鳳凰三山(雪山テント泊)

オベリスク目前

山行情報

日時:2022/01/07 ~ 2023/01/09 天候:晴れ
ランク:D-D-9:00 参加:10名
山行担当:CL3632 SL3256
記録担当:文責:3224 写真:3626、3632、3420、3785、3687、3256、3224 (ビデオ) 3730

コースタイム

1日目
海老名駅 06:15 = 09:20 夜叉神峠登山口 09:50 … 11:00 夜叉神峠小屋 11:10 … 12:40 杖立峠 … 15:20 南御室小屋
2日目
南御室小屋  5:50 … 7:40 薬師岳 7:40 … 8:15 観音岳 8:30 … 9:50 地蔵岳 10:05 … 11:35 観音岳 … 12:15 薬師岳 12:20 … 13:15 南御室小屋
3日目
南御室小屋 6:50 … 7:25 苺平 … 8:45 杖立峠 8:50 … 9:55 小屋 10:00 … 10:50 夜叉神峠登山口

コースマップ

記録日:2023/01/07~2023/01/09
合計距離: 29060 m
最高点の標高: 2842 m
最低点の標高: 1371 m

山行記

1日目

19歳、オベリスク(地蔵岳)にあこがれて山登りを始めた私にとって、今回の企画は是非とも参加したいものだった。問題は体力。参加の皆さんにご迷惑を掛けずに歩けるか、メンバーを見てとても心配になった。でも標準コースタイムでは未だ歩ける自信はある。参加を決意し準備を進めているとCLから連絡が入る。初日は雪が降る可能性が高くワカンを準備とのこと。 

またハードルが上がってしまった。ワカンを最後履いたのはいつだったかなと思いつつ装着確認。軽量化をギリギリまで見つめ直し、いよいよ初日を迎える。 

1日目、夜叉神峠登山口からスタート。なんと天気予報がまた変わり晴天となった。しかもこれから3日間、晴天は続くと言う。幸運に感謝しつつ各々20キロ近くなったザックをうめき声と共にゆすり上げ登山開始。

夜叉神峠までまずは1時間。途中からちらちらと雪が残る山道をアイゼンは装着せず登って行く。時折アイスバーンもありヒヤヒヤさせられるが、先を行くSLMA氏は軽やかに歩を進めている。2番目を確保した私は、重さと足元に気を取られながらよろよろと少し遅れて付いて行く。時折振り向くと他のメンバーがぴったり付いて来ている。しかしここで焦りは禁物。平常心を保ちつつ夜叉神峠到着。CLNS氏にコースタイムは順調とのお話しを頂きひとまずほっとする。真っ白な白根三山がお出迎えしてくれる。やっぱり雪山は素晴らしい。 

次の目標である杖立峠までは2時間。ここからは雪が次第に安定し歩きやすくなって来る。なだらかな坂をやはりゆっくり歩いて行くと、思ったより早く杖立峠に到着。しかしここから苺平までの2時間が長く感じられた。次第に重くなる足取りに加え午後からの寒さも加わり足をつるメンバーも出てきた。苺平からは下り30分で漸く南御室小屋のテント場に到着。1日目の行程が無事終わったことにほっとする。 

テント場は平で広々しており、なんと水場が凍結しておらず水がくめたのには感動した。今回テントは3張。我々女性テントは、お酒を飲みつつガールズトークを楽しみ、YSさんのプチトマト入り酸辣湯麺に舌鼓をうつのであった。重たかったけどテント生活はやっぱり楽しい! 



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2日目

2日目、4時起床5時半出発目標。朝からヘッドランプトラブル勃発。電池を入れ替えても点灯しない者、見つからない者、点灯してもすぐ消えてしまう者。ヘッドランプの管理は日頃から気をつけねばいけないとあれほど言われているのに!ちなみにトラブルメンバーの一人は筆者である。 

各々反省しつつ他のメンバーに照らしてもらい20分遅れでスタート。暗闇の中1時間。森林限界に出る頃には夜も明け始め、富士山からのご来光、淡く色づく白根三山、薬師岳方面のモルゲンロートを堪能した。そしてここでYK氏の秘密兵器が登場。長く伸ばした棒の先に360度撮れるカメラが付いていると言う。後で見せて頂いたが、まるでドローンで撮影したような画像に改めて感動するのであった。 

薬師小屋を経て薬師岳に着く頃には夜もすっかり明け、真っ青な空の下縦走路がくっきり見える。鳳凰三山の始まりだ。真っ白な北岳の大きさに圧倒されながら歩く縦走路は素晴らしい。しかも薬師岳から観音岳までの間は、アップダウンが少なくルンルンの縦走路だ。しかし風が強くとても寒かった。観音岳からは急な昇降に加え、雪も少ない箇所があり、所々砂地や岩が露出しており歩きにくい。

赤抜沢ノ頭への辛い登りが終わると、遂に地蔵岳が見えた。雪は吹き飛ばされて余り着いていなかったが、紛れもなく真冬のオベリスク。その美しい姿に改めてほれぼれする。諦めずにここまで来ることが出来本当に良かったと思った。

復路も来た縦走路を戻るのでアップダウンの繰り返しとなる。荷物は軽いのにこの日も私はふうふう言い通しだ。申し訳ないなと思いつつ、山行記を引受けようと考えた所、足取りが軽くなって来た。13時15分、無事南御室小屋のテント場に戻る。この日はテント場の外で宴をしたいとSLは目論んでいたが日陰の上とても寒かった為、男性テントにお邪魔し乾杯した。 



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3日目

3日目。4時半起床6時半出発目標。15分遅れで撤収が終了し出発。名残を惜しみつつ下山。登りは辛かったが、下りは快調に歩き(私にしては)10:50、夜叉神峠登山口に無事到着。メンバーとハイタッチで喜びをかみしめた。 

 山は満を持して行くものと思っている。でも時々体力も技術もぎりぎりな状態でも参加したい山行がある。今回は体力が間に合っているか少し心配な山行であった。励ましてくださったCL、SL、メンバーにとても感謝している。情報誌に行きたい山と行ける山は同じとは限らないと書いていた先輩がいた。私もそのことを真摯に受け止めながら山行に参加していかねばと思った。 

CL追記】 

出発3日前の天気予報では初日が雪となっていて、急遽装備にワカンを追加したが天気は回復して3日間とも晴れ、風も寒さも冬山としては穏やかでした。コースタイムの通りに歩けて時間にも余裕があり、楽しめた山行でした。 



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ビデオ

鳳凰三山厳冬期の稜線をinsta360X3で撮影