこ203号で新白河駅に到着し、西口駅前にあるオリックスレンタカー新白河駅前店で予約しておいたレンタカー2台を借りる。ワゴン車のVOXYには6人乗車してKさんが運転し、普通車のヤリスには4人乗車して小生が運転する。登山口に向かう途中、道の駅 羽鳥湖高原で小休止を取る。この付近の山々は紅葉できれいだ。二岐温泉の旅館の前を通過すると、道幅の狭い非舗装の悪路となる。この道を時速20km以下でゆっくり走っていく。15分ほどで広い御鍋神社駐車場に着く。

準備をして、ストレッチをしてから出発する。しばらく林道を歩くと男岳登山口に着く。林道歩きの途中は登山口付近まで紅葉がなかなかきれいだ。登り始めるといきなりの急登だ。途中に「八丁坂」と書かれた標識がある。30分ほど登ると「あすなろ坂」と書かれた標識がある所に出る。その先は少し坂が緩やかになる。

さらに登って行くと傾斜が次第に緩やかになり、「ブナ平」と書かれた標識の所に着く。ここで休憩をとる。確かにブナ林が広がっていて平らな地形の所だ。ここからしばらくの間は緩やかな道が続く。すると正面に丸い山容の山が見えてくる。これが男岳のようだ。

標高1,300m辺りからは急登となる。ここまで標高差300m少しを登ったが、あと250mほど登ると山頂に着く所だ。この坂道には「男岳坂」と書かれた標識がある。歩行距離だろうか山頂まで490mと書かれている。段差のある急な登りを越えていくと、男岳の山頂に着く。とても展望の良い所だ。

北北東方向には猪苗代湖が見えている。その手前の山にはたくさんの風力発電の風車がある。正面に雲が掛かっている山が磐梯山だろうと思われるが、残念ながら裾しか見えない。ここで昼食とする。

記念撮影をしてから、空身で北北西にある女岳に向かう。男岳から見ると丸い山頂が見える。二岐山は乳房山ともいうようで、遠くから見ると丸いピークが並んで見えるようだ。元々は火山活動による溶岩ドームだそうだ。女岳には一旦急な斜面を下る。下りきったコルに「笹平」と書かれた標識がある。確かにクマザサがたくさん生えている。ここから急な斜面を登り返すと女岳の山頂に着く。こちらは山頂が木々に覆われていて、展望がない。

記念撮影をしてから男岳に戻る。男岳を出発して下山を開始する。結構な急斜面の下りなので、ゆっくり下る。ブナ平から男岳までの登りに掛かったのは55分だったが、この間の下りは45分だったので、やはり時間が掛かったことが分かる。ブナ平で休憩し、男岳登山口まで下る。この間の登り時間は55分のところ、下りは35分だった。やはり上の方が急斜面だったということだろう。

男岳登山口から林道を歩き、駐車場の手前で南に下る。直ぐに鳥居があるが御鍋神社までは少し下る。川の脇に神社の建物があり、通常の神社では鈴が吊り下げてあるところに大きなお釜のような御鍋が吊り下げてある。その中に鈴があり、これを紅白まだらの紐で鳴らすようになっている。

この神社の由緒が書かれた立て看板があるが、平安時代中期に平将門が戦いに敗れ、密かに逃れて来て、その妻桔梗姫と一族がこの地に隠れ住んでいたという言い伝えがあるそうだ。この鍋は一族の再起を祈願して朝廷から賜った鍋(、かなえ)をご神体にして神社を祭ったそうだ。また、神社の社の前に樹齢520年で高さ42m・幹の周り3.8mという大きな(サワラ)の木がある。いずれにしても非常に珍しい神社だ。

駐車場まで戻り、ストレッチをしてから、二岐温泉の宿泊先のやすらぎの宿 桂祗荘に向かう。宿では全国旅行支援(福島県「来て。」割)を受ける手続きをしてから部屋に入る。夕食まで時間があるので、まずは温泉に行く。内湯はお湯の温度が高いので水で埋めなくては入れない。後で宿の方に尋ねると源泉の温度が高いそうだ。二岐温泉は御鍋神社と同様に平安時代に開湯した硫酸塩泉の自噴泉で、1,200年以上の歴史があるそうだ。

露天風呂は囲いのある所にあり時間により男湯と女湯が入れ替わる。18時までが男湯なので、内湯の次に露天風呂に行く。こちらはぬるめで温度がちょうど良い。

夕食にはいろいろなおかずがあり、国産牛肉の陶板焼きがメインで、馬刺し、イワナの唐揚げ、身欠き鰊などがある。ビールで乾杯の後、熱燗や冷酒も注文して、美味しくいただく。小生は夕食後にもう一度温泉入浴だ。女性の何名かの方は露天風呂に行かれたらしい。部屋に戻ると、男性部屋にTさんが来られていて、楽しく歓談する。21時には就寝とする。



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2日目(甲子山登山 甲子温泉で入浴)

5時に起床し、洗面の後、温泉に入浴する。朝食まで時間があるので、散歩に行くことにする。出発前にフロントの所に田中陽希さんの色紙があることに気が付く。2020年3月8日に桂祗荘に泊まられ、NHKのグレートトラバース3の一環で日本三百名山の二岐山に登られたそうだ。外に出るとこの日も天気が良く、紅葉の木々がきれいだ。すぐ近くに温泉神社があるが、鳥居と小さな祠だ。

通常、朝食は7:30からだそうだが、お願いしてあったので、6:50には用意していただく。朝食の前に出発の準備をしてザックなどの荷物は車に積んでおいたので、朝食後に早い出発ができる。出発前に桂祗荘の入口前で記念撮影だ。まずはコンビニに寄って、昼食や飲み物を購入することにして出発する。雲一つなく晴れていたのに、宿を出てしばらくすると霧が立ち込めてきて間もなく満天の曇り空になる。

コンビニに向かう途中の会津鉄道会津線沿いに塔のへつりという駅がある。この近くに「塔のへつり」という観光スポットがあるようだ。塔の形が立ち並ぶ断崖があるそうだ。

登山口のある甲子温泉 旅館大黒屋を目指していると、また晴れてくる。嘘のような天候だが、ほっとする。甲子山を貫く全長4,345mもある長い甲子トンネルを抜けると直ぐに甲子大橋を渡り、阿武隈川沿いの旅館大黒屋に向けて降りる。宿の少し下流にある駐車場にとめる。結構たくさんの車がとまっている。駐車場でストレッチをしてから出発する。

旅館大黒屋の敷地内を抜けて阿武隈川の支流の白水沢に架かる橋の手前まで降りると、そこに「甲子山登山口」と書かれた標識が立っている。ここで記念撮影をする。背景の木々が紅葉していてきれいだ。少し登ると温泉神社がある。道が二つに分かれていて、左が甲子山に登る道で、右は衣紋滝に至ると書かれている。衣紋滝は落差15mの滝のようだ。

しばらく進むとジグザグに曲がる登山道となる。前日登った二岐山は急な直登だったが、甲子山のジグザグ道の方が歩き易く脚に優しいと思う。登山道脇の木々の紅葉はきれいなままだ。結構きついので、30分後に小休止をとる。ジグザグ道がやっと終わり道が緩やかになると間もなく猿ヶ鼻と書かれた標識のある所に着く。ここで休憩をとる。猿ヶ鼻という名前の由来は調べたものの分からない。

猿ヶ鼻から先しばらくの間、甲子峠分岐までは緩やかな登りが続く。甲子峠分岐から右の道を行く人がいたが、おそらく大白森山を目指すのだろう。甲子峠分岐から左の道を進むと状況が一変し、急で岩肌のような地面の道となる。ロープが張られていて、一番急な箇所には太い鎖も張られている。やっとのことで登りきると甲子山頂上に着く。展望の良い山頂で、南西には旭岳(赤崩山)の大きな山容が見えている。旭岳は中央分水界上にあるそうだ。

山頂には「甲子山頂から見たパノラマ」と書かれた丸い展望図が設置されている。これを見ると旭岳の左側に那須岳最高峰の三本槍岳が見えるように書かれているが、残念なことに雲に隠れていて全く見えない。まずは記念撮影をしてから展望が良いという南西の小ピークまで空身で行く。確かに小ピークから見る旭岳が雄大だ。

小ピークから甲子山に戻ってから昼食とする。食事中に旭岳から戻って来た人に尋ねると登り1時間くらいとのお話だが、若い人だから1時間なので我々だともっと掛かるだろうと思う。旭岳の標高は1,835.2mで甲子山の1,549mよりも286m高く、標高1,475mのコルまで下っての登り返しなので登りは360mある。やはり1時間では厳しい。

下り始めると、早速ロープの張られた急な下りだ。小生は左手で太いロープを持ち、右手でストックを突いてゆっくり下る。2本ストックで下る人もいる。慎重に下るので、甲子峠分岐まで20分掛かる。猿ヶ鼻まで下って休憩をとる。そこから下る際、ジグザグの曲りがいくつあるか数えながら下る。温泉神社まで下り、参拝する。その少し下で最後の曲りが終わり、白水沢に出る。結局曲がり角は41か所あることが分かる。41曲りだ。

そこから運転手の二人は駐車場に向かう。他のメンバーは、大黒屋旅館の脇でストレッチをして待っていただくことにする。車で大黒屋旅館の駐車場まで戻り、途中からストレッチに参加する。ストレッチ後に大黒屋旅館の日帰り入浴だ。大黒屋旅館の温泉は阿武隈川沿いまで下った所にある大岩風呂が有名なのだが、時間があまりないので諦めて恵比寿の湯で我慢する。でも、下山後の温泉はとても良い。大岩風呂は混浴だそうだが、その隣に女湯の「櫻の湯」もあるそうだ。

入浴後、荷物をパッキングして、レンタカーで新白河駅に向かう。レンタカーを返却して、新白河駅の東口側に行き、東口直ぐの「はなの舞 新白河駅東口店」にて簡単な懇親会を開く。ここでも福島県観光特典クーポンが使えるので便利だ。生ビールで乾杯し、楽しい登山を終える。

紅葉、温泉、展望に満足できる山行となる。



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