双六岳・三俣蓮華岳
山行情報
日時:2024/08/02 ~ 2024/08/04 天候:晴れ/晴れ/晴れランク:C-C-7:00 参加:6名
山行担当:CL3802 SL3846
記録担当:文責:4033, 3890 写真:3802, 3846, 3916, 3819, 4033, 3890 ビデオ:3846
コースタイム
1日目
新穂高温泉バス停6:57…8:06笠新道登山口8:07…8:20わさび平小屋8:41…小池新道入口9:04…9:55秩父沢出合10:05…チボ岩10:23…11:01イタドリが原…11:39シシウドヶ原…12:58鏡池13:02…13:03鏡平山荘(泊) 行動時間:6時間06分
2日目
泊地6:02…6:59弓折乗越7:21…7:39花見平7:46…8:33双六池…8:38双六小屋9:25…9:44双六岳巻道分岐…9:48双六岳中道分岐9:53…10:37双六岳10:51…11:09中道分岐…11:40丸山…12:19三俣蓮華岳12:26…12:37三俣峠…13:17三俣山荘13:49…14:33三俣峠…16:14双六岳巻道分岐…16:29双六小屋(泊) 行動時間:10時間27分
3日目
泊地5:34…6:28花見平6:41…6:51弓折乗越6:55…7:30鏡平山荘7:53…7:54鏡池…8:28シシウドヶ原…8:49イタドリが原…9:10チボ岩…9:23秩父沢出合…10:05小池新道入口…10:22わさび平小屋10:55…11:00笠新道登山口…11:57新穂高温泉バス停 行動時間:6時間23分
コースマップ
記録日:2024/08/02~2024/08/04最高点の標高: 2859 m
最低点の標高: 1078 m
山行記
1日目
毎日あるぺん号の深夜バスで、前日の22時30分に竹橋を出発。翌日、早朝5時過ぎに上高地、6時過ぎに新穂高温泉第一ロープウェイバス停に到着した。すがすがしい空気、三日間、お天気も良さそうなので、自然、期待が膨らむ。
朝食を摂り、準備運動をして、7時前に出発。数日前の雨の影響なのか、左俣川の水量はとても多く、その上を吹く風は冷たくて気持ちいい。最初の林道はみんな元気で、登山話に花を咲かせながら進むと、あっという間にわさび平小屋に到着。ここは水が無料なので、空で持って来たペットボトルに補充する。わさび平小屋の名物は、冷水の樽で冷やされたトマトなどの野菜や、バナナ・オレンジ・スイカなどのフルーツ。250円のトマトは冷たくて、疲れた体を復活させてくれた。
わさび平小屋から20分ほどの小池新道登山口から、本格的な登山が始まる。小池新道はよく整備されており、登りやすい。雲一つない快晴で日差しが強く暑いのだが、所々で沢を渡渉する必要があって、そこだけは天然クーラー状態で涼しい。一番水量が多い秩父沢では、雪渓から水が溶け出しており、思い切って沢に頭から突っ込むと生き返る。
整備されてるとはいえ、猛暑のなかの岩稜帯はなかなかキツイ。やがて斜度が緩くなり、木道が現れると気持ちよく歩けて、やっと鏡平池に到着。この日は青空で、風がなく、稜線にも雲がなく、つまり完璧な「逆さ槍」が撮れた!それまでの疲れも忘れ、みんなが絶景に興奮しながら思い思いに写真を撮る。今日の行程は、すぐ隣の鏡平山荘にチェックインして終わり。山荘前のテーブルで、まだ日も高い中で早くもビールで乾杯。
夕食後、あとは寝るだけかと思っていたら、またまた絶景のプレゼント。槍の穂先が真っ赤に染まるアーベントロートが部屋から見えるではないか!急いで鏡平池まで戻ると、日の入り間際のほんの数分、最高の写真が撮れた。槍のモルゲンはいろんなところから見えるけど、逆さ槍のアーベントロートなんてそうそう見れない。 (文責:4033)
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2日目
さあ、今日は双六岳と三俣蓮華岳に登るメインとなる一日。出発前、山荘前から登る朝日に今日もいい一日になりますように、と願いをかける。
2,300m地点にある鏡平山荘から弓折乗越までは灌木帯の急登。朝日がまともにあたって、とにかく暑い。途中、双六小屋からやってくるすれ違いも多く、なかなか自分たちのペースで歩けない。こんなに良いお天気だもの、夏山シーズン真っ盛りだもの、当たり前だよね。ふと遠くを見やると、目に入ってくるのは早々たる日本の名山ばかり。初めて北アルプスを訪れた私は、槍ヶ岳以外は地図を見て確かめないとどれがどの山なのか、まったくちんぷんかんぷんだけど、みんなが教えてくれる。山容で山の名前がわかるアプリを入れている人も。 この場所、本当にすごい!!!
昨日と違って、いろいろな種類の高山植物が、我先にとばかり可憐な花を咲かせている。甘い香りを放っているものも。しかし、残念ながらオニユリやニッコウキスゲぐらいしか名前がわからない…。いつも残念に思いながら、覚える気がない自分…。しかし名前はわからなくとも、花の姿は暑さにほとほと痛めつけられている私の心を癒してくれる。
60分ほどで2,560mの弓折乗越に到着。南へ行くと二週間後に訪れる予定の笠ヶ岳へと続く道だ。今日は北側の道を選んで双六岳をめざす。ここからは少しなだらかな尾根を進む。雪渓も残っていて、そちらから冷たい風が吹き上げて来て、とても心地よい。やがて尾根から離れて、緩やかな下り道となり、山腹の巻道を進むとほどなく草原が開け、カラフルなテン場が目に入る。そして双六小屋到着。
ここで荷物をデポさせてもらうとともに、昨日から左足の小指に痛みのある私は、診療所に立ち寄って、対策を相談。「足の小指の先なので、鎮痛剤は効かない、対策はシップを貼って歩くぐらいかなぁ。引き留めても行くでしょ?」と、シップを貼って送り出してくれた。
診てもらったおかげで指の痛みもおさまり、ザックも軽くなって気持ちよく双六岳を目指す。まずは太陽があたる岩稜帯を、汗を流しながらひたすら進む。「天空の滑走路って、本物はどんな画なのだろう…」「双六岳から見る槍ヶ岳はどれだけ勇壮で急峻なのだろう…」「暑いけれどこんなにいいお天気の中でその姿を確認できるなんて、かなりラッキーなんじゃないだろうか…」、そんなことを考えながら、ひたすら進む。
少しずつ、道が緩やかになって、周りが開けてきた。と、双六岳の姿が少しずつ見え始める。ぐるっと見回して槍ヶ岳の姿を探す。天空に突き刺すようにそびえる槍ヶ岳。そして、槍に続く道が足元から延びている。これが、天空の滑走路か…。ずっと槍ヶ岳まで歩いていきたくなる。
双六岳山頂を経て、やさしい印象の稜線のアップダウンを進み、丸山を超えて三俣蓮華岳へ。ここは、長野、富山、岐阜三県の県境にあたる場所。各県がたてた三角点がそれぞれ並んでたてられている。そしてなんと!!!一羽の雷鳥が、登山者がいるのもなんのその、人間を恐れもせずに、いや、私を見て!!と言わんばかりに、堂々と砂浴びをしている。スマホを向けると、気のせいか、カメラ目線で登山者の間をゆっくりと歩き回る…。これにはみんな、驚きを通り抜け、大喜び。雷鳥の保護に尽力してこられた方々に感謝だった。
ランチと休憩のためにこのあと、三俣山荘をめざして下る。思ったよりも長い下り、高山植物を楽しみながら、休憩タイム目指してゆるゆると進む。山荘到着。三俣蓮華岳の山頂からも見ることができたが、山荘からは見上げる形での鷲羽岳の姿が楽しめる。外のテーブルで休憩を取る。屋根もなく、陽射しは抜群に強く、休んでいるのか、体力を奪われているのかわからなくなってきて、早々に来た道を登り返す。これが、なかなか、キツイ。
三俣峠までガレ場を何とか登り切ると、ここから双六小屋へのルートは二つ。ひとつは三俣蓮華岳まで戻って、中道を下るルート。もうひとつは三俣蓮華岳と双六岳の東側の山腹を巻いていくルート。展望が良くて、お花畑が楽しめる、という巻き道を選ぶ。最初は、たしかに眺めがよく、お花たちが目を楽しませてくれた。が、突然、目の前に急な岩稜帯が現れる。こんな箇所、あるって地図に書いてたっけ…???と思いながら、ひたすら登る。そして最後はハイマツ帯を歩く、とようやく小屋が見えてきた。
夕食は16時半から。小屋に着いたのは、16時25分を回っていた。 荷物だけ置いて、急いで夕食のテーブルへ。ビールやチューハイで乾杯をしようとしたら、隣の席の紳士が写真を撮ってくださった。長く、中身の濃い、お天気に恵まれた素晴らしい一日に感謝をこめて、乾杯。(文責:3890)
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3日目
最終日は、双六小屋から鏡平山荘を経由して新穂高温泉まで戻る。
最後のご褒美は、初めてみたブロッケン!虹色の輪の中に、自分の影がハッキリ見えた。ふたを開けてみると3日間とも快晴で、最高の天気に恵まれた山行となった。約6時間で新穂高温泉に到着。奥飛騨の湯に浸かり、毎日あるぺん号で帰京する。
友人の助けもあり、最高の夏休みの思い出となった。と同時に、新たに登りたい山もたくさん見つけた。また来年、友人と共に新たな山行に挑戦したい。(文責:4033)
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