甲斐駒ヶ岳~仙丈ヶ岳 (夏山定例)
山行情報
日時:2024/08/23 ~ 2024/08/25 天候:曇り時々晴れランク:C-C-8:00 参加:10名
山行担当:CL3284 SL3868
記録担当:文責:3999, 3802, 3428 写真:3284, 3868, 3428, 3802, 3928, 3930, 3982
コースタイム
1日目
尾白川渓谷駐車場09:40…13:35刃渡り…16:05七丈小屋(泊) 行動時間:6時間25分
2日目
七丈小屋04:30…07:05甲斐駒ヶ岳07:20…10:45北沢峠11:20…14:00馬の背ヒュッテ(泊) 行動時間:9時間30分
3日目
馬の背ヒュッテ05:30…06:45仙丈ヶ岳06:55…07:45小仙丈岳07:50…09:25北沢峠10:00-10:50仙流荘 行動時間:5時間20分
※-公共乗物
コースマップ
記録日:最高点の標高: 3028 m
最低点の標高: 780 m
山行記
1日目
日本三大急登とは、北アルプス烏帽子岳に登るブナ立尾根、谷川岳に直登する西黒尾根、そして南アルプス甲斐駒ケ岳に登る黒戸尾根と知って登山歴1年未満の私は、恐れを抱いた。
登って、登ってまだまだ続くのかなーと思うころに平坦な道。上がった心拍数が整う。平坦な道がちょっとしたご褒美。時折の風や素晴らしい風景もご褒美。大きなカエルのお出迎えもご褒美。何より嬉しかったのがグングン標高を上げるヤマレコのお知らせ!
恐れに反して素敵に感じたのは、樹林帯の落ち着いた空間。樹木に囲まれて、怖いと思うような景色では無い。足元は、主に土。根っ子がちょうど良いところにあって持ちやすい。石が出てきたな〜、これから鋭い岩が出現するの?との警戒にも反して、ズッシリと土に埋もれて苔におおわれた丸い大きな石。グリップがよく、滑る心配も少ない。良い感じの世界感が気持ち良い。頑張りがいがある。
1日目宿泊の七合目の七丈小屋到着のときにはヘロヘロだった。が、楽しかったー。 夕食後、すぐに寝てしまった。(文責:3999)
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2日目
目が覚めたらそこは七丈小屋だった。そうだ、昨日、無事ここまで登れたんだと思いながら、各自準備運動して慌ただしく4時半に小屋を出発。しかし、いきなり梯子からのスタートだ。寝ぼけてなどいられないと気を引き締める。
想定外のご来光や雲海を楽しみつつも、8合目から山頂までは垂直に近い岩場を全身を使って登ったり、切れ落ちた岩の斜面にへばりついて這い上がったりを繰り返す。小休憩の度に皆はキツイけど楽しいねと話しているが、私にはそんな楽しむ余裕などはない。アクロバティックなアトラクション的な登山道がこれでもかと延々と続く。さすが黒戸尾根だと改めて思い知らされる。
三点支持と、できるだけ確実な足場を確保してから手を離すことを常に頭に置いて、集中して進むとその先には二本の剣が見えた。2時間半かけて山頂に到着。しかし喜んではいられない。午後からは雨予報なので、記念撮影を早々に済ませて下山。ザレて滑りやすいので慎重に進む。
その後もアップダウンを繰り返し、駒津峰で小休憩。ここで参加者からのリクエストもあり双児山を登り、だらだら長いまき道を進み、ようやく北沢峠へ到着。少し長めの休憩タイムとなる。昨年の会山行で泊まったこもれび山荘でソフトクリームを食べほっと一息。
バス停には帰りのバスを待つ人たちがいて、思わずこのまま帰りたい衝動に駆られるも私たちは帰れない。この後、馬の背ヒュッテまで約2時間半登らなければならない。3時間下った後の登り返しは足に来るが、リーダーは全く疲れ知らずのようでピッチも落ちずどんどん進む。間が空かないように必死でついていく。長く歩いているせいか六甲訓練山行を思い出し、その後は無となりひたすら登ると予想外の渡渉が何度もあった。
藪沢大滝ノ頭から藪沢小屋まで来るとリーダーがあと20分だから頑張って、と言わる。しかしその最後が一番きつかった。馬の背ヒュッテに着いた時にはへとへと状態だったが、雨にも降られなかったのは自称晴れ女の私だから?いずれにしてもこの山行の一番キツイ一日が終わった。(文責:3802)
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3日目
前日の天気予報は雨。雨でも仙丈ケ岳に登りたいメンバーは10人中私を含めて5人。 CLから当日の朝実施するか決めるので、5時半に出発の用意はしておくこととのお達し。 夜中にザーザーの雨が降ったらしいが、熟睡中で全く気づかず、朝起きると窓から朝焼けが見える。これは行けるね、と女子たちでにんまり。
5時半に出発し、山頂を回って北沢峠まで4時間20分の行程を、10時のバスに間に合うよう早めに歩かないといけない。1日目も2日目も先頭のSLについていくのが大変だったのに、「今日は爆速で」と言われ不安が…。
登り始め、10分もしないうちに汗がぽたぽたと垂れる。仙丈小屋に着き、ホッと一息。雲海の先に八ヶ岳が見える。次のひと頑張りで仙丈ヶ岳に着いたが、ガスでほとんど景色は見られず残念。その代わり下っていく途中で雷鳥の親子を見かける。若鳥に育っている子どもたちを岩の上から見守る母親雷鳥に癒される。 岩を登った先の小仙丈ヶ岳でも景色は見られなかったが、甲斐駒ヶ岳で十分堪能できたからいいか、と自分を慰める。
下りでは木の根に引っかかって転んだりしながらも、無事9時半前に北沢峠に到着。ご褒美のソフトクリームが美味だった。
予報では3日間とも雨に降られるかと思ったが、1回もレインのお世話にならずに済んで本当にラッキー。速く歩いて引っ張ってくれたSLのおかげだ。速すぎる!と文句を言ってごめんなさい。黒戸尾根の大変さが実感できて充実した山行だった。(文責:3428)
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